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道添天午 インテリ短距離ランナーの挑戦

競走 2021.09.11

 全国各地から優秀な選手が集まる明大競走部。その多くがスポーツ推薦だが、一般入試を経て入部し、文武両道を目指す選手もいる。短距離部門に所属する道添天午(理工1=戸山)もその一人だ。コロナ禍という激動の時代のなか、粛々と己を高め続ける短距離ランナーに迫る。

 

陸上との出会い

 「運動会でリレーの選手になったので、陸上部にしようかなと」。競技を始めたきっかけは至ってシンプル。「中学校の体育の授業でハードルをやってみて、結構得意だった」と専門種目の400メートルHに関しても当初から苦手意識は無く、自然とその道を歩むように。高校はSSH(スーパーサイエンスハイスクール)にも指定されている都内屈指の進学校・戸山高に進学。進学校ではあるが、自由をおもんじる校風もあり、勉学とスポーツの両方に精力的に取り組むことができる環境だったという。

 

転機となる試合

 そんな環境で努力を続けていた道添に転機が訪れたのは高2の都内新人戦。初めて決勝まで進み「一本勝ち残ってもう一本走るということを経験できた」と、確かな手ごたえを感じることができた。都大会というハイレベルな選手が集まる大会で、一つ上の勝負の世界を体験し、競技への姿勢は大きく変わっていく。後の大学生活でも「エアコンをつけすぎず、練習時との温度差をなくす」といった競技へのストイックな気持ちは忘れていない。間違いなく道添の競技人生を変えたレースの一つだった。

 そんな矢先、新型コロナウイルスという、思ってもみない横やりが入る。「高3の全総体が無くなった」。目標としていた大会が次々消えていく。しかし、リモートで行われた大会で都5位にまで躍進。「自分のレースに集中していた」。コロナ禍でも芯を曲げずに陸上選手として大きなステップアップを果たした。

 

目指す先は一つ

 一般受験を経て明大に進学した後、高校時代の経験と競技場のアクセスの良さから競技継続を決める。大人数での練習が難しい状況のなか、個を重視した練習方針と「マイペースな感じ」と言う自身の性格が合っていたこともあり、不自由は感じていないと語る。大学でも400メートルHを専門とし、経験豊富な上級生からアドバイスをもらい着実に力を付けている。「関東学生新人の標準記録である54秒30を期限内に切りたい」と明確な目標を持つ道添。現在目立った実績はない。しかし、変化の時代でブレずにひたすら自己研さんを続けることができるそのメンタリティには大器の片鱗を感じさせる。異色の経歴を持つ短距離ランナーの今後に注目だ。

 

[菊地隼人]

 

道添天午(みちぞえ・てんご)理工1、戸山。尊敬する選手は400メートルH日本記録を持つ為末大。175センチ・62キロ。

 


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