(7)~J1・川崎フロンターレ戦直前特集~ 東山亮応援団長インタビュー

サッカー
2019.06.30

 待ちに待ったJ1・川崎フロンターレとの天皇杯2回戦まであと3日!2009年の同大会では当時J1のモンテディオ山形を破り、大学史上初のJ1撃破を果たした明大。10年越しにジャイアントキリングを成し遂げるチャンスを手に入れた。本特集では、佐藤亮主将インタビュー、東山亮応援団長インタビュー、山本紘之アナウンサーインタビューの全3回で、7月2日の試合前日には展望記事の瓦版を掲載します。

第2回は、東山亮応援団長(営4=東京ヴェルディユース)のインタビューをお届けいたします。(この取材は6月28日に行わったものです)

 

――応援団長として今回の川崎フロンターレ戦をどう捉えていますか。

 「多くの方に見に来ていただけるという中で、もちろんピッチに出ている11人が戦っているという姿も見てほしいですが、それ以外の運営や、僕が担当している応援など、サッカー以外の部分でも普段これだけ頑張っているよ、というのを見ていただければと思います」


――応援に対する「こだわり」のようなものはありますか

 「団長として仕切る中で、自分が声を一番出すということです。一番頑張っている姿を見せて、そうしたら下級生もしっかり付いて来てくれるというようなことをイメージしてやっています。応援というのは結構きつくて、自分は試合に出る事ができない中で試合に出ているライバルの選手を応援するのはかなり複雑です。でも、そこを自分がチームのために何ができるかと考えて、そのときの与えられた立場でやるべきことを全うするという力が明治のメンバーは全員高くて、そういう部分では応援に対してこだわりがあります」


――川崎フロンターレ戦に向けて特別な応援は予定していますか。

 「特に特別な応援をしようとはしていないです。集中応援のときと同様、応援団の方との連携をとって一緒にやってこうとは話しています。サッカー部主導で、チアの方がやっているダンスの応援とも織り交ぜて、100パーセントでやれればいいかなと思います」


――選手ごとのチャントはどのようにして決めているのですか。

 「歴代の先輩方のものを受け継いでいることが多いのですが、自分たちの知っている応援で、プレーや人柄が合うと思ったらその応援にしています。あとはYouTubeでいろんなプロのチームの応援を聞いて、これいいねって取り入れたりとかしています。それこそフロンターレさんを参考にしているものもあると思います(笑)」


――どんな試合でも全力で校歌を歌っているのが印象的です。

 「明治って自分たちの大学に対する思いが強いと思っていて、それを一番に表すのが校歌です。自分が実際にピッチに出て歌ってもらえることもありましたが、校歌を全力で歌ってもらえると、明治のために頑張ろうと思えました。それはピッチの中でもそう感じたので、ピッチの外からは選手に魂を伝えるじゃないけど、頼んだぞという意味で歌っています。あとは校歌を歌い始める時に『この校歌で勝敗決まるぞ』って話が出たりします。そのためにも校歌は一番大事だと思います」


――多くの方から注目される試合ですが、サッカー部で何か行なっていることはありますか。

 「本当に色々やっています。学校でチケットを売ったり、Twitterで企画を打ったり、あとは監督の知り合いの方にポスター作っていただいたりしました。大変ですけど、それでお客さんが来てくれたらやっぱりうれしいです。あとは来ていただいたからには何かを与えないといけないので、自分たちのプレーや応援で感動を与えられればと思います」


――失礼な言い方になってしまいますが「裏方の仕事」である応援をどう捉えていますか。

 「正直、自分も応援よりピッチに出たいという気持ちは強いです。でも、応援をするというのはすごくいい経験で、自分が苦しい思いをする中でも、ライバルのために応援できることは、かなり大変で複雑ですが、これができるといろんなことを乗り越えられると思っています。サッカーをやる上で「応援したい」と思うことは全然ないですけど、チームのため、あとは自分がピッチに出て、普段応援してくれない選手を誰が応援するかなと考えたときに、やっぱり普段応援するからこそ、試合出たときに応援しようと思ってもらえるじゃないですか。だから、本当にいろんな思いを持って応援をしています」


――あくまでも目標はピッチの上という事ですね。

 「みんなそうだと思います。みんな苦しい思いをして、でもその中で全力でチームのために応援をしてくれています。試合に出ているメンバーも成長していると思いますが、応援に携わっている人たちも人としてものすごく成長できていると思います」


――東山さんがここまで大学サッカーを続けてきた中で、これだけは誰にも負けないという部分はありますか。

 「ここまで3年半、誰よりも考え、誰よりも努力したと思っているし、今後もしていきたいなとも思います。誰でも調子がいい時って、次はこうしようというポジティブな考えが浮かぶと思うのですが、それが例えばメンバーから外れたり、怪我したりすれば、どうしても気持ちが落ち込んで投げやりになったりする部分もあると思います。そういうときでも「サッカー選手になる」という目標があったので、へこたれずにここまで頑張ってくることができました」


――その目標は今でも持ち続けていますか。

 「もちろんです。ただ、とりあえず今の段階は大学までサッカーを全力でやりきろうと考えていて、その先に自分を必要としてくれるチームがあればサッカーができればいいなと思います。一つ夢があって「いろんな人を元気付けたい、幸せにしたい」という夢なのですが、その夢ってサッカー選手だけがかなえられる夢じゃないんですよね。サッカー選手になるというのはその一つの夢をかなえるための方法で、とりあえず今は大学で悔いのないくらいサッカーをやって、その先でつながることができればいいかなと思います」


――川崎フロンターレ戦は在学生のみならず、多くの方から注目される試合です。意気込みをお願いします。

 「Jリーグの王者として、向こうも絶対に負けられない戦いをしてくると思います。うまいというのは百も承知ですし、サポーターの方も絶対負けないという気持ちでやってくると思いますが、それを上回るくらいの熱量で、ピッチで勝つのはもちろん、明治の方が気迫があるなと思われるような応援ができたら、応援団長としてはうれしいです」


――ありがとうございました!

 

次回は、山本紘之アナウンサーのインタビューをお送りいたします。更新は明日7月1日です。お楽しみに!

 

[高野順平]