研ぎ澄まされた勝負勘でプロを完封 GK関

サッカー
2007.10.25

 試合中に迎えるピンチ。そんな時も的確な判断と指示でゴールを阻む。「あいつが止めてくれる」と選手から絶大な信頼を置かれる本学の最後の壁。それが守護神・関憲太郎(法4)だ。

変化と成長

 関はトップの試合に1年時から出ていた。二つ上のGK古川(平18法卒)に鍛えられ、手にしたのは関東選抜の座。サッカーに高い次元で真剣に取り組む選抜の環境の中で「自分を見つめ直すことができた。もっとうまくなりたいって目標も持てた」。その変化は外見にも表れ、伸びていた髪をばっさり切り体も以前より引き締まった。「顔つきが変わった」と神川監督も驚く。3年時には誰もが認める守護神へと成長。さらに今年9月にはJ2ベガルタ仙台入りが内定し、名実共に大学サッカー界を代表するGKとなった。

 関は決して恵まれた体格ではない。だが名門・国見高で数多くの試合をこなしてきた彼には欠点を補って余りある勝負勘がある。その直感ともいえる判断と動きだしでチームの危機を何度も救い、快進撃を一番後ろから支えている。

ぶれない芯

 関は一つ一つの言葉を丁寧に選び取るように話す。「いろいろ考えてるけど、言葉にするのが苦手なやつ」(斎藤・法4)。しかしそんな関が流れるように口にした言葉がある。「苦しいとき、GKが下を向いていたらみんなが下を向いてしまう。だからフィールドプレーヤーを奮い立たせるように、厳しいことも言う。最後まで絶対にあきらめたくないし、あいつ戦ってるな、って思われたい」。言い切ると、一つ呼吸をした。
 言い切った言葉の中に、関の揺るがない芯がある。試合中はその信念の下、普段の穏やかな関からは想像もつかないほど声を出し、チームメートを叱咤激励。時には言い合いになることもあるが「勝負の世界だからね。ピッチを出ればケンカはないよ」とほほ笑む。厳しい顔も優しい顔も兼ね備えた関は、誰からも愛されている。明治最終章あの言葉の中にもう一つのぞかせるのは今年が最後の「明治」への思い。「後悔はしたくない。このチームで優勝したい」と真っすぐ先を見据えた目で語った。技術的にも精神的にも、すべてにおいて成熟した明大GK・関憲太郎に、死角はない。
◆関憲太郎 せきけんたろう 法4 国見高出 178cm・73kg