ルーキー特集(8) 堅実な守備に磨きをかける チームを支える存在へ 西山虎太郎

硬式野球
2019.09.01

 毎年恒例の硬式野球部ルーキー特集。今年も全国からトップレベルの選手が入部してきた。その中でも活躍が期待される注目の選手を全8回にわたって特集する。

 

 軽快な動きで安定した守備を見せる。西山虎太郎内野手(商1=履正社)は今春リーグ戦で堂々の神宮デビューを果たした。3試合でスタメン起用され経験を積むことができた西山。秋に向けてさらなる飛躍を誓い、好守好打でチームを勝利へと導く。

 

 実力は折り紙付きだ。小学6年の時に根尾昴(中日ドラゴンズ)も参加していた阪神タイガースジュニアでプレー。中学は高校を見据え、硬式野球の道に進んだ。中学までは投手もしていたという西山。中3次の全国大会の決勝では自らの投球で抑えて優勝という快挙を成し遂げた。

 履正社高進学後は1年夏の甲子園からベンチ入りを果たし秋には遊撃手としてレギュラーを勝ち取った。しかし、チームの守備の要でありながら守備は自身の弱みであった。課題と向き合うきっかけとなったのは1年次秋の明治神宮大会だった。その試合でライナーをエラー。その間に相手に5点を取られてしまう。チーム自体は勝ったものの「自分のせいで」と悔しさを野球ノートに綴った。自身の課題だったのは足が止まっていたこと。改善するために、練習の空き時間などを活用しコーチからのノックを受けた。また履正社高の練習は、選手自身に任せて行う。西山は自ら考えてテニスコートでの守備練習を積極的に行った。その地道な取り組みが実を結んで、高3時は「練習をすることで慣れてしなくなった」見事に失策の多さを改善。「高校で結構伸びた」と3年間で自身の実力によりいっそう磨きをかけることができた。

 高校野球引退後も、大学野球にすぐ適応できるよう下級生に混じって練習を続けた。特にスイングが鈍らないためのティーバッティングや守備練習は欠かさず行った。大学1年目からの活躍が光っているのは、怠らずに続けた努力の成果だ。

 

自慢の守備でレギュラー獲得を狙う

 収穫のあった今春だった。リーグ戦でベンチ入りをして、「ワンプレーに対する重みが違う」と今までの野球との違いを実感。上級生のリーグ戦に対する思いが伝わり刺激を受けた。今春はプレッシャーもあり「バットが振れなかった」と悔しくもヒットは出せず。「まず1本は打ちたい」。そのためにこの夏は精神面を一から鍛え直す。一方、高校時代に鍛えた守備は緊張を感じた中でも上級生に引けを取らないプレーを見せつけた。「守備は10割を目指す」と気合いを入れる。履正社高時代、試合前に言っていたという〝心は熱く頭は冷静に〟をもう一度胸に刻み込む。その言葉を胸に、秋は強みである俊足と強肩をさらに生かし神宮で貢献するプレーをしてみせる。

 

都甲可奈子]

 

西山 虎太郎(にしやま・こたろう) 商1、履正社高、180センチ・67キロ、右投左打、内野手

試合の時は〝履正社〟と入ったベルトをつけている西山。「気持ちも入るしチームに結果が出ている」。秋もこのベルトをつけチームに勝利をもたらしてくれるに違いない。