「甲子園ボウルに連れていく」 日本一の立役者 森川竜偉
地上戦の主役であるRB(ランニングバック)に新星が現れた。関東の名門・佼成学園高出身の森川竜偉(政経1=佼成学園)は攻守にわたる活躍で、チームを3年連続日本一に押し上げたユーティリティープレーヤーだ。才能あふれるルーキーが、グリフィンズを34年ぶりの甲子園ボウルへとつなぐ懸け橋となる。
日本一の立役者
圧巻の大逆転勝利を成し遂げた。高校日本一を決めるクリスマスボウル。立命館宇治高との決勝戦は絶体絶命だった。3連覇の懸かる中、序盤で0―21に。「みんな、負けると思っていた」と雰囲気は最悪。試合を諦め、涙を流す者も。そんな中「言葉ではチームを引っ張れない。だから行動で示していこう」。貫いてきた思いが森川を大一番で動かした。武器は、爆発的なスピードと小柄ながら当たり負けしない強さ。その突破力で、3回のTD(タッチダウン)を決め、追い上げる。さらに試合終了間際、相手のプレーをタックルで止め、落球を誘発。ファンブルリカバーTDへとつなぐプレーで試合を決定づけた。活躍が認められ、最優秀バックス賞である三隅杯も受賞。「日々のつらかった練習が報われた」と最高の引退試合で締めくくった。
多芸多才の裏側
日本一でも満足せず、強さを求めた。アメフトに対する意識を変えたのは高校2年次のクリスマスボウル。「絶対にもっと良いプレーができたはず」。快挙を素直に喜べなかった。満足いくプレーを目指して、練習から改革。実践練習では1対1で負けない強さを追求し、攻撃のテクニックも増やした。さらに、ディフェンスのリーダー的存在でもあるLB(ラインバッカー)も兼任。守備の立場を経験することで、アメフトを一から研究した。ずっと心に残った「来年は活躍したい」。この強い気持ちが、大舞台で力を発揮する攻守の要に成長させた。
新〝ランの明治〟
もう一度、日本一を味わうために。明治の自由な環境に引かれて入学を決めた。「勝つために何をするか自分たちで考えたい」。昨年度はリーグ2位と躍進したグリフィンズ。「甲子園ボウルに連れていく」。多才な森川が〝ランの明治〟を頂点へと近づける。
【素宮愛結】
◆森川竜偉(もりかわ・るい)東京都出身。イギリス人の父を持つ。高校時代の評定は驚異の4・9。168㌢・76㌔
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