五輪代表破った次世代エース 戸上隼輔

卓球
2020.09.21

 今年1月、高校生ながら全日本で3位入りを果たした戸上隼輔(政経1=野田学園)。世界ジュニア選手権でも表彰台へ上るなど、世代 の先頭を快走中だ。卓球界を担う黄金ルーキーが紫紺で新たなスタートを切る。

VS五輪代表

 会場中が沸き立った。全日本準々決勝は丹羽選手との対戦。五輪メダリストの強敵にも、戸上は冷静だった。チキータを使い分け、レシーブから主導権を握る。さらには、ミスを恐れない高速バックハンドで相手を置き去りに。終始流れを渡すことなく、ゲームカウント4―0で圧巻の下克上を果たした。

 「負ける気がしなかった」。格上にも揺るがない自信。その原点は昨年2月、Tリーグ対木下マイスター東京戦にある。当時T・T彩たまに所属していた戸上は、第2マッチで水谷選手に勝利を収めた。世界で活躍する水谷選手。雲の上のように感じた存在に対し「冷静に相手の顔を見て周りの状況も見えた」と本領を発揮。自分の実力が世界に通用すると確信した。「海外のトップ選手の圧にも負けないようになった」。その後は立て続けに二つの国際大会で優勝。インターハイでは2冠を達成し、世界ジュニアでも3位。「まだ成長できる」。憧れからの白星が、未知数の才能を伸ばしている。

明大から五輪へ

 見据えるのは4年後のパリ五輪。出場のためには在学中の成績がカギとなる。「この4年間は成長できる最後のチャンス」。卓球に熱中できる環境が備わる明大を選んだ。水谷選手と丹羽選手も、ここを巣立ち世界の舞台で躍動している。その2人を破った戸上。先輩を追い越す日も遠くない。同じ夢を追う頼もしい同期もいる。「五輪は絶対に出場したい」。挑戦の4年間が始まった。


【福田夏希】


◆戸上 隼輔(とがみ・しゅんすけ)三重県出身。学業面は不安でいっぱい。目標は5年で大学卒業。171㌢・58㌔