二ノ宮2年連続世界ジュニアへ

レスリング
2018.06.13

◆4・14~15JOC杯全日本ジュニア選手権(横浜文化体育館)
▼フリースタイル97㌔級❶二ノ宮

世界で勝負
 試合前から追い風ではなかった。横浜で開催される今大会。例年は、試合前日に横浜グルメに舌鼓を打っていたが、今年から当日計量に。「気持ちの部分できつかった」。恒例の小籠包も、行きつけのスープカレーも。目の前の美味をホテルで耐えるこの日が、一番つらかった。迎えた当日。順当に勝ち進み、吉田ケイワン(日大)との決勝戦。序盤でリードを奪うも、一つの失点から一気に相手ペースに。計14-11で辛くも逃げ切ったが「追われる怖さを知った」。逆境の中で、負けられないという王者の使命。勝ち続ける難しさを学んだ。
 準備は整った。1年次11月から参加している全日本合宿。トップ選手と直接練習することで「勉強になることが多い」。間近で技を学び、自分自身の選択肢として吸収。戦術の幅を広げ、手応えをつかみつつある。基礎と考えている体力面でも、さらに上へ。ベンチプレスは5カ月で自己ベストを20㌔更新。力で負けない強さを手にした。また、毎年世界へ挑戦していることで、メダルへの距離も縮まってきた。今年も、今大会の結果により9月にスロバキアで行われる世界ジュニアへ。「シニアで勝つ実力を得るためにメダル争いに絡みたい」。向き合ってきた体と、経験が強くした心の充実。明大のエースは、もう日本ではとどまらない。
【福永智隆】

◆二ノ宮寛斗(にのみや・ひろと)岐阜県出身。169㌢・97㌔