(1)「大歓声の中で試合がしたい」磯部裕次郎 インタビュー
実業団の廃部、国内リーグ発足など様々なニュースが飛び交い、革新のときにある日本アイスホッケー界。その中で大学王者として君臨し続けている明大。彼らが見ている景色とは。今回は、関東大学リーグ3連覇を狙う選手たちの心境を伺うとともに、自身のルーツや競技の魅力に迫った。第1回はGK磯部裕次郎主将(政経4=武修館)のインタビューをお送りする。
(この取材は7月18日に行われたものです)
――主将として半年経ちましたが、いかがですか。
「正直難しいです。やってみて勝てなくて、それはもちろん僕の責任でもありますし、先頭切って頑張っていかないとなと思っています」
――昨年度はケガでほぼ試合に出場することができませんでした。
「1、2年の頃ずっと守ってきていて、ケガという形で一回チームを離れて、復帰したときにすぐ自分のポジションを戻せなかったというのはすごい悔しいです。もちろんチームの勝利があってこそのキャプテンを務めさせてもらっていますが、まず自分が試合に出て、プレーで引っ張っていこうと思っているので、自分のポジションをしっかり取り戻して、その上でチームを引っ張っていきたいと思っています」
――卒業後の進路を教えてください。
「実業団の方に進んで、アイスホッケーを続けます。まだどこにも確定はしていないので、なんとも言えないですけど、トップでやろうと思っています。ずっとアイスホッケーを好きでやってきて、好きだから今まで頑張れました。生活の一部で、ホッケーするのが当たり前の人生でした。好きな競技を大学卒業してまで、できる人は本当に限られています。もしチャンスがあるなら、間違いなく僕はそこに挑戦したいし、選手生命が終わってからでもいくらでも再就職は探せると思います。同期も「トップでやれるんだったら、やってくれたらうれしい」と言ってくれているので、続けられるところまでトップでやっていきます」
――今のアイスホッケー界をどう思いますか。
「今は本当に危機感を持っている大人も多くなっていると思うので、これから良くなっていくと思っています。クレインズも一回なくなって、再スタートしたばっかりでどうなるかわからないですけど、希望はあると思います」
――こうなってほしいという理想はありますか。
「僕が一番望むことは、会場にお客さんが来てくれて、満員までいかなくとも、大歓声の中で試合がしたいです。この前ユニバーシアードでロシアに行って、僕らはアウェーの状況でも、その中で日本をいいなと思って応援してくれている人もいたし、多くの人が会場にいて、こういう中で自分の好きな競技をやれたら幸せだなと思いました」
――地元釧路の日本製紙クレインズ廃部のニュースを聞いたときはどう思われましたか。
「めちゃくちゃ焦りました。生まれてから高校まで釧路でやっていて、クレインズに入りたいなと思っていて、高校のときから練習乗せてもらったりしていました。もうクレインズに入るんだという気持ちでやっていたので。どうしようかなと。そこで他のチームの練習に乗れることになったので救われましたけど、ホッケー辞めるかってぐらい考えました。高校も釧路にしたのは釧路が好きだったからです。地元愛です(笑)。大学終わって、地元でやれたらと思っていたので、すごい衝撃でした(笑)」
――GKの魅力を教えてください。
「点数を決めないので、ガッツポーズもできないけれど、めちゃくちゃ早いシュートを体で止めて、ピンチを防いで、会場を沸かせられるのが魅力です。僕はアグレッシブに動くので、大胆なプレーは僕の魅力です(笑)」
――大胆なプレースタイルになったきっかけはありますか。
「小学校2年生から始めたんですけど、その時キーパーを教えてくれる人もいなくて、全部海外のプロを見て独学でやっていました。その頃はどのキーパーも大胆なプレーをしていてその影響です。あとはキーパー始めた時、実はやりたくなくて、キーパーいないからやってくれって言われて、断れなくて(笑)。今でもプレーヤーやりたいなという部分があるので、前に出てパスしたりしています」
――今後どのような試合をしていきたいですか。
「パスレシーブとシュートの質を高めて、あとは東洋大を相手として考えたときにフィジカルが大事になってくるので、コーナーとゴール前のバトルを激しくもっと強くしていきたいと思います」
――ありがとうございました。
[藤山由理]
◆磯部 裕次郎(いそべ・ゆうじろう)政経4、武修館、172センチ、73キロ
★応援に行こう★
大会名:関東大学リーグ戦
日付:9月7日(土)対日大、8日(日)対日体大
場所:ダイドードリンコアイスアリーナ(西武新宿線東伏見駅、徒歩1分)
試合開始予定:9月7日(土)12:15~、8日(日)10:00~
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