尾谷浩希 苦悩を越えて 欠かせない存在に
戦術の組み立てやロングシュートを得意とする期待のセンター、尾谷浩希(法1=愛知県私立愛知)。中学時代は全国優勝を2度経験するなど華々しい成績を残す。しかし、高校ではなかなか出場機会に恵まれず悔しい思いをした。高校での挫折をバネに大学での活躍を誓う。
日本一の中学生
「友達に誘われて」。これが尾谷のハンドボールとの出会いだった。最初の練習は基礎から、実戦で使用するより一回り小さい一号球を使った。「強くボールを投げる感覚が身に付き、パスのバリエーションも増えた」。仲間と切磋琢磨(せっさたくま)して練習を重ねた。そして、3年次に全国中学校大会(以下、全中)とJOCジュニアオリンピックカップに出場。それぞれで優勝し、大会最優秀選手に選出された。「うれしかったし、やってきてよかった」。
苦悩の高校時代
高校は愛知県の強豪校・愛知高に進学した。しかし、なかなか試合に出場することができなかった。「一対一が苦手で戦術的な面が全くできなかった」。初めての挫折だった。そんな中、光となったのが2年生の時に就任した大橋慶コーチだ。「一個上の学年が主体の試合のアップの時に、一対一を付き添いで教えてくれた」。このことは彼の心の支えとなった。技術的な面でも攻撃のバリエーションが増えて大きく成長できた。ところが、尾谷を次に襲ったのは新型コロナウイルスだった。その影響でチームでの練習ができなくなり、総体もなくなった。気持ちが切れてしまうこともあった。それでも、国体開催の可能性はあり、愛知県の代替試合もあった。そこを目標に、自主トレーニングに励んだ。自粛が明けて久しぶりのチームでの練習は、「単純にハンドボールが楽しかった」。
欠かせない存在
堅いディフェンスからセットオフェンスで確実に1点を取る。そんな明大のプレーに惹かれ、入学を決めた。憧れは可児大輝(政経3=中部大春日丘)。「頭一つ抜けている」実力に刺激を受けつつ、練習に取り組んでいる。
今はまだ接触の時に押し負けてしまうことがあるが、フィジカルの強化をして押し負けない体をつくる。そして「チームに欠かせない存在」になり、チームを悲願のインカレ優勝に導いてみせる。さらなる成長を遂げる彼から目を離せない。
【堀純菜】
◆尾谷 浩希(おたに・こうき)法1、愛知高。趣味はYouTubeを見ること。東海オンエアがお気に入り。179センチ・80キロ。
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