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田渕海斗 文武両道で目指す世界への道

水泳(競泳) 2021.09.12

 圧倒的な追い上げでレースを制す。個人メドレーを主戦場とする田渕海斗(情コミ1=日大藤沢)は、特に自由形に長けた選手だ。ジャパンオープン2021では、800メートル自由形で1位という抜群の成績を収めた。並み居る実力者たちにも屈せず、世界へ向けさらなる高みを目指す。

 

固い意志を貫く

 5つ離れた兄が始めた影響で、5歳の頃に田渕の競泳人生がスタートした。「始めた頃はただ単に泳いでいるだけだった」。しかし、中学2年次に出場した関東中学校水泳競技大会で、自己ベストを9.21秒縮め大幅に更新。日本水泳連盟が定めるナショナルタイムまであと0.51秒という記録を出した。そこから目指す目標が高くなり、より水泳に本気で向き合うようになった。

 「人生一生勉強だから」。田渕の父・万左澄さんの言葉だ。その考えを受け、競技を続けつつも勉強をおろそかにすることはなかった。「どちらも頑張らないと、両方駄目になる」。実際、高校2年次に挑んだインターハイの400メートル個人メドレーでは、3位という好成績を残した。その一方で、高校3年間の評定平均は5段階中5.0と、まさに文武両道である。そんな言行一致を徹底する精神こそ田渕の強さの1つではないだろうか。

 

強みを生かして

 個人メドレーでは終盤が田渕の見せ所だ。最後の泳法・自由形で日本トップレベルの実力を発揮し、水面を猛進する。今年2月に行われたジャパンオープン2020、400メートル個人メドレー決勝でも圧巻の泳ぎを披露した。前半は下から数えた方が早い順位にいた田渕。しかし、後半に入ると瞬く間に周りとの差を縮めていく。そして、最後の自由形で一気に先頭争いへと加わった。惜しくも優勝は逃したものの、高校生ながら見事3位入賞を果たす。さらに「競泳を続けてきた中で一番うれしかった」と、五輪派遣標準記録を1.45秒上回る快挙を成し遂げた。

 

パリ五輪に向け

 「常に目標を立てることを大事にしている」。その目標という指針が、田渕にとって一番の原動力となるのだ。3年後のパリ五輪に向け、まずは日の丸の重さを経験する。そのために来年5月開催の世界水泳選手権、さらに9月のアジア競技大会の代表内定という目標を掲げる。そして来る2024年、大学4年間の集大成をパリ五輪で見せつける。

 

[清水優芽]

 

田渕 海斗(たぶち・かいと)情コミ1、日大藤沢高。試合前はとある1曲をリピートで聴いている。曲名は内緒らしい。171センチ・69キロ。


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