(12)「全力でサポートをして昨年を超えられるようなチームをつくる」井元優吾 新体制インタビュー

ラグビー
2019.04.11

  連覇を懸けたシーズンが幕を開ける。22年ぶり日本一を成し遂げてから早2ヶ月。武井日向主将(商4=国学院栃木)の下、再スタートを切った新生・ラグビー部。新体制の幹部に今シーズンの意気込みを伺った。

11回はスタッフリーダー井元優吾(営4=大分舞鶴)のインタビューをお送りします。(この取材は3月13日に行われたものです)

――スタッフリーダーとして迎えるこの1年、目標はありますか。

  「選手を全力でサポートするというのはもちろんですが、部の運営に関して円滑に回るように努めていきたいと思います。マネジャーの業務であったり分析など、学生スタッフの役割はいろいろあるんですけど、それの統括という役割で活動させてもらいます。僕は去年がスタッフ1年目だったのでわからない部分も多かったですけど、2年目になったので言えるところはしっかり言っていきたいなと思っています」

――具体的に取り組みたいことは何ですか。

 「コーチングの方に力を入れたいと思っています。去年優勝した分スタンダードのレベルも高くなっています。1年生たちはまだわからない部分もあると思うので、そのレベルに1年生を早く持っていかせることができるように自分からコーチとして取り組んでいきたいなと思います。コーチングはFWがメインです。BKのコーチングは多田(充裕・営3=明大中野)が中心になってくると思います」

――練習中、滝沢FWコーチとの会話が多い印象を受けますが、どのような話をしているのですか。 

 「日常生活のことも話すんですけど、主にラグビーのことですね。滝沢コーチは本当に自分のことを思ってくれていてダメなところはダメとしっかり教えてくれるので心の支えになっています。指導内容で『こうした方がいいんじゃないか』とアドバイスをいただくこともあって、自分からも意見を言うこともあるんですけど、それも受け入れてくれるので、いい関係を結べていると思います」

――コーチングを行う上で心がけていることはありますか。 

 「教える立場なのでミスがないように、戦う表情で話すこと大切だと思っていて、気持ちを込めて話すようにしています。まだ1年生とはコミュニケーションを取れていないのでグラウンド内でコミュニケーションを取れたらなと思います」

 

――もともとは選手でしたが、学生コーチを志したのはなぜですか。

 「自分がケガをしていたっていうのもあるんですけど、自分たちの代は男子マネジャーがいなかったのでチームの将来的なことを考えたら自分がマネジャーになった方が部が回っていくのではないかと考えました。自分は正直、選手としては厳しかったです。同期に武井、松岡(賢太・商4=京都成章)がいて下にも三好(優作・文3=松山聖陵)がいて、自分はその中で一番下だったので、チームに貢献するにはマネジャーの方がいいなと思いました」

――昨年度、主務を務めた喜多川俵多氏(平31政経卒)氏のもとで学べたことはありますか。 

 「俵多さんはすごく視野の広い人でした。先の先を読める人でした。リスクの管理という面で頭が切れる人だったのでそういう面を教わってきたので、今年はその教わったことを松下(忠樹・営3=明大中野)なり多田に教えていきたいなと思います」

――学生コーチならではの苦悩や、大変なことはありますか。 

 「自分がもともと下のチームの人間だったので、Aチームに出ている人たちにはなかなか物を言いづらい雰囲気でした。でも、澄憲さん(田中澄憲監督)には『お前はもうスタッフなんだから言えることはきちんと言え』と言われています。今年は最高学年でもあるのでビシバシ言っていきたいなと思っています。だいぶ慣れたんですけど、そこに慣れるまでは難しかったですね」

――コーチングの効果を実感したことはどういった場面でしょうか。 

 「『これができるようになりました』って言ってもらえるときとか、『アジリティーついたかも』って言われたりとか、できなかったことができるようになった瞬間があったって聞いたときは少しでも自分の力があったのかなと思ってやりがいを感じます」

――新スローガンは〝真価〟に決まりました。 

 「去年、日本一になったんですけどラグビーだけで日本一になるんじゃなくてあくまで学生で人間としても成長できるように、ラグビーだけではなくて本当の価値、人間の価値を高めようと言うことで真価を高めると言う意味を持って真価にしました」

――最後に今シーズンの意気込みをお願いします。 

 「去年は追う立場だったんですけど、今年は追われる立場です。グラウンドの面からのサポートも重要になってくると思うのでグラウンドから全力でサポートして昨年を超えられるようなチームを自分からもつくりあげていけたらなとと思います」

――ありがとうございました。 

 

[清水康佑]

◆井元 優吾(いもと・ゆうご)営4、大分舞鶴

 早稲田の副将・幸重天とは高校で同期だったこともあり大の仲良し。「オフが被って大分に帰った時は毎日のように遊んでいました」。今シーズンはその大分で行われる春の明早戦。二人の掛け合いにも注目だ