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中村優里 世界を目指す未完の大器

フェンシング 2019.09.25

 矢のように飛び出して相手を突く。中村優里(営1=成立学園)は、現在全日本ジュニアランキング10位。高校時代からナショナルトレーニングセンターで練習をする金の卵だ。武器は瞬発力とスピード。これからのフェンシング界を担う期待の新鋭だ。

 

選ばれし逸材

 まさに、宝の山を掘り当てた。小学校6年次、持ち前の運動能力を買われ、母親の友達の紹介で福岡タレント発掘事業を受験。これは、県が五輪に出る選手を育てるために行なっているもの。その結果、4万人の中から上位50人に選出される。適した競技を探すため、五輪競技を一通り経験。スピードと瞬発力が高く評価され、中学3年生でフェンシングを始めることに。しかし、その裏には強い葛藤があった。中学2年次には、陸上で九州大会優勝を果たす快挙。それだけに競技転向という決断に、周囲には落ち込む姿も。だが「世界を目指したい」とより可能性の高いフェンシングを選ぶ。ポテンシャルの高さを発揮し、瞬く間に成長。後悔のない選択かと思われた。

 

苦難の続く道

 覚悟を決めて始めたフェンシング人生は「悔しい試合しかなかった」と挫折の連続だった。環境の良さを求め、高校入学と同時に母親と上京。思うように勝てた陸上とは違い、結果が出ず、競技を辞めようと思ったことも。それでも「家族を巻き込んでやっているからには」と奮闘。以前の受け身の練習から、自らコーチにアドバイスを求め、進んで練習をするように。すると、その努力が実を結ぶ。昨年のランキングマッチでランキング上位のジュニア選手らを次々撃破し、迎えたベスト8がけの試合。相手はナショナルチームの選手だけに「正直厳しいと思った」。それでも、素早い突きで攻め一進一退の攻防。サドンデスにもつれ込む熱戦を繰り広げた。敗れたものの「ここまで戦えたのは自信になった」と成長を感じた。

 

たどり着く所

 福岡タレント発掘事業は、五輪出場が目標。同期には、世界選手権で活躍する選手も。競技歴まだ5年の中村には未知の伸びしろが秘められている。「五輪を目指す」。恥じらいながらもそう語る彼女の目は闘志にあふれる。 


[下神大生]

 

◆中村 優里(なかむら・ゆり)営1、成立学園、161センチ。趣味は映画鑑賞で、好きな映画は「グレイテスト・ショーマン」。


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