(9)開幕前インタビュー 森下暢仁
逆襲の秋へ、準備は万全だ。リーグ後半戦から失速し、優勝争いから脱落した春。技術だけでなく、私生活を見直しチーム力を上げて帰ってきた。学生野球の真価が問われる秋に、4季ぶり40度目の天皇杯を手にする。
(この取材は9月3日に行われたものです)
森下暢仁投手(政経3=大分商)
――現在の調子はいかがですか。
「順調です。体づくりをして体力アップや多く投げ込みをして投げ切れるスタミナを付けるというのを意識してやってきました。今回はすごく順調に体もできてきているので秋も大丈夫かなと思います」
――体づくりに関して教えてください。
「特にこれっていうのはないですけど、ボールを多く投げることやウエートも重点的に取り組んでいます。秋への手応えはあります」
――大学日本代表はいかがでしたか。
「先発としてやらせてもらっていろんな経験ができて、少しでも成長できたのかなと思っています。いろんな選手がいて、その選手の球質だったり行動だったりを見て自分なりに学ぶことができました」
――代表でのご自身の成績はどう感じていますか。
「投げた試合は全部勝っていますが、日米(大学選手権)の最後は少し打たれてしまいました。でもそれ以外は自分なりの投球ができたのかなと思います」
――代表はどんなチームでしたか。
「すぐにみんな仲良くなって、コミュニケーションも取れて雰囲気の良いチームだったと思います。投手陣は基本的にみんな仲良かったです。野手でも海野(隆司・東海大)とか仲良くなりました」
――同代表の田中誠也選手(立大)が仲良くなった選手に森下暢選手の名前を挙げていました。
「そうですね。ずっと春終わってから仲良くさせてもらっています。基本3年生は一緒にいました。野球のこと以外も話しますけど、普通の大学生の会話です(笑)」
――先日は高校日本代表との壮行試合もありました。
「1イニングしか投げてないですけど、高校生と大学生のレベルの違いを感じました。自分も(3年前に高校代表で)大学生とのレベルの違いを感じて明治に入ろうと思ったのも少しあるので、今年は自分が大学生として高校生に教えられたのかなと思います」
――高森キャンプはいかがでしたか。
「試合が多かったので追い込んだりできる期間は少なかったんですけど充実したキャンプでした。電波はなかったですけど、練習は遅くまでやっているので問題はなかったです」
――この秋の目標を教えてください。
「投げた試合は全部勝つというのをいつも目標にしているので、今回も数字どうこうより試合に出たら勝つということを意識してやっていきたいと思います」
――伊勢大夢投手(営3=九州学院)との二枚看板で投げていくことが期待されています。
「やっぱり2人がしっかりやらないと勝てないと思うので、2人で毎試合1勝ずつできたらなと思います」
――春は打撃が好調でしたが秋も期待できそうでしょうか。
「いや、秋は打たないので投球に専念しようかなと思います(笑)。打撃練習は好きですけど秋は少し、抑えようかなと思います」
――最後に意気込みをお願いします。
「チームのためにも秋は絶対に勝って、神宮大会に出たいと思います」
――ありがとうございました。
[楠大輝]
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