村上光起 明大で新たなスタートを切った気鋭の新人

相撲
2018.09.17

   相撲部の未来を担う1人。相撲をしながら高校ではラグビー部にいたという型破りな経歴を持つ村上光起(政経1=尾道)。二つのスポーツをしてきたから分かる、相撲の奥深さに魅了された。大学ではパワーのある突きで相手を落とし、勝利をつかむ。


果敢な前進

   迷いのない相撲を取る。土俵に立てば1人きり。「さみしがりやなので」と、個人競技の孤独さを口にする村上。172センチ、99キロ。決して大きいとはいえない体格と、外見から受ける優しい印象。しかしその顔つきは、土俵で勝負師に変化する。厳しい稽古を積んだ先の、一瞬に全てを懸ける世界。そこで相手、また己自身に打ち勝つ。「低くて前に出る選手が強い」。目標とする選手は前田省吾(政経4=宿毛)。身長も体重も近しい前田は、明大の精神である前へ出る相撲の体現者だ。「いずれチームの主軸となりたい」。身近な背中を追いかけ、明大の相撲を受け継ぐ。

異色の経歴
 スポーツで二足のわらじを履く。高校では相撲を続けつつ、ラグビー部に所属。「二つ勝負を懸けてみたかった」。ルールも形式も全く異なる二つの競技。その共通点はコンタクトプレーであること。恐怖心を捨て、勝利に向かって体でぶつかり合う。「そこで通用するのは前に出ること」。大学ではラグビーを辞め、相撲で勝負する決意をした。たった数秒で勝敗が決まる。練習に費やした多大な時間のすべてをその数秒に懸ける。そんな相撲の魅力に心引かれた。明大進学の決め手は文武両道であること。スポーツだけではいけないという母親の考えに習い、学問とスポーツの二つ勝負を懸ける。

目指す頂上
   選んだ道を突き進む。レギュラーへの近道は、率先して雑用をすること。小さなことに気づけること。高校のラグビー部監督の言葉が、今も心に残っている。「人がしたくないことを自分がやって、小さな運を少しずつためていく」。ラグビーで教わった精神が現在、相撲につながっている。「1年生には絶対誰にも負けたくない」。目標は大学4年次のインカレ優勝。5人の同級生たちと共に鍛錬を重ねる。

【大橋侑奈】

   ◆村上 光起(むらかみ・こうき)広島県出身。最近うれしかったことは帰省の飛行機のチケットが届いたこと。172センチ。99キロ。