(72)明早戦直前インタビュー 早大・古賀由教「明治の大きな相手に対し、最後まで走り勝つ」

ラグビー
2020.11.30

 明早戦まで残り1週間。計3回にわたって早大のキーマンに対するインタビューをお送りする。第2回は古賀由教(スポ4=東福岡)。対抗戦ではこれまでチームトップの5トライをマーク。対抗戦Aグループを全勝でひた走る早大のエースだ。昨年の国立で行われた決勝以来の明早戦。来る12月6日に向けてお話を伺った。(この取材は11月12日に行ったものです)

 

――今年の早大の強みと成長しなければいけない部分を教えてください。

 「毎年、早稲田はディフェンスからチームを構築します。まだ完全には強みにはできていないですけど、自分たちの強みはディフェンスにしなければ、強いチームには勝てません。これからそこをもう少し突き詰めていければいいと思います。まだ昨年の選手権決勝の前半のような良いディフェンスはできていません。それ以上のものを求めないと今年は勝てないと思います」

 

――バックスに関してはいかがですか。ハーフバックスが一新されました。

 「昨年はスター選手がたくさんいたチームでした。ありえないじゃないですけど、僕たちが想定しているところではないところでもゲインしてくれました。今年は、それはないので、昨年以上にバックス同士のコミュニケーションは大切にしています」

 

――明大とは昨年の決勝以来の対戦です。

 「もうほとんど覚えていないです。でも、ホッとしたのは、すごく覚えています。僕が交代してからずっと同じ左サイドを攻められて、3トライくらい取られたので、僕が80分間しっかりと出場できていたらという後悔はあります。決勝は脳震とうだったので仕方ないですけど、今年は試合のなかで多少痛くても最上級生として80分間出続けるというのは意識しています」

 

――12月の明早戦で敗れてからのチームとしての成長はいかがですか。

 「ディフェンスで前に出るという部分は、対抗戦の明治戦のときはできませんでした。それによって敗れたと思っていますし、接点で後手後手に回ったのが敗因でした。そこから40日間は、チームとして後手に回らないようにということは本当に意識しましたし、チームとしての成長だと思います。昨年の決勝がスタートラインだとしたら、今年は初めからできているのかなと。意識の部分ではできていると思います。精度はまだまだですけど。前に出るというのは意識できています」

 

――2008年以来の日本一が与えたものはなんですか。

 「自分たちのなかで、もちろん早稲田は負けてはいけないチームですけど、この12年間勝てなかったなかで、負けても仕方ないなという部分は小さい部分ですけど、あったと思っています。まだまだ僕たちはチャレンジャーですけど、あの優勝があったからこそ、僕たちは勝たなければいけないチームなんだ、負けてはいけないチームなんだということは再認識できたと思います」

 

――明大に対してどこを出して勝ちにいきますか。

 「大きな相手なので、ディフェンスでタックルに入り続ける。向こうが寝ているときにこっちは全員が立って、プレーすることが大切だと思います。僕たちみたいな小さな人間が、大きな明治の選手に食らいつく。そしてみんなが最後まで走り続け、勝つということがうちのラグビーのスタイルだと思います」

 

――明大で注目選手はいらっしゃいますか。

 「(箸本)龍雅(商4=東福岡)と(森)勇登(政経4=東福岡)は高校の同級生なので、注目と僕から言うのはおこがましいですけど(笑)。彼らは小さいころから天才だったので、すごいと思ってみていました。(山沢)京平(政経4=深谷)が1番仲良しなので、戦いたかったですけど。絶対勝ちたいです」

 

――明早戦はどのようなプレーを出したいですか。

 「走り勝ちます。ここを勝たなければ、試合には勝てないので。チームとしてもウイングとしても思っています。ディフェンスは、自分からラインを上げて、最後は自分のタックルで仕留めるという思いでいます。アタックに関しては、たくさんボールをもらって、相手が嫌なところをついていければいいと思います」

 

――ありがとうございました。

 

[上松凜助]

 

◆古賀 由教(こが・よしゆき)スポ4、東福岡高、175センチ、83キロ

 オフは上井草のカフェで1人でコーヒーを飲む。「ずっと寮にいるのも飽きるので、環境を変えて、ラグビーを見ます。ラグビーはやるよりは見る方が全然好きです」