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(29)立大戦事前インタビュー① 溝口智成監督

硬式野球 2018.10.17

 最終カードの相手は立大だ。田中誠也、藤野隼大の大学日本代表バッテリーなど力のある選手がそろっている。優勝はなくなったが、何とか意地を見せたい今カード。勝ち点を奪い、笑顔で秋を締めくくりたい。


(この取材は8月30日に行われたものです)


溝口智成監督

――春の2位という結果を振り返っていかがでしょうか。

 「2位とはいってもめぐりめぐって、順位が上がって2位なので惜しかったという感覚は全くないです。優勝できなかったということだけが印象に残っています」


――春に見えた課題はありますか。

「一つ歯車が狂ったり、少しうまくいかないと、それを覆す雰囲気がなかったですね。良い時はみんな良いのだけど、悪い時はみんな悪くなってしまって抜け出せなかったです。だから5連勝して連敗して、そこでもうひと踏ん張りしなければいけないところで、踏ん張り切れませんでした」


――この夏で成長を感じた部分を教えてください。

「一人ひとりの役割、状況に応じての役割のようなものを考えてやろうと。その場に応じて必要なパフォーマンスを何とかやり切ろうというのを一つのテーマにしてきました。そういう意味では春よりも状況を把握して、そこに必要な動きをする意識や訓練はできたかなと思います。打撃もただ強く振るだけではなくて、センター方向などに意識を持ちながら強く振れるようになってきたと思います」


――夏は六大学選抜にも帯同なさいました。

「他のチームの普段話さない選手と2週間一緒に過ごせるので、楽しかったですし『この選手はこういう考え方なんだ』とか『練習はこんな感じなんだ』など、多く気づくことができて非常に良い経験でした」


――田中誠選手と藤野選手は大学日本代表に選出されましたが、チームに戻っていかがですか。

「もちろん刺激を受けて帰ってきていると思いますし、立教よりレベルの高いところで練習しているので、自分たちの実力の現在地だとかは持ち帰ってくれていると思います。どうしても僕は2人に選ばれて欲しかったです。それはやっぱり立教にいるだけでは気づくことのできないものに出会うチャンスなので、レベルの高い集団の中で3週間近く過ごして、彼らが感じる部分はあったと思います」


――試合中の立大のベンチでは特に笑顔が多く見られます。

「笑顔でいろとは言いませんが、野球はしかめ面をしてやるものではないと思っています。『下を向いてやるのは良くない』というのはいつも言っています。失敗した時、その瞬間にやれることは声を出したり、他の選手を応援することなので。それは普段の練習から言っているので、そういう風に外から見えているのは喜ばしいことだなと思います」


――今年のチームカラーは松﨑健造主将の人柄も影響しているのでしょうか。

「それはあると思います。自分の好不調に関係なく常に安定して雰囲気をつくってくれています。厳しい言葉も含めて言ってくれるので、彼に任せている部分や彼がいて良かったなと思うことは多くあります」


――春に戦って、明大の印象はいかがですか。

「ずっと変わらないのですが、一人ひとりが役割を果たす力や果たそうとする思いというのが強いと感じます。バント一つにしても仕事を全うする力はすごく強いなと思います。だから手ごわいです」


――最後に秋のリーグ戦への意気込みをお願いします。

「立教は今までそんなに回数は優勝していないですし、頻度も多くないですが優勝しなければなと思います。前回の優勝が去年の春ですからもう2シーズン空いているので、これをあまり空けずに優勝したいです。やっぱり代が変わっても連続で優勝したいですし、そういうチームになっていきたいなと思います。とにかく日本一というのはその後の話で、秋季リーグ戦を何とか優勝したいなと思います」


――ありがとうございました。

 

[楠大輝]


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