特集記事
SPECIAL

登根大斗 逆境も味方に〝前へ〟

ラグビー 2021.09.10

 素早い球出しでゲームの流れをつくりだす。春に行われた対早大新人戦でゲームキャプテンを担ったスクラムハーフ登根大斗(法1=御所実高)。高校3年次では肩の手術を乗り越え、主将としてチームを全国高校大会(以下、花園)に導いた。紫紺をまとい活躍する日を目指して、貪欲に進化し続ける。

 

大きな成長の鍵

  兄が通っていた高校の監督とコーチに勧められ、高校は名門・御所実高に進学。地元大阪から奈良へと移り、竹田寛行監督の家で高校3年間を過ごした。この間、登根が心掛けていたことがある。それはごみ拾いだ。「監督に当たり前のことを当たり前にするようによく言われていた」。この行動は登根の成長の大きな鍵となる。普段から意識してごみを見つけて拾うことで、試合中に今まで見えていなかったスペースが見えてくるようになった。また、プレーがうまくいかないときでもその習慣を続けることで、自分を整えプレーの安定へとつなげた。


   日常での習慣がラグビーに連動し「自分が変われた部分はとても大きい」。御所実高での学びは登根の基盤を築いていった。

 

立ちはだかる壁

 高校1年次から学年リーダー、2年次ではU―17日本代表、花園を経験。順風満帆に進んできたが、主将となった3年次の4月に肩の手術を受ける。半年以上チームの練習から離れ、復帰したのは10月。花園出場を懸けた天理高との大一番が控えていた。だが、思うように体が動かない。また、個人のことに加え、主将としてチームのことで指摘されることも多くなった。「どうしたらいいんやろう」「どうして自分だけ」。やるせない気持ちが積もり、登根を苦しめる。


  しかし、そんな状況を変えてくれたのは周囲からの鼓舞する声だった。「今は自分のことよりチームのことを考えろ」「お前が弱気になっていたらいい方向に向かへん」。エールをもらい、登根はもう一度奮起。チームのために今自分ができることを考えた。「まずは口よりも行動」。決意を固めると何事にも自ら率先するように。するとそんな登根の姿勢が部員にも伝染。一気にチームの士気が高まった。そして天理高との試合では勝利を収め、見事花園への切符を勝ち取った。登根の最後まで諦めず己とチームに向き合った努力が実を結んだ結果となった。

 

いざ、新天地へ

 高校3年次で多くの経験を重ねた登根。彼が選んだ大学は明大だ。「あえて厳しい環境で勝負したいということが一番にあった」。登根のポジションであるスクラムハーフには、各学年に日本代表を経験した選手たちが所属している。レベルの高い環境だからこそ「盗めるものは何でも盗みたい」。


  これから先、どんな成長を見せてくれるのか。ラグビーへの熱意の炎は登根の心を燃やし続ける。

 

[安室帆海]

 

◆登根 大斗(とね・だいと)法1、御所実高。趣味はお笑いを見ること。特にジャングルポケットが好き。166センチ・55キロ。


関連記事 RELATED ENTRIES

定期購読・新聞購入のご案内 クレジット決済による定期購読