六大学の応援団が集結 2000人の観衆を熱狂に包んだ/第66回六旗の下に
神宮球場を沸かせた六大学の応援団が圧巻の演舞を見せつけた。今年度で66回目となった東京六大学合同のステージ・六旗の下に。各大学が順番に応援歌を披露し、最後は六大学が同じステージでフィナーレを飾り4時間に渡るステージは大盛況のまま幕を閉じた。
◆6・23 第66回六旗の下に(神奈川県民ホール)
当番校である東大の司会で幕を開けた六旗の下に。各大学がユーモアの効いたMCと自校の誇りを掛けた圧巻の演武を披露し、ついに明大の出番が来る。先日、5季ぶりの六大学春季リーグ戦優勝、そして38年ぶりの全日本大学選手権制覇を成し遂げた硬式野球部を誰よりも近くで応援してきた明大応援団。「日本一のチームを応援してきた団体として見合ったパフォーマンスを」(林紗愛・営4=明大中野八王子)。そんな思いを胸に秘めながら披露した厳かな嵐の拍手や華やかなチャンスパターンメドレーを織り交ぜたステージは観客を魅了した。
大盛況のステージの裏には功労者たちがいた。連盟代表を務める吹奏楽部の瀬戸郁(理工4=小田原)、バトン・チアリーディング部の林そして応援指導班の玉貞行啓(政経4=修道)の3人だ。各大学に3人ずつ置かれる連盟代表。その業務内容は六大学間での連携や会場の照明企画書の作成、ステージの構成など多岐にわたる。中には細かい事務作業も多く「正直、面倒くさいと思うこともあった」(玉貞)という。それでも投げ出さなかったのは「この日のためにという気持ちがあった」(林)から。六旗の下にを成功させたい。各校の連盟代表が思いを一つに取り組んだことでステージは大盛況のまま終幕。2000人超の観客が集まる会場を熱狂の渦に包んだ。
後期も神宮球場を彩る。夏休みをはさみ迎えるのは硬式野球部の六大学秋季リーグ戦。春秋連覇を後押しする〝日本一の応援〟を届けるために。二部一班が一丸となって突き進む。
[長沼遼太]
関連記事 RELATED ENTRIES
-
(3)「六旗の下に」直前インタビュー 玉貞行啓
応援団 2019.06.236月23日に行われる東京六大学各校によるステージ「六旗の下に」。毎年盛り上がりを見せる大舞台に向けて、連盟代表として運営にあたってきた3人に思いを伺いました。第3弾は、応援指導班の玉貞行啓(政経4=修道)のインタビューをお届けします(この取材は6月19日に行われたものです)。 ――応援団に入団した経緯を教えてください。 「最初はサークルに入ろうと思っていましたが、新歓期間のステージを見て、かっこいいと思い入部を決めました。もともとの性格がだらしなかったので、応援団に入って自分を変えられるのではないか、社会に出たときに役に立つのではないかと思いました。ステージを見終わった瞬間に応援団のブースに行って決めました」 ――入団後はどのような楽しさや苦労がありましたか。 「目立つのが好きなのでステージの後ろですごい形相で拍手して、それを見たお客さんに笑ってもらう。笑われるのも好きで、お客さんに喜んでもらえるのが楽しかったです。それが応援団で1番楽しいと思います。つらいと思ったのは、初めてのことでもできなかったら怒られることです。間違ってもいいという空間でやるのは誰でもできますが、圧迫された空間の中でやらなくてはいけないのが個人的にはつらかったです」 ――ここまで続けられた理由は何ですか。 「俺の場合は幹部になったら楽しめるようになるということがモチベーションでした。たった3年間我慢するだけで、心にゆとりを持って楽しめるので、3年間はどんなにつらいことがあっても続けてこれました」 ――今年の応援指導班はいかがですか。 「コンプライアンスの波が応援団にも来ていると感じます。自分たちが1年生の時に経験した雰囲気と今自分たちが後輩に対してつくっている雰囲気は全く違います。なので、みんながイメージするような応援団ではなくなりつつあるのかもしれません。ただ、岡田尚大応援指導班班長(政経4=今治西)や浜浦良団長(営4=文京)は気合も大事にしてやってくれています」 ――春季リーグ戦は応援団としてはどのような期間でしたか 「自分はステージ関係の仕事が多く、正直、2年生くらいまで神宮応援には興味があまりなかったです。ですが、3年生から楽しいと思い始めて、こんなにファンがいる大学でリーダー台に立って応援していることはすごいことだと思って感動しました」 ――お気に入りの応援歌はありますか。 「覇者明治が大好きです。他大学はコンバットマーチやダッシュ慶應など突きがあってかっこいいのですが、明大で唯一の突きがあるのが覇者明治です。また、今季リーグ戦で入替の時に自分がこけてしまってその時から何故か好きになってしまいました(笑)」 ――他大の応援ではいかがですか。 「早大です。早大のスパークリングマーチからコンバットマーチまでのつながりがいいと思いますし、慶大の突撃のテーマもかっこいいです。慶大と早大は吹奏楽の作曲のスキルが洗練されていると思います」 ――負けたくない大学はありますか。 「法大です。仲は良いのですが、応援団同士はライバル校で、敵視というよりはライバル視しています」 ――連盟代表としては他大学との交流が多いのでしょうか。 「六大学での活動は全て行くので、すごく話します。連盟代表に選ばれる人は他大学と仲良くできる人がなりますが、吹奏楽やチアの人に手を出さない人が選ばれます。自分は全く興味ないので大丈夫です(笑)」 ――運営側から見た『六旗の下に』の魅力は何でしょうか。 「全部です。自分はステージ大好き人間なので甲乙付けがたいです。どこの大学も頑張っているので、長いですが全部の大学を見て欲しいです」 ――明大の演舞の注目ポイントはどこでしょうか。 「硬式野球で日本一になった応援団のチャンスパターンメドレーです。最後の覇者明治をリーダー5人で締めます。日本を制した覇者明治として思い切り突くのでそこを見てほしいです」 ――本番に向けて意気込みをお願いします。 「つらいことを経験してこなかった自分が、初めて経験した応援団という厳しい生活で、初めて感動したのが『六旗の下に』です。それから毎年楽しみにしていて、『六旗の下に』の第一応援歌でリーダーを振る連盟代表に憧れました。先輩に志願書を出し、面接し、やっと就いた連盟代表という役職なのでかっこよく、優雅に、熱く振ります。もともと頑張れなかった自分がここまでやってきたんだと思ってやりたいたいです」 ――ファンの方に一言お願いします。 「自分を変えたい人、社会に出た時に不安だからちょっと変わりたいと思っている人は応援指導班、チア、吹奏楽のどれに入っても変われるので勇気を振り絞ってほしいです。将来のためにもぜひ」 ――ありがとうございました。 [中野拓土]READ MORE -
(2)「六旗の下に」直前インタビュー 瀬戸郁
応援団 2019.06.226月23日に行われる東京六大学各校によるステージ「六旗の下に」。毎年盛り上がりを見せる大舞台に向けて、連盟代表として運営にあたってきた3人に思いを伺いました。第2弾は、吹奏楽部の瀬戸郁(理工4=小田原)のインタビューをお届けします(この取材は6月19日に行われたものです)。 ――入団した理由きっかけは何でしたか。 「高校までやってきたことをしながら新しいことがしたいという思いがありました。中学から高校までは吹奏楽部に入っていて、大学で応援団を知ったときに、今までやってきた吹奏楽と応援やドリルなどの新しいことの両方ができると思い、入団しました」 ――入団してからギャップを感じることはありましたか。 「姉が他の大学の応援団でチアをやっていて、話を聞いていたのですごくギャップを感じるわけではなかったのですけど、今までの吹奏楽部の活動とは大きく違うものがあったので少しはありました」 ――大変だった時期はありますか。 「よく珍しいと言われるのですが、やめたいと思ったことが一度もなくて一つ一つが楽しいです。確かに強い言葉を言われて嫌だと思う時もありますけど、それを克服して成功したときにやっていてよかったと感じるのでやめたいと思ったことは一度もないです」 ――明大の吹奏楽部はどのような組織ですか。 「団則に明朗という言葉があるのですけど、本当に活発だと思います。音にもそれが表れていて、聞くだけで元気がある演奏というのをすごく感じます」 ――普段の練習は何をされていますか。 「3種類あります。一つ目の演奏練習というのは座奏で、8月のコンクールに向けた練習や一般的な吹奏楽の練習です。二つ目がドリル練習というものでマーチングのような練習をしていて、三つ目が応援練習です。応援曲の練習だけではなくて応援の仕方も練習します」 ――どの練習が1番好きですか。 「どの練習も楽しくて1番は決められないです」 ――好きな応援歌はありますか。 「第一応援歌・紫紺の歌が得点時に吹かれる歌で、1番楽しく吹けるので好きです」 ――他大学の応援団で好きなところはありますか。 「私は東大の応援団が好きです。正直、野球部のレベルは東京六大学で見たら高くはなく、なかなか得点も入りにくいかもしれませんが、それでも精一杯応援している姿や得点が入ったときにものすごく盛り上がるのでそこが東大の応援席のすごいところだと思います」 ――連盟代表になった経緯を教えてください。 「先輩から指名していただきました。明大の良さを知っていて、他大学の良さも知っていて、どちらにも偏りすぎずに、相対的に見ることができるということで連盟代表に選んでいただきました」 ――野球優勝の瞬間はどうようなお気持ちでしたか。 「申し訳ないのですけれども、用事があったので決勝に欠席していました。ですが、スマートフォンでチェックしていて、優勝した瞬間はすごくうれしかったです。報われた気がします」 ――明大のステージでの魅力は何ですか。 「明大はすごく元気があると思っています。元気故に雑な部分もありますが、どの大学よりもパワフルなステージだと思います」 ――演奏する中でこだわりはありますか。 「音は気持ちで変わるというのをすごく感じます。指揮をして前に立つこともあるのでが、『元気に吹いて』と言うと本当に元気の出る音がします。音で魅せられるというのはすごくあると思うので、その気持ちからいい音を作るというのを意識しています」 ――座奏と応援ではそれぞれ何が魅力ですか。 「座奏はまとまりのある演奏ができるところです。全てのバランスを考えて一つの流れで1曲を作り上げる。応援だと試合を見ながら吹いていて楽しいと感じることが多いです」 ――『六旗の下に』の見どころを教えてください。 「すごく熱いステージになっていて、応援指導班やリーダー部の人たちの集中力や真剣に取り組んでいる姿が感動的なのでそこに注目してほしいです。そこにチアや吹奏楽も連携して一つになっているところを見てください」 ――ご自身の意気込みをお願いします。 「とにかく音に気持ちを込めて、一音入魂でいきたいと思います」 ――ありがとうございました。 [中野拓土]READ MORE -
(1)「六旗の下に」直前インタビュー 林紗愛
応援団 2019.06.226月23日に行われる東京六大学各校によるステージ「六旗の下に」。毎年盛り上がりを見せる大舞台に向けて、連盟代表として運営にあたってきた3人に思いを伺いました。第1弾は、バトン・チアリーディング部の林紗愛(営4=明大中野八王子)のインタビューをお届けします(この取材は6月19日に行われたものです)。 ――バトン・チアリーディング部に入ったきっかけを教えてください。 「私は附属高出身で大学野球を見にいった時にチアの応援に引かれました。高校までダンスをしていて様々なジャンルで踊っていたのですが、チアはまだやったことがなかったの、で挑戦できる最後のチャンスだと思いました」 ――やめたいと思ったことはありますか。 「最初は慣れないことも多くいつまで続くかなという感じでした。ですが、応援するスポーツであったり、年末のステージの光景がそのつらさを超えるものだったので続けてこられています」 ――支えになるものは何ですか。 「同期だと思います。入部当初から先輩からは、同期は大切にしろと言われてきましたし、つらいときに支えてくれる大きな存在です。私自身も練習責任者という立場も持っているので、同期だけではなくチームメートを大事にしようと言っています」 ――同期の存在の大きさを感じる瞬間はどんな時ですか。 「応援団ならではの練習の厳しさはありますが、しんどいときに声を掛け合うのは同期ですし、うまくいかないときに肩をたたいてくれるのはやはり同期です。そういうときに同期の存在の大きさを感じます」 ――選手との恋愛はありますか。 「ある人はありますが、ない人はないです(笑)」 ――連盟代表の仕事内容を教えてください。 「東京六大学応援団連盟というものがあり、そこに明大の代表として学校の意見をまとめて言ったり自分の意見を言ったりしています。連盟でまとめたことを明大に持ち帰って共有することも仕事の一つです。また、各部班(バトン・チアリーディング部、吹奏楽部、応援指導班)に連盟代表は1人ずついて、その考えを共有することもしています。連盟の会議前に議題が発表されるのですが、それを3人で話し合って意見を固めています」 ――連盟代表のやりがいを教えてください。 「『六旗の下に』もそうなのですが、ステージづくりに主体的に関われるというのは連盟代表ならではだと思います。それは、ステージに立つ瞬間に感じるものなのですごく楽しみです。また、『六旗の下に』の次の週に合同演奏会というバトン・チアリーディング部と吹奏楽部がやるステージもあるのですが、そのステージの構成なども考えています。忙しいですけど後輩が楽しんで練習してくれているのはやりがいの一つです」 ――他大との会議での難しさとかはありますか。 「連盟の人と何かを決めなければいけないときもありますが、それぞれの大学にルールはあるのでそこの擦り合わせは難しいです。伝統がある部、伝統のある大学ならではの難しさだと思います」 ――連盟代表になった経緯を教えてください。 「去年の12月くらいに幹部役職の志望書を提出したのですが、連盟代表は人気の役職で、代で7人いる中の4人が志望していました。そこから先輩と面接して選んでいただくという形でした」 ――「六旗の下に」に対するイメージを教えてください。 「応援指導班中心のステージなので厳かな雰囲気だと思いますが、そこにバトン・チアリーディング部や吹奏楽部で花を添えたり、応援団の良さがわかるステージだと思います」 ――1年次からイメージに変化はありますか。 「1年生の時は入部してすぐだったので右も左も分からず、ただ『すごいな』と圧倒されていただけでした。1年間いろいろな経験をした2年生の時は各大学の伝統の違いというのも分かるステージだったので違った楽しみ方ができました」 ――硬式野球部が六大学と全日本で優勝しましたが、応援団としての自覚に変化はありましたか。 「全日本に進んだというところから、日本一を目指すチームを応援する者としてそれに見合った団体じゃないといけないと思いました」 ――「六旗の下に」への意気込みをお願いします。 「この日のために東京六大学連盟として動いてきたので、各大学にとって良いステージになればと思います」 ――ありがとうございました。 [長沼遼太]READ MORE