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(58)明早戦直前 早大突撃インタビュー! 岸岡智樹「早明戦はBKで上回ることが絶対条件」

ラグビー 2019.11.26

本連載では早大監督、注目選手のインタビューを全4回にわたってお届けする。第3回はスタンドオフ岸岡智樹(教4=東海大仰星)。ルーキーイヤーから出場を続けるチームのゲームメーカーだ。現在、明大・山﨑洋之(法4=筑紫)、雲山弘貴(政経4=報徳学園)と並び、対抗戦通算9トライのトップタイ。クレバーな司令塔に早大の強みや明大戦の意気込みについて伺った。(この取材は10月31日に行われたものです)

 

――今年の早稲田はどんなチームですか。

 「強みはいろいろな記者さんたちも記事に書いている通り、タレントぞろいのBKです。逆に春シーズンは『FWがダメだったね』という声を多くいただきました。そうした中でFWも強化してきて、BK、FW共にリンクしてきています。一番のモットーとしては幅広くグラウンドを使ってボールを動かして展開したいというのがあるので、強みの部分の大黒柱が逆にFWなのかなと思います。取り切れる部分としてBKが華やかなプレー、ビッグプレーができたらいいなと思っています」

 

――FWも夏以降成長したイメージが強いです。

 「春シーズンはセットプレーで自分たちの思うようなプレーができなかったというのが振り返りとして挙がりました。そうした中で夏に天理さん帝京さんとの練習試合が決まっていたので、そうしたセットプレーが強いチームに対してFWがしっかりとアプローチしていくというマインドを持っていました。特にFWとBKが分かれる練習の時間を多くとり、FWはスクラムとラインアウトを徹底的にやっていました。やっていたことがしっかりと結果として出たなと言う印象はありました」

 

――ご自身のプレースタイルを教えてください。

  「嫌らしいとプレーヤーだと思われたいなと僕は思ってプレーをしています。僕の強みとしては引き出しを他の人より持っていることです。逆にそういうプレーヤーであろうといつも思っています。スタンドオフはゲームをつくらないといけないっていう責任感を持つ中で、駆け引きをする相手が嫌だなと思うことをし続けたら勝てると思います。エリアの部分は僕も意識している部分です。ペナ(ペナルティー)をもらって普通はタッチ蹴る場面でもいきなりタップしてはじめたりですとか、相手の弱みに自分の強みをぶつけることをできるような工夫をしています」 

 

――中高を通してさまざまなポジションを経験しているからこそ引き出しの増加につながりましたか。

  「それは大きいですね。やっぱりスタンドをやっていてもウイングのことがわからないと意味がないです。いろんなポジションを経験した中で僕はスタンドに一番合っているなとは思いました。いろいろ経験したからこそそのポジションの強みや弱みが理解できました。その人柄にあったプレー、『あいつはこうだからこういうプレーが苦手だろうな』とか『逆に自分のチームはここが強いからここを生かした方がいいかな』という感じです。ポジションも自分から選んでいるわけではないです。昨年度の春もハーフをやったりですとかフルバックにもチャレンジしました。それも面白いなと思っています。やれって言われたことに対して文句言っても仕方ないので、FWやれって言われたら困りますけど(笑)。自分の可能性を広げられるチャンスだと思ったので、その機会を与えてくれた人には感謝しています。結果としてプラスになっていると思います」 

 

――明大のスタンドオフ山沢京平選手(政経3=深谷)の印象を教えてください。

  「あの代のスーパープレーヤーですね。今年まさかスタンドで来るんだというのは春に感じました。率直に嫌だなと思いました。もともとはフルバックをやっていたので一番はランが強みの選手かなと思います。スタンドって一辺倒になりがちな部分が大きいです。パスの人はパスの人、ランの人はランの人って感じなんですけど彼は全部できる選手です。判断もいいですし、自分で仕掛けることもできるし、周りを使うこともできる。そこはフルバックとスタンドの似た部分で、彼の強みの部分だと思います」 

 

--山沢選手、雲山弘貴(政経2=報徳学園)のキック、エリア取りの対策はありますか。

  「その2人はかなりのロングキッカーなので、W杯でもキックが主流になる中でそこの使い方、使い分けをできないと苦戦します。明治はバックスにもタレントが多いのでそこはスタンドとしてエリア取り、ゲームコントロールの部分では注意しないといけないなとは思います」 

 

――早明戦はどういった試合になるでしょうか。

  「明治はFWに自信を持っているチームなので、そこに負けないようにしたいです。早稲田もFWが良い時は強いので早明戦はFW勝負になるかなと思います。その中でBKで上回ることが絶対条件になってきます。そこが勝負の分け目になるかなと思っています。自分たちが振り返った時にいい試合ができるように、良い試合ができれば必ず結果はついてくるので自分たちのやってきたことを信じてやるだけかなと思っています」

 

――ありがとうございました。

 

[清水康佑]


◆岸岡 智樹(きしおか・ともき)教4、東海大仰星、173センチ、85キロ

SNSを通じた競技の認知、普及活動にも取り組む。「大学生でも2部や3、高校生なら花園に出れないようなチームの人たちに響くような内容を届けたい」


次回は齋藤直人主将(スポ4=桐蔭学園)のインタビューをお届けします。


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