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増山香補 背負い投げ炸裂‼ 明大勢で3年ぶり個人インカレ王者に輝く

柔道 2019.10.31

  担ぎの新鋭が、学生柔道界から一足抜きん出た。今年度は秋田県で行われた全日本学生体重別選手権。90㌔級に出場した増山香補(政経3=修徳)が、見事初優勝を飾った。1年次は3位入賞、昨年度はケガの影響で欠場。迎えた今大会は得意の背負い投げがさく裂し、圧倒的な強さを見せた。明大としては小川雄勢選手(平31政経卒・現パーク24)以来3年ぶりの制覇。悲願の東京五輪出場に向け、弾みをつけた。

新王者は超学生級

 次々と相手をなぎ倒した。前夜からの体調不良に苦しんだ今大会。組み手の接点での距離感に対する違和感や、足元のおぼつかなさを感じながらも「周りに勢いのある選手と思われたい」。その思いが、増山を突き動かした。初戦こそGS(ゴールデンスコア)までもつれ込むも、2回戦から準決勝まで悠々と一本勝ち。「一回一回投げるたび、会場が盛り上がった」。会場中の視線を背中に感じながら、勢いも増していく。迎えた決勝の相手は、岩渕晃大(国士大)。組み手争いの末、開始1分20秒。「右襟を持ってほしかった」。背負い投げを防御していた相手の釣り手の上から、強引に背負い投げ。思惑通りの体勢を逃さず堂々の一本勝ち。圧勝劇を披露し、優勝杯を手にしてみせた。

増山=背負い投げ

 「ストレッチは苦手」と語るほど、体は硬い。しかしその体を操り、類いまれな背負い投げを繰り出す。一般的にはしゃがみながら正面で相手を担ぎ、そのまま畳にたたきつける。一方、増山はしゃがまずとも立ちながら、斜めに入る。今大会も6試合中4試合で背負い投げを決め、一本勝ちを積み重ねた。快進撃の裏には、日々の質の高い練習がある。道場で実業団選手を相手に失敗を恐れず、攻撃的な姿勢を一貫することで「相手の道着を持ったらどの体勢からでも技を出せるようになった」(吉井健助監督)。独特かつ変幻自在な背負い投げは、他の学生を寄せ付けなかった。

奪!世界の挑戦権

 東京五輪への挑戦はまだまだこれからだ。昨年10月の負傷によって「大事な試合に全部出られなかった」。そのため、混戦する東京五輪の90㌔級代表枠のために過密な試合日程を組み追い上げを図る。次に控えるのは、国内ビッグタイトルの一つ、11月の講道館杯。「(優勝は)最低限のスタート地点」。実力は問題ない。あとは「この難しい状況でどうベストにもっていけるか」。増山の見据える先は、日の丸を背負い日本武道館で戦う自身の姿。過酷な日程は過度な疲労をその身に刻むことは間違いない。それでも、その固く、強い意思が東京五輪への歩みを止まらせることはない。

【荒川千那】

◆増山香補(ましやま・こうすけ)東京都出身。同じ階級の選手に背負い投げのコツを聞かれても「企業秘密です(笑)」。180㌢・90㌔

神垣世界ジュニア金

◆10・16~20 世界ジュニア選手権(モロッコマラケシュ)▼100㌔級❶神垣

 20歳以下の各国代表が集う今大会。神垣(商2)が、初出場ながら世界王者へ上り詰めた。

 終始しぶとく戦った。ヤマ場となった準決勝。試合は膠着(こうちゃく)状態が続いたが「後半まで我慢して戦った」。GSに入ると、持ち味である豊富なスタミナが生きる。徐々にペースをつかみ、大内刈の技ありで勝利。「ポイントを取られても落ち着いて試合ができることが神垣の強み」(中濱監督)。そのままの勢いで決勝は合技で見事一本勝ち。大舞台で結果を残した。

 今大会貫いたのは「泥くさく、妥協しないこと」。完成した自己流の先に、世界一があった。11月には講道館杯が控えている。シニア勢も多く出場し混戦が予想されるが「明大を背負っている気持ちを持って戦いたい」。世界で得た手応えは胸にある。強豪相手にも屈することなく目指すは頂点のみだ。

【都甲可奈子】

◆神垣 和也(かみがき・かずなり)広島県出身。モロッコの思い出はホテルのプールで遊んだこと。176㌢・100㌔

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