

(1)前期リーグ開幕直前 須貝英大主将インタビュー
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、延期を余儀なくされていた大学サッカー・関東1部リーグ戦。3カ月の遅れをもって7月5日、ついに開幕の日を迎える。今年、連覇を目指すチームのまとめ役となるDF須貝英大主将(商4=浜松開誠館)にその意気込みを伺った。
(この取材は6月30日、Zoomで行いました)
――チーム全体として自粛期間をどのように捉えていますか。
「自粛期間だからといってあまりマイナスにならずに、自分たちができることをしっかり考えました。コンディションを落とさないように、モチベーションを高く維持することを学生内で共有しながら取り組みました」
――今年のスローガン〝繋翔〟への思いを教えてください。
「これまで明治を作り上げてくださった先輩の結果や伝統をしっかりつないでいきたいです。昨年はタイトル全制覇というこれ以上ない結果を出しました。その上を自分たちはいきたいです。J1を倒すという目標や、リーグ戦で勝ち点を上回るなど、昨年よりも上を目指せるところはあります。「翔」の字には羽ばたくという意味が込められています。つながりを意識して上まで駆け上がるという意味でこのスローガンにしました」
――実家での生活は充実していましたか。
「まさか4月から実家に帰ることになるとは思ってもみませんでした。家でゆっくりする中で、改めて親の存在の大きさや、サッカーができることが当たり前でないことを感じることができました。サッカーとの向き合い方や、主将としてチームをどう持っていくか考える時間も多く、いい時間を過ごせたかと思います」
――Zoomミーティングでチームの団結力が深まった実感はありますか。
「自粛期間中もZoomで全体ミーティングと学生ミーティングを行っていました。全体ミーティングでは監督から、信じていると言っていただきました。学生間でも会話を増やして、自分がどういうことに取り組んでいるかを共有して、とにかくモチベーションを落とさないように話し合いました」
――今年のチームはどういったサッカーを目指していますか。
「複数のフォーメーションに対応できるくらい流動性があり、昨年ともう一段階レベルが上がったサッカーがしたいと思います。昨年は4年生が引っ張ってくれて、その存在の大きさを感じました。でも今年は今年で自分たちの色があって、それをしっかりみんなが理解した上でやっていきたいです」
――佐藤亮前主将(令2商卒・現ギラヴァンツ北九州)からもらったアドバイスをお願いします。
「とにかく自信を持てと言われました。いろいろ細かいことを助言されるのではなく、チームの先頭に立って、自分らしさを出して取り組んでほしいと言われました」
――ご自身はどんなプレーでチームを引っ張っていきたいですか。
「SBとして、体を張ってゴールを守ります。また守備だけでなく得点にも絡めるポジションだと思うので、ゴールもアシストもしっかり狙って、攻守両面においてチームを引っ張っていきたいです」
――主将となって背負うものが増えたと思います。
「結果が出なかったら自分の責任も問われるし、本当にプレッシャーはありますが、それを跳ね返す勢いで、プレーでもプレー以外の面でもチームのことを考えたいです。主将だからというよりは1人の選手として引っ張っていきたいと思います」
――前期は応援団がいない中での戦いが続きます。
「応援団がいる場合といない場合では全然違います。応援団はいてほしいですが、やるべきことは変わりません。試合に出られない選手の分まで自分たちは戦わないといけないので、応援関係なしに明大の代表として戦います」
――最後に意気込みをお願いします。
「昨年結果が出たからといって、今年も必ず結果が出るわけではありません。優勝にとらわれずに、まずは一戦一戦いい準備をします。特に今年は連戦が多くて、いろいろ大会が重なると総力戦になると思います。11人だけではなく、2チーム分の戦力は必要なので、誰が出ても勝てるチームづくりをしっかりしていきたいと思います」
――ありがとうございました。
[市瀬義高]
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(4)#atarimaeni CUP開幕直前 住永翔副将インタビュー
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