(2)開幕前インタビュー 逢澤崚介

硬式野球
2018.09.11

 逆襲の秋へ、準備は万全だ。リーグ後半戦から失速し、優勝争いから脱落した春。技術だけでなく、私生活を見直しチーム力を上げて帰ってきた。学生野球の真価が問われる秋に、4季ぶり40度目の天皇杯を手にする。 


(この取材は9月2日に行われたものです)


逢澤崚介外野手(文4=関西)

――昨季の成績を振り返っていただけますか。

「4年生になって『良いところを見せないと』という気持ちがあって、自分のことを優先して考えてしまいました」


――善波達也監督からは「ネット裏(スカウト)と戦うな」という言葉もありました。

「打たないといけないという気持ちは、確かにこれまでよりも大きかったです」


――それを踏まえて、この夏に意識したことは。

「チームが勝つことを最優先することが、伸び伸びとしたプレーにつながるので、そこを意識していました」 


――大学日本代表としての1カ月間はいかがでしたか。

「試合に臨む姿勢や準備の段階から、みんな意識が高くて、試合外でも学ぶことは多かったです。日の丸を背負うのも海外での長期遠征も初めてでしたが、自分にとってすごくプラスになりましたし、これをチームに還元しないとなと思いました」


――ハーレムベースボールウィークの最終戦・チャイニーズ・タイペイ戦では、1番を務め3安打の活躍を見せました。

「打つだけが野球じゃないということを改めて感じて、ハーレムでは単打でつなぐという日本の特徴的な野球を自分が一番体現できたと思います。」


――刺激を受けた選手はいらっしゃいますか。

 「辰巳(涼介・立命大)はアメリカからずっと同部屋でやっていて、良い選手の生活スタイルを間近で見られて勉強になりました」


――海外遠征での思い出を教えてください。

「ハーレムの決勝の前に日本食のお店に首脳陣含むみんなで行ったのが思い出です。お酒も飲んで一発芸やダンスを披露して、自分は上武大の谷口監督に誘われて一緒に江南スタイルを踊りました(笑)。あとは、アメリカからオランダに移動した時は時差ボケで寝られなかったので、みんなで集まって『トランプ負けデコピン』をして遊んでいました。甲斐野(央・東洋大)がめちゃくちゃデコピン強くて、158キロ投げるだけありますね(笑)」


――秋に向けて技術面で改善したことはありますか。

「春は盗塁王を取ったんですけど、さらに精度を上げたいのでスタートや相手バッテリーの配球を考えたり、走塁、盗塁の意識を改善しました。スタートはすごく良くなった手応えがあるので、秋はもっと走れると思います」


――打撃面ではいかがでしょうか。

「長打を打つべきなのか軽打がいいのか、カウントや状況に応じて、自分の打撃スタイルを一打席の中で変えるというのを、この夏は意識してやっています」


――春季は首脳陣から厳しさが足りないとの声もありました。

「キャプテン中心にやるときにはやる、オフはしっかり切り替えるっていうメリハリのあるチームになってきていると思います。吉田(有輝主将・商4=履正社)も怒る時はしっかり怒りますし、春以上に主将らしくなりました」


――海外遠征もあり、夏前半のチームは主力を欠いた状態でした。

「日本にいる選手がしっかりと自覚を持ってやってくれていたので、状態としては良いと思います。春は控えだった選手も3年生中心に結果を残していますし、誰が出ても結果を残せると思います」


――その中で注目選手はいますか。

「内山(竣外野手・商3=静岡)ですね。左利きでポジションも同じで、普段からプレーについていろいろと質問してくれます。この夏のオープン戦で活躍していたので、秋は期待しています」


 ――秋の目標を聞かせてください。

「チームとしての目標は10連勝で優勝して、自分が2年生の時に達成した日本一をもう一度取ることです。個人としては、毎試合チームの勝ちに貢献できるプレーをすることです。首位打者とか大きなことは言わずに、チームのためにプレーします。結果は後からついてくると思うので、このチームでできる最後のリーグ戦を楽しみたいと思います」


――最後にファンの方へメッセージをお願いします。

「下級生の時からリーグ戦に出させていただいて、今季が最後のシーズンになるので、応援いただいているファンの方々に成長した姿を見せたいと思います。最後の秋も、熱い声援をお願いします」


――ありがとうございました。


[谷山美海]