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『記者の目』経験不足浮き彫り 惨敗糧に成長を

競走 2019.01.17

 屈辱にまみれた昨季の立川から1年。改革を目指しチーム一丸となって挑んだが、現実は甘くなかった。勝負事に〝たられば〟は禁句だ。とはいえ、レース後、初采配を終えた山本佑樹駅伝監督の悔しさをにじませた表情を見ると、もう一度やり直せれば……と思ってしまう。
 例年、コンディション不良などで当日のメンバー変更が起きていたが、今回は指揮官の理想通りのオーダーを組めていた。にもかかわらず、主要区間に配した選手が結果を出せなかった。エース区間の2区で区間19位に終わった中島は直前の八王子ロングディスタンスでも1万㍍30分台に終わるなど調子はいまひとつだった。また、10区に予選会でチーム3番手に入った佐々木大輔(営3=八千代松陰)ではなく、坂口裕之駅伝主将(政経4=諫早)を起用したことも裏目に出た。「直前の状態は坂口の方が良かった」と山本駅伝監督は語ったが、全日本駅伝(以下、全日本)、箱根の両大会に出場した15校のうち、重要度の高い2区と10区に起用した選手がともに全日本に出場していないのは明大だけ。経験が重要な駅伝から遠ざかっている選手を主要区間に回すのは荷が重かった。
 同じ轍(てつ)を踏むわけにはいかない。ベストオーダーを組むためには直前の選手の状況を把握しておく必要がある。そのために、タイムトライアルを直前合宿で導入し、見極めることは有効だ。また、6区・前田舜平(政経2=倉敷)が「コースをつかめていなかった」と語るように、箱根特有の特殊区間への準備が不十分なまま臨んだことも露呈した。各区間のコースを見越した練習を導入することが必要だ。今こそ求められるのは〝自主性〟だ。5区を走った酒井は「距離への対策は自主的に考えてやっていかなければならない」と語った。各個人が課題を自覚しているからこそ、選手間でのミーティングを増やし、新しい練習場所や内容を共有するなど、より良い練習環境をつくることが求められている。これこそが目指すべき真の〝自主性〟の形であるはずだ。
 復活は目前まで来ている。3区・阿部弘輝(政経3=学校法人石川)を新主将に据える来年度は全日本、箱根の経験者が13人残り、レギュラー争いから熾烈(しれつ)になる。「予選会は当たり前に通過して駅伝で結果を出す」(山本駅伝監督)。この惨敗は、逆襲への過程であると信じたい。
【加藤真人】


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