(75)~highlight~ 山沢京平「みんなと最後までプレーできなくて悔しい」
「一人一人、一つ一つ」。新体制発足時、箸本龍雅主将(商4=東福岡)はスローガンの込める意味について言及した。連覇の懸かる対抗戦、そして日本一奪還に燃える大学選手権へ。紆余曲折を経て迎える最後のシーズン。4年生が〝イマ〟見る景色とは――。
第22回は山沢京平(政経4=深谷)のインタビューをお送りします。(この取材は11月24日に行われたものです)
ーーけがによる心境の変化を教えてください。
「去年負けてリベンジしたかったというのとみんなで最後までプレーすることが怪我によってできなくなって悔しかったというのと肩のこともあって今年はついてないなと思っていました。ネガティブになっていました。退院してチームの練習が見に行けるようになってからはかなり精神的にも安定したと思います。でも今はベンチに居させてもらって、自分ができることでチームに貢献できたらなと思っています。試合を見て気づいたことは逐一伝えて、帝京大戦は緊張している選手とかもいたのでそういった選手に声をかけたり、練習中とかもアドバイスしていて、今は違った意味で充実しています」
ーーけがの原因は何だと思われますか。
「今年1月に肩の手術をして、半年ぐらいで復帰っていう目標だったのですが、なかなかうまくいかなくて、練習以外でも肩を気にするようになってしまいました。練習にしっかり準備することが肩の怪我によってできなくなってしまったのが膝の怪我につながったのではないかと思います」
ーー気持ちを切り替えられたきっかけを教えてください。
「1年生の時からミスしてもずっと使ってもらっていて、今年副将としての役職ももらって、自分の怪我だけで、もうラグビーはいいや、チームはいいやだと恩を仇で返す形になるじゃないですか。チームに使われてきたのだったら最後までチームに貢献しないとなと思ったことが切り替えられたきっかけです。将来のことになりますが、ラグビー続けるにあたってラグビーができない期間に得られるものもあると思っていて、それをプラスに捉えて、今回の経験が将来に生きるような形で今回の怪我を捉えました」
ーーアドバイスの内容を教えてください。
「B Kを中心にアドバイスしています。特にスタンドオフの池戸(将太郎・政経1=東海大相模)と誉哉(齊藤・文2=桐生一)ですね。最近は勇登(森・政経4=東福岡)にも気づいたらアドバイスしています。誉哉はこの前の帝京大戦で、ゲインした後、外にスペースがあったり、裏にもスペースがあってそれをしっかり見えていました。池戸も誉哉もそうですけど、周りをまだ見切れてないっていうのがあって、自分の前の敵とかしか見られていない部分があります。あと一個先の動きを考えてゲームメークしていくのができてくればより良いスタンドオフになると思います」
ーー次戦は早稲田戦です。
「対抗戦最終戦なのでやっぱり勝ちたいですよね。大学選手権に向けて、対抗戦をここで勝っておくと自信にもつながると思います。帝京大戦みたいに個々の課題ができていないと前半でかなり取られていくので、コミュニュケーション取ることも、タックルしたらすぐ立つこともそうですし、一個一個積み上げていくことが大事だと思います。チームが一つとなって勝ってほしいです」
ーー改めて山沢選手にとって〝one by one〟とは何ですか。
「目の前のことを一つ一つ積み重ねていく、一人一人が小さなことを積み上げて、日本一を目指すということだと思います」
ーーありがとうございました。
[内山嶺]
◆山沢 京平(やまさわ・きょうへい)政経4、深谷高、176センチ・84キロ
帰省してよく食べたいと思うのは、埼玉県・深谷に本店を構えるおせんべいやさん本舗・煎遊の黒胡椒せん。刺激的な香りと風味、辛味が特徴。
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