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圧巻のラストラン エース・阿部弘輝主将区間新!

競走 2020.01.20

 古豪明治、再興への道を切り開いた。箱根駅伝(以下、箱根)で明大は6位と5年ぶりのシード権を獲得した。7区で区間記録を更新した阿部弘輝主将(政経4=学校法人石川)をはじめ8人が区間10位以内の力走。近年苦しんできた伝統校が帰ってきた。


圧巻ラストラン

「区間賞を取って卒業する」。6区の前田舜平(政経3=倉敷)から5位で襷を受け取ると、阿部は勢いよく小田原中継所を飛び出した。前日の往路は5位。各区間で着実に自分の仕事をこなし、次に襷をつなげる。そんな後輩の姿を見て「自信に満ちあふれ、頼もしかった」。6人の力走を結果で実らせるために。「お前は箱根で目立たなくてはならない選手だ。これから世界で戦うために、勝ってこい」(山本佑樹駅伝監督)。指揮官の熱い言葉を受け、決意が固まった。12㌔地点で東京国際大をかわし4位に浮上。全ての定点間を1位で通過し、気付けば従来の区間記録を36秒も更新していた。「長い箱根の歴史に名を刻めたことは光栄」。主将の名に恥じぬ快走で獲得した区間賞。チームとして5年ぶりのシード権をもたらした。


胸にはMの誇り

己の道は己で決めてきた。「遠回りしてでも自分の考えで走れる環境で練習したい」。3年前、自主性を重んじる校風に憧れ、阿部は明大の門をたたいた。ここまで1万㍍27分台、国際大会での活躍を見せる一方、箱根不出場、関東インカレ2部降格など失敗も同様に経験してきた。しかし「Mのユニホームを着た期間は無駄ではなかった。誇りを持って走ることができた」大学屈指のランナーに成長した4年間。自らの意志で明大に進学したことに間違いはなかった。


託したのは悲願

「ほっとしています」。河村一輝(政経4=大垣日大)が大手町のゴールテープを切った瞬間、喜びではなく安堵(あんど)の思いが込み上げてきた。3年間、惨敗してきた箱根の結果を乗り越えた瞬間でもあったからだ。ここがスタートライン。「6位で満足してほしくはない。もとの強かった明大に戻っただけです」。主将がチームに残したものは、これから明大が総合優勝を果たすための布石に過ぎない。「僕は日の丸をつけ世界を目指します。みんなも今回の順位を越えてほしい」。阿部も残された後輩たちも目指すは高み。世界にはばたく主将から最後のエール。これからの飛躍を願って、阿部は次の世代へ襷を託す。


【綾部禎】


◆阿部弘輝(あべ・ひろき)福島県出身。172㌢・55㌔


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