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(3)#atarimaeni CUP開幕直前 須貝英大主将インタビュー

サッカー 2021.01.06

 新型コロナウイルス感染拡大により総理大臣杯・全日本大学選手権と全国大会が相次いで中止となった大学サッカー。その代替として、今年度に限った特例全国大会「#atarimaeni CUPサッカーができる当たり前に、ありがとう!」の開催が決定された。関東リーグ覇者の明大は7日に福山大との初戦を迎える。最初で最後の全国大会を前に、主将のDF須貝英大(商4=浜松開誠館)に意気込みを伺った。

(このインタビューは12月20日、Zoomで行いました)

 

――改めて、リーグ戦を振り返っていかがでしたか。

 「こういった状況下で開催していただけたことがまずありがたかったです。正直、できると思っていませんでした。4月から6月まで活動自粛があったり、モチベーションの維持やコンディションの作り方で難しい部分はありました。それでも、自粛期間中もオンラインでのミーティングを通して学生内で考えを統一できていたので、開幕6連勝のいいスタートダッシュができたと感じています。ですが、昨年度と比べるとまだまだ足りないとも感じています。サッカーの部分もですが、メンタリティもそうです。試合中に自分たちで改善できなかったり、自分たちの流れではない時に失点して勝ちきれなかったり、隙や甘さがまだまだあると感じています。それでも明大の歴史上、連覇することはなかったので、結果を出せたことは素直にうれしいです。まだまだ課題が残る中でも結果を出せたというのは大きいと思います」

 

――「甘さがあった」と言いましたが、それでも勝ち切れた要因はどこにありますか。

 「全員が同じ熱量でトレーニングできていたことだと思います。やっぱり明大としてやるべきこと、三原則やハイプレス、ショートカウンターなどのスタッフから口酸っぱく言われてきたことを学生自身が体現できていました。チームが勝つためにもっと厳しくやっていこうと自分たちにプレッシャーをかけて、一人一人が意識を持ちながら練習ができていました」

 

――シーズン前から「攻撃にこだわりたい」と話していた中で、リーグ戦では昨年度を上回る3得点。個人の活躍を振り返って、手応えはありますか。

 「そのうち1点はPKですし、試合中にもっと決められた部分もあるし、質の部分はまだまだ物足りないです。守備は自信持ってやれている部分もありますが、攻撃の質はまだ手応えをつかんでいるかというとそうではないです。キャプテンということもあって、けがするまではフル出場できていたことは良かったかなと思います」

 

――4バック、3バックと自在に切り替わるシステムの中で、須貝選手はサイドバックとウイングバックと交互にこなす役回りでした。

 「リヴァプールFCのサッカーなどを見ていてもそうだと思いますが、今のサイドバックは攻撃にどれだけ参加できるかという点や、攻撃の質が求められています。両サイドバックのクロスや攻撃参加から点をとるケースが多いので、守備もしっかりやりつつ、いかに攻撃力を持って仕掛けられるかだ大事だと思っています。その点で言えば、3バックのワイドをやったり、4バックのサイドバックをやったりすることは、どちらも重要だったと思います」

 

――漫画の題材になったりと、最近はサイドバックに焦点が当たることも増えています。

 「サイドバックは最近注目熱いですよね。ビルドアップするときも、相手のプレッシャーを剥がすために絶対再度パスを出すじゃないですか。そこでボールを失わなかったり、前にボールを運べたりすることは絶対に武器になると思います。まだまだ仕掛ける部分、クロス、ゴールに直結したプレーは少ないので、来年度からもこだわりたいです」

 

――活躍を続ける中、第20節の立正大戦で左足首骨折の大けが。けがの直後の心情を教えてください。

 「音も鳴ったし、今まで経験したことないくらい痛かったので、すぐバツ出して交代してもらいました。その時はもう試合に出られないのかと思って。5連戦の初戦だったので、悔しい思いよりは大事な時期にチームを離れてしまう申し訳なさの方が大きかったです。サッカー人生で初めての大きなけがだったので、正直なところまだ戸惑っている部分はあります」

 

――須貝選手の離脱後、チームが目に見えて変わった部分はありますか。

 「チームとして優勝しようという思いが強く日頃からやり続けたことがあったので、正直変わってはいないです。『ヒデのためにがんばる』とみんなが声をかけてくれて本当にうれしかったですが、常に優勝しようという思いは一緒だったので、より一層4年としてもっとやっていこうという気持ちも強くなりました」

 

――本日(12月20日)はリーグ戦最終節でした。チームとしての優勝の喜びと、個人が出場できない悔しさ、どちらの感情の方が大きいですか。

 「早大が破れて優勝が決まった昨日は完全に喜びの方が勝っていて、その時はうれしい気持ちの方が強かったです。けれども、今日試合に行って、閉会式でカップ掲げたり、写真を撮る際にピッチに自分がいなくて、その立場からだと最後まで戦えない悔しさの方が大きかったです。どっちも強いです。チームとして結果を残せたのは間違いなくうれしいことですが、個人としてもキャプテンとしても最後ピッチに立って優勝を迎えたかったし、それはどちらも大きいです。チームの優勝の方が大きいですと言えばうそになるし、悔しさはあるけどうれしさもあるし、不思議な気持ちですね。サッカーができることって幸せだなとあらためて思いました」

 

――これからやるべきこと、取り組むべきことを教えてください。

 「プレーできない分、周りから感じていることを伝えなければと思っています。どんな立場であっても役目をまっとうすること、気づいたことを発言することだとか、しっかりコミュニケーションを取ることは今後の明大のためにもやるべきだと思っています。もちろん自分たちの代で結果を出す目標はありますが、結果だけじゃなくて、記録にも記憶にも残るように。4年生としても主将としても伝えていかなければと思っています」

 

――「つなぐべき明大の伝統」を、須貝選手はどのように捉えていますか。

 「まずは全員が同じ熱量で取り組むこと。日本一の組織を目指しているので、普段の立ち振る舞いから意識することだと思っています。ピッチ内で圧倒的な存在になるのはもちろんですが、明大はいろいろな部分で大学サッカーを引っ張っていかなければいけない存在だと思っているので、発言や立ち振る舞いなどの人間性の部分を伝えていきたいです。サッカー面でのアドバイスもですが、自分たちが1年生から教えられてきたことなので、先輩として伝えていきたいと思います」

 

――#atarimaeni CUPで選手としてプレーすることは難しいかもしれません。それでも、今の須貝選手の立場から大会への意気込みをお願いします。

 「復帰まで考えると現実的には難しいかもしれないですけど、自分はもう大学サッカーでプレーできないとは思っていないです。気持ち的にはプレーできると思っていますし、その思いはなんとしてでも持ち続けたいです。チームが少し悪い状況になっても自分がいい方向に持っていけるように、とにかく自分が気づいて行動することを意識したいです」

 

――ありがとうございました。

 

[高野順平]


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