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佐藤亮4戦4発 総理大臣杯連覇!

サッカー 2019.09.26

 夏の連覇を成し遂げた。昨年度王者として迎えた総理大臣杯。初戦から1点差の激戦を勝ち抜き、大会史上初の5年連続決勝進出。決勝・法大戦は前半23分に先制を許したが、4分後にFW佐藤亮主将(商4=FC東京U―18)のゴールですぐさま同点に。後半24分には、コーナーキックをDF小野寺健也(商4=日大藤沢)が頭で合わせ決勝点。2―1で法大を下した。この結果、明大史上初の連覇で3度目の優勝を飾った。佐藤亮が、4ゴールで得点王。チームはこの優勝を足掛かりに、関東大学リーグ戦、全日本大学選手権を制し、3冠達成を目指す。


結果で示す

 激闘の終わりを告げるホイッスルが鳴り響く。最後はベンチで勝利を願った佐藤亮が仲間の元へ駆け出した。「優勝の瞬間に全てが報われた」。紫紺の戦士が、大阪の夜に勝ちどきを上げた。初の連覇を目指して挑んだ決勝。序盤は、法大の猛攻に苦しみ、前半23分に失点。主導権を完全に奪われた。しかし、その4分後に主将が動いた。MF中村帆高(法4=日大藤沢)がグラウンダーのクロスを中央に送る。ゴール前に走り込んだ佐藤亮が右足で流し込んだ。歓喜に沸くスタンドに応え、力強くガッツポーズ。「主将のゴールで気分が楽になった」(栗田大輔監督)。最終スコア2―1。逆転で栄冠をつかんだ。

 前期リーグ戦では9ゴールを決め、得点ランキングトップの座に君臨。結果でチームを導く、まさに〝背中で見せる主将〟だ。今大会でも、2回戦・仙台大戦では逆境をはねのける2ゴールを決め、逆転勝利を演出。4戦4発で得点王に。「自分で結果を出して、日本一になれることを証明できた」。主将の輝きは今大会も健在だった。


活躍の裏に

 「悔しい思い出しかない」。2年前の総理大臣杯決勝。2年生ながら先発出場を果たしたが、足首を負傷し途中交代。さらにその1年後、今度は決勝のピッチに立つことすらできなかった。決勝当日の朝、突然宿舎で倒れた。医者から告げられた「尿膜管遺残症」。手術を余儀なくされる難病だった。「自分はそういう運命なのか」。つかみかけたチャンスは、いつも手からこぼれ落ちた。サッカーが嫌いになるほど沈んだ日々。そんな苦悩を支えたのは家族だった。「またここから再スタートだね」。掛けられたのはなんてことのない一言。同情するでも、慰めるわけでもない。それでも「その言葉が全てだった」と確かに前を向くきっかけになった。復帰後も、変わらず後押し。両親は、週末の試合に必ず駆け付けるほど。「ずっと支えてくれるのは家族。恩返しする義務がある」。一人で戦っているわけではない。思いに応えるために、ピッチに立ち続けてきた。


主将の決意

 主将として、心に決めたことがある。「みんなの気持ちを酌み取って成長できた。だから、落ち込んでいる人にも声を掛ける」。どん底を味わったからこそ、分かるものがある。これから歩むのは、関東勢初となる3冠への道。追われる立場となったが「優勝で締めくくる」。王者に二言はない。「苦しいときも努力して、結果を出した主将がいたと伝えたい」。弱い自分は、もういない。


【佐々木崚太】


◆佐藤亮(さとう・りょう)東京都出身。1年次にU―19(19歳以下)日本代表に選出。銭湯が好きで八幡山寮の近くのスーパー銭湯に通っている。試合前のルーティンは、バラード曲を聴いてモチベーションを上げること。170㌢・63㌔


リーグ戦も好調 シーズン最多勝ち点狙える!

 「今年の明大は強い」。自他共に認める最強チームが大学サッカー界を席巻している。第13節を終え、31得点、6失点で12勝1敗。勝ち点は36を数える。「一戦一戦を大事にしてきた結果」(栗田監督)。定義の曖昧な〝強いチーム〟ではない。確かな数字こそが明大を強者たらしめる。シーズン最多勝ち点記録は、17年に筑波大が記録した54。超えるためには残りの9試合で勝ち点19が必要だが、決して不可能な数字ではない。

 どんなゲームでも、運動量、球際の強さ、切り替えの速さから成り立つ〝明治の三原則〟を徹底。その明大サッカーの色は、中村帆、森下(文4)の両サイドハーフに顕著に表れている。攻撃ではサイドを駆け上がり、正確なクロスを供給。守備では厳しいマークで、簡単にシュートまで持ち込ませない。「走り込むのが明大のサイドハーフの特徴」(森下)。一般な選手の倍以上ともいわれる豊富な走行距離が三原則を可能にさせている。

 全てが順風満帆に見えるここまでの結果。しかし「誰一人満足はしていない」(中村帆)。飽くなき向上心が、明大をさらに強くさせる。総理大臣杯を制したことで後期はマークが厳しくなることも予想されるが「勝ち続けなければ意味がない」(佐藤亮)と意気込む。王者として迎え撃つだけだ。


【高野順平】


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