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(52)リーグ戦後インタビュー 善波達也監督

硬式野球 2018.06.24

このインタビューは慶大1、3回戦、法大1、2回戦後の4試合分の取材を編集したものです。


善波達也監督

――今季を振り返っていかがですか。

 「優勝以外は何位でも同じですが、1点差で6回も負けてはいけないよね。勝負に粘り強さがない。今、社会人が都市対抗予選というすごく厳しい勝負をやっているので、授業のない時間にやっている試合を見つけて、見に行ってもらおうと考えています。粘り強く一球を大事に投げる投手や、それを何とか援護しようとする打者の姿など、大人が本気になって戦う姿を実際に見たら何か変わるかなと思います」


――優勝した慶大との差をどこに感じられましたか。

  「簡単に言うと捕手に差があるなと。バッティングを含めた捕手の総合力とリード面の両方ですかね。(明大は)勝負が簡単すぎる。球の組み合わせなどがほとんどない。捕手がもっと分かりやすく、自分の意図を伝わるようにサインの指を動かしたり、構えをつくらないといけない。(捕手を固定できなかったのは)とても大きいです。秋までに一定の底上げをやらないといけません。(打撃も)もっと確率が高くならないといけないよね。そこの一つ一つの積み上げが差になった。もちろん相手が頑張ってチャンスを潰したという場面も何回かありましたが、せめぎ合いをしてどちらが強いかとなると、去年から慶応の方が強いと。もしかしたら、すれすれの差ではなく、大きな差が出てきてしまっているかもしれないと選手にも伝えました」


――東大戦以外全て初戦を落としました。

 「本当の強さというのがなかったんだろうね。競ったゲームに全く勝てない。シーズンを通して一球の重みに耐えられないとか、そこも課題の一つです」


――今年のチームに対して、私生活も含めて思うことはございますか。

 「我々(指導者)はもちろん試合中のミスを指摘するけど、練習中に選手間で指摘し合うというのが本当に少ない。仲は良いから、嫌なことを極力言い合わない。『ナイスプレー』とかは飛び交うけど、プレーに関する厳しい指摘はほとんどありません。(吉田有輝主将(商4=履正社)は)言わないね。なんで言わないのといつも言っている。去年から甘くなっているのかな。(柳裕也選手(平29政経卒・現中日ドラゴンズ)の代は)もうちょっとしっかりしていたよね。(今は)言う人がいない。(リーグ戦の経験が豊富な渡辺佳明内野手(政経4=横浜)、逢澤崚介外野手(文4=関西)は)周囲へのポジショニングの指示とかは試合中もいろいろと気を遣ってやっているようだけどね。練習中に厳しい空気が選手間でもっとないと、やっぱり駄目だよね」


――技術面ではどう見られていましたか。

 「そんなに低くはないと思います。みんな良い線いっている。だからこそ普段の厳しさの欠如など、少しのことで悪い方に裏返っていくわけです。競っていても良い面が表にはならなくて、裏返って悪い面が出てしまいましたね」


――来季に向けチームに求めるものは。

 「チームの一人一人の人間関係は良いと思います。なので、あとは野球に勝つというところでチームがどうすべきかを、本気になって追い求めなければなりません。そしてそのレベルを大きく上げてほしいです」


――来季に向け意気込みをお願いします。

 「負けた試合が全部1点差の6敗です。少しの裏返しできっと勝てるんだろうけど、そこの境い目には大きなものがあると思います。我々指導者が考える部分と選手が自分たちで考える部分をミックスして秋に向かっていきます」


――ありがとうございました。


[浜崎結衣]


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