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ルーキー特集(5) チームの頼れる司令塔へ 宮崎が生んだ努力家捕手 蓑尾海斗

硬式野球 2019.08.29

 毎年恒例の硬式野球部ルーキー特集。今年も全国からトップレベルの選手が入部してきた。その中でも活躍が期待される注目の選手を全8回にわたって特集する。


 目指すは大学を代表する捕手だ。宮崎県の強豪・日南学園高出身の蓑尾海斗捕手(文1=日南学園)。3年次には主将、そして正捕手としてチームを夏の甲子園出場へと導いた。春季リーグ戦では2試合に出場。優勝時には1年生ながらマスクを被った。全日本大学野球選手権でも出場するなど、早くも頭角を現した期待の成長株だ。


 野球人生を一変させる挑戦だった。「野球しか選択肢がなかった」と自身でも語るほどの野球一家で育った蓑尾。物心がついた時にはボールに触れ、小学2年次に二つ上の兄の影響で本格的に野球を始めた。才能はみるみる開花。中学では県を代表する選手へと成長した。

 高校は「県外で勝負したい」。その気持ちを抑え「親に負担をかけないように」と地元・宮崎県の強豪、日南学園高に進学。その進路決定が蓑尾の野球人生を大きく変えた。ポジションは遊撃手と投手を務めてきたが、1年の秋に突如、捕手転向の指示。「まさか自分が」。思わぬ形で第二の野球人生が始まった。しかし、何度も経験不足による自信の無さが蓑尾を弱気にさせた。特に「先輩の夏を終わらせてしまった」試合は今でも忘れない。2年次夏の県予選。同点で迎えた最終回、2死二、三塁。「(ショートバウンドを)止める自信がなかった」。変化球を要求できず、直球を打たれサヨナラ負け。「練習量が足りていなかった」と自らを嘆いた。二度と同じ思いをしないように。練習に練習を重ね、経験不足を補っていった。また、自身の遊撃手や投手の経験も生かしつつ、自分なりに捕手というポジションを研究。そうして着実に経験を積み上げ、日南学園の絶対的正捕手へと成長した。  

 

自慢の強肩でチームをけん引する


 大学野球は思わぬ形で幕を開けた。明大OBで日南学園高の金川監督の後押しで、明大に進学することを決意。話をもらった時は「思ってもみなかった」。しかし「レベルの高い中で切磋琢磨し、レギュラーをつかみたい」。そんな強い意志を持つ蓑尾にとっては唯一無二の進路先だった。

 春季リーグ法大2回戦。蓑尾は、9回、満を持して登板したエース・森下暢仁主将(政経4=大分商)のウイニングボールをミットに収めた。もちろん貴重な経験だが「自分なんかでいいのか」と1年生にして神宮の舞台に立った蓑尾ならではの思いも。捕手として明大を背負う責任の重さを痛感した。それでも、大学レベルでも「敵わなくはない」という手ごたえも得た。

 スタメン奪取へ向け、課題は打撃力の向上だ。リーグ戦前「もう少し打てたらスタメンで使う」と善波達也監督から告げられていた。しかし、今春での3打席で結果は残せず、初安打はお預けとなった。「絶対にスタメンを勝ち取る」。守備を評価されている分、打撃力の向上が正捕手定着へのカギとなる。〝日南学園の正捕手〟から〝明大の正捕手〟へ。蓑尾の挑戦はまだ始まったばかりだ。

 

 

[加川遥稀]

 

◆蓑尾 海斗(みのお・かいと)文1、日南学園高、174センチ・76キロ、右投右打、捕手

試合前のルーティンは音楽を聴くこと。特に好きなアーティストであるWANIMAの曲を聴き、士気を上げている。


次回のルーキー特集は8月30日(金)髙山陽成投手(文1=作新学院)です。お楽しみに!


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