(32)いざ悲願の優勝へ/箱根駅伝展望

競走
2021.01.01

 大エース・阿部弘輝選手(令2政経卒・現住友電工)を擁し、5年ぶりのシード権を獲得した昨年度の箱根から早1年。今年度は新型コロナウイルスの影響で何もかもが異例のシーズンであった。それでも全日本3位という結果を筆頭に、さらに強力になったチーム。勝負の箱根路、狙うのはもちろん、72年ぶりの箱根制覇のみだ。

 

 例年になく層の厚い今年度の明大。山本佑樹駅伝監督は「優勝を狙う区間配置」を掲げる。その中でスターターに抜てきされたのは、児玉真輝(文1=鎌倉学園)だ。全日本でも1区を任され区間5位の好走。「目標は区間賞から区間1桁」と話す頼もしいルーキーが、全日本同様チームに流れを引き寄せる。

 各校のエース集う2区には、昨年度1年生ながら2区を経験した加藤大誠(営2=鹿児島実)。秋の記録会では苦しい走りも見られたが、「どんどん調子は上がってきている」(加藤)。「彼はロードで強さを発揮するタイプ」という指揮官の期待に応えたい。

 

 充足した戦力で、復路が真の勝負どころか。山下りの6区には、2年連続で6区を担当した前田舜平主将(政経4=倉敷)。「強みは経験」と語る主将には区間賞の期待もかかる。8区は全日本での活躍が記憶に新しい大保海士(法4=東海大福岡)。10区には11月5000メートルと1万メートルで自己ベストを大幅更新した長倉奨美(情コミ4=宮崎日大)がエントリー。好調を維持する4年生たちが有終の美を飾り、チームに勝利をもたらしたい。

 

 今年度から、レース当日のメンバー変更枠が4人から6人へと変更に。明大も、鈴木聖人(政経3=水城)や小袖英人(政経4=八戸学院光星)らエース級の選手たちが軒並み控えに回っており、当日変更が予想される。各校の駆け引きが過熱する中、層の厚さを見せつけられるか。

打倒3強へ、準備はもうできている。「とにかく優勝を目指します」(山本駅伝監督)。真の強豪となる瞬間は、もうすぐそこだ。

 

[飯塚今日平]

 

箱根駅伝まで、あと1日。