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時代の変化とともにチーム改革を 主将とつくる組織力

明大スポーツ新聞 2019.05.15

 新時代はチーム力が重要となってくる。5月1日から施行された元号「令和」の英訳は「Beautiful Harmony」と〝調和〟の意味が含まれている。これからは個人で行動することよりも、仲間もしくは組織単位で動くことが求められる時代になるのではなかろうか。


目標設定

 一人一人のやる気に差異あり。体育会各部の主将に「部はうまくいっているか」というアンケートを取ったところ、約61%が「はい」と回答。新体制が始まって1カ月経った現在、過半数の部の状況は良好ということが分かった。しかし「いいえ」と答えた主将のうち、約6割をチームスポーツが占めていることも判明。理由として「部員一人一人にモチベーションの差異がある」ことが挙げられた。

 目標の立て方が部員のモチベーションに影響する。明大ラグビー部を就任1年目で大学選手権優勝へと導いた田中澄憲監督は「『日本一になる』ではなく『なぜ日本一にならなくてはいけないのか』を学生らに浸透させた」と語る。昨年度は日本一の目標に『社会に影響を与えられる最高のチームになる』という価値を加えた。勝利することに何の意味があるのか、その先に得られるものは何なのか。ビジョンを持つことは個々がどう部に貢献するかを考えるきっかけとなる。


一蓮托生

 部は4年生がつくる。これから各部がどのような結果を残すか、それは最高学年の意思決定で左右される部分が大きい。「今年から新たに始めたことはあるか」というアンケートで「はい」と答えた主将は約66%。「ミーティング回数を増やす」「個人目標の設定化」など各部はそれぞれのチームカラーに合わせた対策を練っている。「良いものをもっと良くするために何を変えるのか、加えるのかを考えるのが4年生」(田中監督)。他部員も意見を言いつつ、それに応える心構えが必要だ。

 主将は部員に頼り、部員は主将を一人にしない。平成9年度に主将を務めた田中監督は「一人で全てをできるわけではないので、人に頼ることは重要」と語る。言葉に熱を持たせ部を引っ張るのはリーダー。チームを俯瞰(ふかん)して最終的に物事を決断するのもリーダー。しかしその過程で部員が主将を支え、初めて主将が生きる。「良い空気が浸透した文化が醸成されれば、おのずと結果はついてくる」(田中監督)。シーズン始め、チームはまだまだ成熟中。今一度、組織を見直し、部が目標に近づく体制を整えたい。


【綾部禎】


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