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松岡賢太 日向の陰で己と戦い続けた4年間

ラグビー 2020.01.20

 4年生24人の戦いが終わった。ピッチの上やスタンドで戦った選手たち、学生コーチ、マネジャー。その中で、松岡賢太(商4=京都成章)は4年間、武井の2番手として辛酸をなめてきた。決勝の出場時間はゼロ。新国立に挑んだ彼だけのストーリーがある。


〝2〟を求めて


 「みんなのプレーに感動した。でも、正直悔しさしかない」。何もできなかったもどかしさがあふれ出た。決戦前、渡された背番号は〝16〟でベンチスタートだった。後半に入り、他の選手が交代していく中、名前を呼ばれない。終了を告げるホイッスルが鳴った時も、フッカーのポジションには最後まで武井。「絶対に追い越さなければいけない存在」。自分に言い聞かせてきた。でも、最後までその背中は超えられなかった。

 「何があかんねん」。控えに回る自身にいら立ちを覚えていた。そんなくすぶっていた彼を救ったのは、田中監督の言葉。「目立つプレーじゃない。信頼される行動をしなさい」。意識する視点を武井から自分の行動に向けた。一番の成長が見られたのは、決戦の後かもしれない。悔しさを押し殺し、後輩たちに寄り添う姿。指揮官も「人間として成長した。社会人では武井の上に行っているかもしれない」。目を細めながら、賛辞の言葉を送った。

 「同期でありライバル。その存在がいたからこそ成長できた」。2人は口をそろえた。あの時があったからと言えるように。4年生それぞれの思いが次のステージへの糧となる。武井組は、これからも等身大の〝真価〟を追い求めていく。


【髙橋昇吾】


◆松岡賢太(まつおか・けんた)大阪府出身。175㌢・99㌔


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