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(63)箱根直前特集㉒ 渡辺康幸氏インタビュー

競走 2019.12.31

 箱根まで残りわずか。夏以降、箱根予選会、全日本大学駅伝、11月の記録会と奮闘が光った下級生。エース・阿部弘輝主将(政経4=学校法人石川)ら4年生も、最後の舞台に向けてこのままではいられない。チーム一丸となり、5年ぶりシード権をつかみ取る。

 今特集では、箱根に向けた座談会の模様や14日に行われた合同取材での選手コメントなどなど全24回にわたりお届けします!

 

 第22回はかつて早大を三大駅伝制覇に導き、現在は住友電工で監督をなさっている渡辺康幸氏のインタビューです。箱根特集号では、来年度から住友電工へ進む阿部主将についてのお話を掲載させていただきました。今特集では、明大の箱根戦評を中心に掲載致します。(この取材は12月4日に行われたものです)

――箱根での明大の戦評はいかがでしょうか。

 「普通に力を出し切れば、シード権は取れるかなと思います。おそらく優勝争いは5チームくらい、その次の6位〜10位争いに入るだけの力は十分あるのかなと。よっぽどブレーキなどがなければ、まあもうシードは間違いないのかなと思っています」

 

――下級生が多くメンバーに入ってきましたが、その戦い方とは。

 「下級生にチームを任せるのはプレッシャーになります。少なくとも4年生が必ずエントリーに入ってくると思うので、チームをまとめなければいけません。来年を見据えるという意味では下級生がたくさんいるということは、すごく戦いやすいレースになるとは思いますが、下級生任せのチームでは箱根は危険かなと思います。だからこそ主将としての阿部くんの役割というものは非常に大きいですね。下級生を伸び伸びと走らせるためにも、しっかりと彼自身も結果を出さなければいけないし、チームをまとめなければいけません。本人もそれは気づいていると思います」

 

――阿部選手がいることでチームにどのような効果があるとお考えですか。

 「流れを変えることのできる選手なので、彼がいることによって非常にチームとしての層が厚くなる、駅伝として流れる駅伝になるのかなと感じています。明大の場合は、全日本を彼抜きで戦っているので、そういう意味での粘り強さもあります。そこに最上級生のキャプテンが入ってくることによって、チームの組織力ということが高まって、この後の箱根は非常に楽しみです」

 

――箱根と他の駅伝の違いは何でしょうか。

 「コースの適性があること、距離が全て20キロ以上になるので、全く別物の駅伝になります。全日本の結果は少しは参考になると思いますが、そこで失敗したからといって箱根で取り返すことは全然できます。また、野球の打線と一緒でそれ以上に区間配置が大事になってくると思います」

 

――ご自身の監督の経験からも、山本監督のチームづくりはいかがですか。

 「もともと旭化成、実業団ナンバーワンのチームで培われた指導力というのを彼は持っていますので、あとは経験ですかね。昨年度経験して、失敗と成功を繰り返しながら、彼自身も成功を覚えていけば必ずシードを取ると思います。次は5番以内と成長するチームをつくれると思うので、今年は何がなんでもシードを取ってほしいです」

 

――今年度力を付けてきた小袖選手はどのように見られていますか。

 「小袖くんはやっぱり安定しているので1区でも行けるし、単独走もできるから、駅伝だったらどこでも使えますね。非常に安心して見ていられます。

 

――手嶋鈴木についてはいかがでしょうか。

 「鈴木くんは、昨年1区をよくやっていましたが、単独走もできるし結構積極的なレースをするなと。そういう意味ではレースの流れを変えられるので、1区だともったいないタイプかなと思います。僕は上りがいいんじゃないかなと思っているんですが。手嶋くんは今年一番伸び盛りの選手で、一気にこの夏以降に出てきた選手ので、調子を買ってどこに使うかというところが難しいですね」

 

――エントリー外の選手がチームにもたらすものとは何でしょうか。

 「裏方の存在というのはとても大きいです。自分が外れたからというのを表に出さずに、縁の下の力持ちでいてくれると、チームの雰囲気がすごく良くなります。もちろんメンバーに入った選手は一生懸命やるのは当たり前ですが、裏方で頑張っている4年生やマネジャーとか、そういう人たちがチームを支えているんだということを、やっぱり選手にも理解してもらいたいですね」

 

――箱根の必勝法というのはあると思いますか。

 「必勝法というのは数年前と全く変わっているし、その年によっても変わってきます。チームによって監督の色や考え方もありますが、やはりバランスのいい区間配置をしないと、上位には入れません。プラスアルファで山上りと山下りの強化をなくして箱根は制せれないと思っています」

 

――渡辺康幸監督から見て、箱根とは何ですか。

 「僕の中ではもう人生の全てを捧げている大会です。もう全て経験していますので。今は個人的に応援しているチーム、明大さんや母校の早大がいい結果を出すことによって、僕はすごくハッピーな気持ちになります。解説の仕事としては表に出せないけれど、応援しているチームがやはり強くなってほしいという願いはありますね」

 

――選手たちにメッセージをお願いします。

 「選手によっては、箱根で全て競技(生活)が終わって社会人で働く選手もいると思います。ここに全てを捧げる選手に対しては、4年間やってきた全てを試合で出し切ってほしいです。また実業団で競技を続ける選手は、これをゴールにせずにその先をもっと見据えて頑張ってほしい。あとは大学に対する感謝の気持ちですね。応援してくれる学生とや裏方で働いてくれている人の気持ちを汲んだ状態でスタートラインに立ってほしいです」

 

――ありがとうございました。


[川和健太郎、仁科せい]

 

箱根駅伝まで、あと2日。


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