

山隈「挑戦する気持ちで」 2度目の全日本へ
フィギュアスケート 2019.11.28
◆10・24~27第45回東日本選手権(軽井沢風越公園アイスアリーナ)▼❶山隈
山隈太一朗(営1=芦屋国際)は総合200点超えで東日本選手権を制覇し、2度目の全日本出場を決めた。
捨てた慢心
わずか6枠の出場権争いに「少しでも気を抜いたら落ちる世界」と恐怖を感じていた試合前。SP(ショートプログラム)を3位で折り返す。だが精神的に追い込まれた中でのFS(フリースケーティング)。堂々たる滑りを見せると今季自己ベストの134・85点を記録した。「プレッシャーに勝った喜び」に笑みをこぼし、両拳を高く突き上げた。
昨年度全日本10位は東日本の中ではトップの成績だった。しかし、実績と自信を引っ提げ挑んだ東京選手権ではまさかの2位。「東では勝てる」と過信していたが、その思いは打ち壊された。「自分に甘い部分があった」。練習の質が点数に出たと省みる。朝が苦手で朝練習に集中できなかったが、アラームを工夫して改善。東日本までの1カ月間、甘えを捨てて自らを追い込んだ。
今年度の目標は「全日本ベスト6」。東日本を制したが、改善点もある。技術点と演技後半にかけての体力面。さらに、4回転サルコウを取り入れ、点数を伸ばすことも画策。「挑戦する気持ち」で、2度目の全日本の舞台に挑む。
【中澤美月】
◆山隈太一朗(やまくま・たいちろう)大阪府出身。177㌢・67㌔
※この紙面のご購入を希望される方はこちらからお申し込みください
関連記事 RELATED ENTRIES
-
俊足のトライゲッター・山村知也 自身4度目の明早戦に挑む
ラグビー 2019.11.28大学屈指の両翼だ。今年度、ウイングのスタメンを張るのは山﨑洋之(法4=筑紫)と山村知也(営4=報徳学園)の最上級生コンビ。山﨑は体幹の強さを生かしたステップが魅力で、対抗戦でも首位タイの9トライを挙げている。山村はトライへの嗅覚に優れたいだてん。ともに50㍍6秒0の快足で、チームを何度も勝利に導いてきた。4年生になった今年度は、山﨑がBKリーダー、山村が副将を務め、チームをけん引している。下級生の頃から紫紺のジャージーをまとい、戦ってきた2人。その胸の内には日本一の喜びとともに苦い経験も。そろって戦う明早戦は最初で最後。一番の笑顔で終われるように、頂に向けハイスピードで猛進する。臥薪嘗胆 昨年度の大学選手権決勝、スタメン15人の中に〝山村知也〟の名はなかった。シーズン中に腰のケガ、さらには体調不良にも見舞われ、長期間チームの最前線から離脱。「コンディションを保つ大切さに改めて気付かされた」。チームが大学日本一に沸く中、一人浮かない表情を浮かべた。「この悔しさを絶対に忘れない」。癒えない記憶を原動力に、最上級生となった春シーズンは大いに躍進を見せる。4月の東日本セブンズ準決勝・帝京大戦では、ラストワンプレーの場面で、値千金の逆転決勝トライ。大会3連覇の立役者となった。さらに春季リーグ戦では、3試合で5トライ。6月末に行われたオールスターゲームでも3トライを挙げるなど、驚異の決定力を見せつけた。百戦錬磨 実直な人柄と献身的なプレーを兼ね備える。理想のラガーマン像は「人として尊敬され、誰からも憧れを抱かれる選手」。これまで山村は結果で周囲の信頼を獲得してきた。明大に進学したルーキーシーズン、あまたの先輩たちを退け、紫紺の〝11〟番を背負う。「無名ということもあり、伸び伸びとできた」。持ち前の俊足を生かしトライを量産。対抗戦では6試合11本で、〝トライ王〟に輝いた。それでも謙虚さは忘れない。「紫紺のジャージーは、選ばれた23人しか着られない。部員、明治のラグビーファン、そして多くの人の期待が詰まっている」。紫紺の重みを背負ったひたむきなプレーで、見る者の心をわしづかみにする。緊褌一番 紆余曲折(うよきょくせつ)を経て迎えた今シーズン。対抗戦初戦の筑波大戦で手首を故障。それでも「アジリティーや体力面に支障はない」と復帰戦の慶大戦で、鮮やかなトライを決めた。さらに先週の帝京大戦でも、1トライを記録。点取り屋の名に恥じぬ職人芸で、再び秩父宮を沸かせた。 「ラグビーでも私生活でも日本一」。山村が武井組始動時から、変わらず口にする言葉だ。「細かなことに気付いたり、ちょっとしたところで動けることは、必ずラグビーに通ずる」。今年度の出場がかなえば自身4度目の明早戦。「小さい頃から憧れていた舞台。懸ける思いも他とは違う」。集大成に有終の美を。十八番のランを武器に、〝伝統の一戦〟に臨む。【髙智琉大朗】◆山村知也(やまむら・ともや)切れ味鋭いラン。動物で例えるとトムソンガゼル。174㌢・79㌔※この紙面のご購入を希望される方はこちらからお申し込みください→年間購読・新聞販売についてREAD MORE -
影の司令塔・山﨑洋之「僕の声はみんなにとっての準備」
ラグビー 2019.11.28大学屈指の両翼だ。今年度、ウイングのスタメンを張るのは山﨑洋之(法4=筑紫)と山村知也(営4=報徳学園)の最上級生コンビ。山﨑は体幹の強さを生かしたステップが魅力で、対抗戦でも首位タイの9トライを挙げている。山村はトライへの嗅覚に優れたいだてん。ともに50㍍6秒0の快足で、チームを何度も勝利に導いてきた。4年生になった今年度は、山﨑がBKリーダー、山村が副将を務め、チームをけん引している。下級生の頃から紫紺のジャージーをまとい、戦ってきた2人。その胸の内には日本一の喜びとともに苦い経験も。そろって戦う明早戦は最初で最後。一番の笑顔で終われるように、頂に向けハイスピードで猛進する。自身と自信 6歳で始めたラグビー。大学は同志社大に進んだ兄・翔太さんが敷いたレールではなく「自分が新しく築きたい」と明大の門をたたいた。下級生の頃から紫紺を身にまとい活躍した一方、心の奥底では常に恐怖と闘っていた。「俺の所に来るな」。ラグビー選手の中では決して大きくない175㌢という体格。そんな山﨑に高校とは桁違いの激しさとスピードで相手が迫り来る。2年次秋の筑波大戦後には「波があり安定感に欠けたことが原因」。Aチームのメンバー落ちを経験した。 そんな中「良いときも悪いときも同じメンタリティで挑むことが大事」。田中監督の言葉が背中を押した。その後は調子の波をなくすために練習前のルーティンを開始。今日までずっと続けてきた。すると心の余裕から次第に安定したプレーができるように。相手に突き刺す低いタックルは努力のたまもの。恐怖心に打ち勝ち、チームに流れを呼ぶ切り込み隊長へと成長を遂げた。「もう大丈夫」。その顔には確かな自信がみなぎっていた。思いの転換 予期はしていた。「すまん。リザーブに回ってもらう」。昨年度の対抗戦・慶大戦を前に掛けられた田中監督の言葉が頭から離れなかった。開幕から4試合連続スタメン出場を果たした山﨑。「九つ取ったしトライ王を狙える」。そんな絶好調の矢先、髙橋汰地選手(平31政経卒・現トヨタ自動車ヴェルブリッツ)の復帰によりスタメンの座を失った。「どうして自分よりも、帰ってきたばかりの汰地さんなのかな」。やりきれない思いが募った。 それでも、長年の経験と信頼がある4年生の背中を見て「チームが勝つならリザーブでもいいかな」。自然とチームを第一に考えるように。大学選手権決勝ではスタメンに返り咲き同点トライを奪取。22年ぶりの大学王者に一役買った。「僕の声はみんなにとっての準備」。グラウンドでは誰よりも大きな声を響かせる。その姿はまさに影の司令塔。チームへの情報提供だけでなく、思いも言葉に乗せて。「もう1回あの光景が見たい」。今日もグラウンドには彼の声がこだまする。【中村奈々】◆山﨑 洋之(やまさき・ひろゆき)体幹の強さが光るラン。動物で例えるならウナギ。※この紙面のご購入を希望される方はこちらからお申し込みください→年間購読・新聞販売についてREAD MORE -
善波監督が勇退 12年間の監督生活に幕
硬式野球 2019.11.28◆9・14~11・4 東京六大学秋季リー グ戦(神宮球場)▼❺明大 12年に及ぶ監督生活に幕を下ろす。5位に終わった秋季リーグ戦後、善波監督が退任を明らかにした。「自分の会社の仕事をきっちりしなければいけない時期にきている。新しい空気で良い明大野球部になってほしい」と話した。 歴史に残る名将だ。2004年からコーチを務め、08年に監督に就任。1年目の春季からチームをリーグ優勝に導くと、24季で9回のリーグ制覇を果たした。全日本大学選手権、明治神宮大会も制し、合計3度の日本一にも輝いた。 その間には10年の荒木選手(平23営 卒)から10年連続でプロ野球選手を輩出。計17人をプロの世界へ送り出した。柳選手(平29政経卒)は「現役の頃は厳しいこともたくさん言われた。それでも今思えば、監督がいろいろ考えてやってくれていた。すごい監督に教わることができた」と指揮官に感謝の意を述べる。 後任は未定だが、人間力野球をベースとした〝善波イズム〟は絶えず受け継がれる。今秋は5季ぶりの5位に終わったが、来春のリベンジに向けて、もう一度走り出す。【楠大輝】◆善波達也(よしなみ・たつや)昭60文卒。現役時代の守備位置は捕手※この紙面のご購入を希望される方はこちらからお申し込みください→年間購読・新聞販売についてREAD MORE