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前田剛志 悔しさをバネに 新天地でチームを勝利に導く

準硬式野球 2018.09.18

左腕から繰り出される速球とスライダーを武器に、チームを勝利に導く。前田剛志投手(農1=札幌第一)は、ケガに苦しんだ高校時代の悔いを晴らすため、大学でも野球の道を選択。1年生ながら、春は4試合で先発のマウンドを任された即戦力だ。

 

新たな環境で 

後悔したくなかった。小学生の頃、地元の野球チームの監督に誘われて始めた野球。すぐに頭角を現し、投手としての才能を開花させた。高校時代には春のセンバツで甲子園へ。順風満帆かに見えるが、常にケガとの戦いだった。痛みを抑えながら投げる毎日で、思うような成績が残せず苦悩した。「自分が納得できる形で終わりたい」。大学でも野球を続ける決心をした。

準硬式野球部に入部した当初は、硬式野球と異なる球に、違和感を覚えた。得意のスライダーが思うように投げられず、ベース前でバウンドしてしまう。それでも持ち前の修正力で感覚を調整し、開幕に間に合わせた。初登板は春季リーグ戦の立大2回戦。7回1失点で勝ち投手となり鮮烈なデビューを飾った。その後も好投を続け、大学初のシーズンは25回と3分の2を投げ、自責点はわずかに5。高校時代の厳しい野球部の雰囲気とは一変して「みんな笑顔で野球をやっている」。今までとは違った野球の楽しさを見つけた。

 

勝利への勇躍 

冷静な選手だ。2016年の秋季北海道大会では、決勝戦のマウンドを任され、完投勝利を収めた。「あまり緊張しないタイプ」という前田。全ての試合を「同じ気持ちでいこう」と意識し、特別な試合だからといって物怖じしない。失点しても、試合中は引きずることなく「次の打者を抑えれば、このイニングは抑えられる」と自分に言い聞かせ、マウンドに立ち続ける。大学での目標は、4年間のうち、残る3回の全国大会を目指してリーグ戦で優勝すること。そこで自身に不足する部分を冷静に分析した。今の課題は高校時代に比べると衰えてしまった筋力と柔軟性を取り戻すこと。チーム優勝の一翼を担うため、日々厳しいトレーニングを重ねる。そして、悔いの残らない野球人生を送るため、4年間突き進む。  

 

◆前田 剛志(まえだ・つよし)農1、札幌第一、177センチ・76キロ

 意外にもインドア派で、オフの日は映画鑑賞を楽しんでいる。

 

 [中澤美月]


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