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(59)明早戦直前 早大突撃インタビュー! 齋藤直人主将「全ての試合に勝って、優勝することしか考えていない」

ラグビー 2019.11.27

 本連載では早大監督、注目選手のインタビューを全4回にわたってお届けする。第4回はスクラムハーフ齋藤直人主将(スポ4=桐蔭学園)。数々の世代別代表を経験し、26日に発表されたスーパーラグビー・サンウルブズのスコッドに名を連ねた。世代を代表するスクラムハーフに早大の強みや明大戦の意気込みについて伺った。(この取材は10月31日に行われたものです)


――今年度はどういうチームですか。

「今の4年生の代が1年生の頃から試合に出ているメンバーが多く、経験値という点では他のチームよりも多いと思います。昨年も1、2、3年生が中心となって試合に出ていたので、経験値が大きいと思います。昨年に引き続き動き続けるラグビーというところで、自分たちの粘り強いディフェンスからリズムをつくって、強みのアタックにつなげるというラグビーを目指しています」


――BK中心のチームでしょうか。

「そう言われることが多いですが、最後点をとるのがBKなだけであって、実際BKが生きているのはFWの地道なブレークダウンであったり、FWもすごく頑張ってくれています。今年1年かけてセットプレーを重視していて、すごくやりこんでいるのは自分たちも知っていますし、秋になってから試合とかでも成果として現れているので、そういったところではFWに支えられてのBKだと思います」


――FWで頼れる選手は誰ですか。

「特に丸尾は攻守ともにキープレーヤーでもありますし、FWの統率、まとめ役なんかも3年生ながらになってくれていて、FWの中でも重要な人物だと思います。幸重は特にディフェンス面で先頭にたって体を張ってくれていますし、チーム全体を見ての発言もしてくれるので助かっています」


――筑波大戦はディフェンスが機能しました。

「あの試合は点数にも現れていましたし、やっている感じとしても抜かれる感じもしませんでした。それでもレビューミーティングでは、結局点は取られていないけれど、自分たちの目指すディフェンスとはほど遠かったというレビューがあって、まだまだそこは伸ばさなきゃいけないと思いましたし、その筑波戦から6週間たって、確実に伸びてはいると思います」


――W杯期間で強化したのはどこですか。

「この6週間で特別何かに取り組んだということはないのですが、春先からやってきたシステムとかを再確認して、そこの細かいところ精度にこだわってやってきました」


――昨年のチームとの違いは何ですか。

「コーチが変わりました。練習面ではないところで言えば、グラウンド外の規律の部分は昨年よりうるさく言っています。提出物であったり当たり前と思われがちなところもできていないのが現状だったので、そこをやると4年生で決めました。そこは継続して色々と対策を考えながらやっています」


――スローガン『for one』について教えて下さい。

「人それぞれ考え方は違いますし、一つの意見に囚われずに色んな人の意見や考え方を取り入れられるスローガンだと思います。考えようによっては明確じゃない分難しいかもしれないですが、自分はすごい良いスローガンだと思います。人によっても、置かれた状況によっても(捉え方は)違います。最終的には日本一につなげるのが大事です」


――全寮制ではない中で難しさはありますか。

「まとめるのは難しいですし、練習も一緒にはできないので難しいです。まずは3、4年中心の委員というリーダーみたいなグループがあるのですが、寮生中心ではありますが寮に入っていないメンバーもいます。そういったメンバーとコミュニケーションをとるようにしています」


――4年生はどんな学年ですか。

「自分を持っている選手が多いかなと。仲も良いです。ぶつかることもあったりましたが、仲は割と良いです。学年会とかやったりするのですが、他の学年では大体何人か来れないことは多いですが、全員そろったりしています。また、割と練習後に自主練していたり、ウエイトを残ってやっているメンバーが自分たちの代はすごく多いなと感じていました。上のチームでも下のチームでもみんなやっていて、向上心というのは昔からあった代だと思います。スタッフ、トレーナーであったりマネジャーであったりが多い代なのですが、そういったメンバーも外から見た意見であったりを遠慮無くずばっと言ってくれます」


――学生スタッフの重要性を教えて下さい。

「自分たちの見えないところはあって、そういうときに気付いたことは伝えてくれますし、大人に言いづらい相談も学生トレーナーには聞いてもらえたりとか。これっていうのはないですが、助かっているのは事実です」


――相良監督はどのような方ですか。

「あんまり口数は多くないですが、要所要所で的確なことを言われて、気付かされます。あとは監督も学生時代にキャプテンをやっていたということもあって、そのときに自分が経験したこと、こうしておけばよかったみたいな話をたまにしてくれます。そういうのはためになります。自分がキャプテンになりたての頃に、相良さんがキャプテンをやっていた時代は周りのことに気を配ろうとばかりしていて、自分のプレーがおろそかになってしまったのが後悔だったと話をされていました。まずは自分がベストなパフォーマンスを出すこと、姿勢もそうですし、ベストなパフォーマンスで、プレーでチームを引っ張ることに集中すれば、一番のリーダーシップにつながるのではないかと。最初の頃は色々これでいいのかなとか考えてしまうのですが、それを聞いて少し楽になりました。まずは今まで通り自分がチームのためにベストなプレーが出来るように準備をするというのを意識していました。余裕が生まれてきたら、そこから色々考えるようにしました」


――試合中にどんな言葉をよくかけますか。

「『きつい時間帯にどれだけチームのために走れるか、体を張れるか』というのは良く言います。自分自身きつくなったときにどこかで弱い自分が出そうになりますが、仲間のハードワークをみて自分も動き続けられるので、周りもそう捉えてもらえれば。周りがきついときに自分がハードワークをしている姿を見て、他のメンバーも頑張ってもらえればと思います」


――明大のイメージはいかがですか。

「印象は変わらず、タレント揃いで。そこに昨年の優勝という経験であったりがあるなと。あと、個人的には山村知也(営4=報徳学園)と仲良くて、中学校のときから試合もしてきて、二人で会ったときには通算対戦成績みたいな話をしています。中高と試合して、大学でも試合してるので、勝ちたいですね。明治に勝って通算対戦成績を1勝積み重ねたいです」


――明早戦への意気込みをお願いします。

「全ての試合に勝って、優勝することしか考えていません。そんな甘いことでもないので、準備を怠らず、毎試合毎練習重ねるごとに成長できるように。個人としてもですし、チームとしても成長しなければなりません。チームの成長を考えて、キャプテンとして行動していきたいと思います」


――ありがとうございました。


[清水康佑]


◆齋藤 直人(さいとう・なおと)スポ4、桐蔭学園 165センチ・73キロ

早大の頼れる主将。プレーでは常にチームの中心にいるが「学年でイベントをやるときは自分が中心ではないです(笑)」


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