記事一覧 RECENT ENTRIES
-
短距離ブロック本格的に始動
競走短距離ブロックは他の2部門とは違いほとんどの選手が一般入部の雑草軍団。昨年まではコーチ不在で、自分たちで何もかもを考えていた。そのため「練習メニューがバラバラだった」(荒井短距離ブロック長・商4)。だが、短距離ブロック強化のために今年から新たに岸コーチが就任し、理にかなった練習や精神面でのサポート体制ができた。 今年、注目の選手も加入した。高校時代800mでの実績がある中野涼司(文1)だ。6月9日の全日本インカレへの出場を予定している。高校に続き、大学での活躍に期待できる。 現在、短距離ブロックの目標は7月中旬の明法戦、9月中旬の明立戦の対抗戦だ。1日2~3時間の練習、その後は個人での練習でレベルアップを図っている。 関東インカレの結果により、2部降格してしまった競走部。2部降格を受けて選手たちの意識が変わり、日々厳しい練習に励んでいる。 岸コーチを迎え、新たなスタートを切った短距離ブロック。これからの彼らの活躍に期待したい。READ MORE -
力出し切れずドロー/オープン戦
ラグビー今季オープン戦の執りを飾る伝統の春・明慶戦。圧勝で締めくくりたかった明治であったが、慶応のプレッシャーから細かなミスを連発。ノーサイド寸前、スクラムトライで同点に追いつくも、消化不良な試合となった。 夏の日差しが眩しい新潟の地で行われた春の明慶戦。関東学院戦に劇勝し、早稲田戦は惜敗も、グッと手応えをつかんでいた明治にとって、慶応戦は、すべての点で「圧倒」がテーマ。だがゲームは思わぬ展開となった。 明治キックオフで始まったこの試合、FW戦で優位に立ちたい明治は接点で果敢にファイト。一気に流れをつかもうとする。 直後のファーストスクラム。慶応マイボールも明治がプッシュ。FW戦でプレッシャーをかけ続け、先取点をもぎ取りたい明治だったが、ペナルティによりチャンスを逸してしまう。 前半8分、相手SO川本好タッチキック後の慶応ラインアウト。慶応マイボール確保からルーキー村田に、サイドを簡単に突破され先制を許してしまう。 「最初の入り10分が大事だったが、気持ちがどこかで抜けていた」(山本・政経3)。その後も、明治のハンドリングミスやペナルティの隙を見逃さない慶応につけこまれ、前半20分までに3連続トライを献上。 明治もお家芸・ドライビングモールでようやく反撃するも、FWの集散の早さ・しつこいディフェンスで上回る慶応から流れを呼び込めず、前半を14-28のダブルスコアで折り返す。 修正したい明治は後半、敵陣での戦いを徹底。FWはサイドを突き着実に前進し継続を意識。BKは積極的にワイドにアタック。リズムをつかみ始め、今季進化の一端を見せる。後半9分、反撃のトライはBKの大きな展開から。最後は山本が密集での『強さ』をみせ、21-28。差は1トライ1ゴール。だがその後が続かない。 執拗に慶応陣で圧力をかけ続けるも、耐える慶応に自滅の明治。同じミスを繰り返し、フラストレーションがたまる展開に。戦い方を徹底するもなかなか継続できない。「ミスがミスを生んでいい流れをつかめなかった」(星野・政経4)。後半33分、宇佐美(文4)のトライで26-28。ようやく射程圏内にとらえるが、ペナルティゴールを追加され26-31。 ベストハイライトはノーサイド直前。慶応陣ゴール前でペナルティを獲得し、迷わずスクラムを選択。FW8人で円陣を組み士気を高める。「絶対獲ってやる」(土井・政経3)。数回の組み直しも、最後は押し込み同点のスクラムトライ。「唯一の収穫」(藤田ヘッドコーチ)はリザーブの第1列でもぎ取り、底上げの成果も見えた。 後半は17-3とゲームを支配。スコア以上に、慶応に時間帯を作らせなかったのは収穫だった。「(最低でも)後半の戦いが80分間できなければならない」(上野主将)。手応えと悔しさを感じてのノーサイド。宿敵との2007春・新潟決戦は31-31の引き分けに終わった。 「最初の部分で気持ちが入っていなかった」(上野主将・法4)。試合すべてを象徴してるこの言葉。最後まで影響した試合入りの大切さ。春に目に付いたパフォーマンスの波。今後、精神的にも技術的にもすべてを出し切る努力が不可欠。力の積み重ねには手応えを感じているだけに、パフォーマンスに安定感をもたらし、夏以降のチーム力向上につなげたい。~試合後のコメント~藤田ヘッドコーチ(第一声は)「今日はすべての点で、『圧倒』出来なかった。これは気持ちの問題が大きい」。(ハンドリングミスが多かったが?)「ミスは必ず起きるもの。ミスが起きた時、全員でカバーできるのが今年のチーム。去年はそれが出来なかったからリスクの少ない戦い方を選択したが、その点、今年はリスクをおかしてでも、積極的にいける。ミスした点は練習で修正したい」。(春シーズンを振り返って)「選手はどうやったら勝てるのか、現実として見えてきていると思う。今年はFWだけでなく15人みんなで戦えている」。(今後に向けては?)「夏でさらにレベルアップして、12月の明早戦に100%にもっていく」。黒崎コーチ「慶応は良いプレッシャーをかけてきていた。接点の圧倒ができなかったのは、気持ちの部分が大きい。今日の試合の収穫は最後のスクラムトライだけ。一列が交替した2本目の選手で取れたのは良いこと」。HO上野主将「最初の部分で気持ちが入っていなかった。後半のプレーが80分間通してできなければ意味がない。全体のリズムもかみ合っていなかった。ここまで順調にきているが、まだまだ試合にムラがある」。PR川俣「ミスが多く自滅してしまった。試合前からどこかで気が抜けていたのだと思う。明治はスイッチが入るのが遅いので、最初から力を出しきらなければならない。今日は接点での仕事量がもうひとつだった。寄りだったり、ブレイクダウンの部分」。PR梅原「まず何より気持ちが入ってなかった。気持ちを出して戦わなければならない。FWで圧倒できず、流れを作れなかった。ブレイクダウンで、人をかけられなかったし、二人目のサポートが遅かったりして、BKに良いボールを出せなかった。ただセットプレーは安定していた」。LO杉本(晃)「全体的にミスが多すぎた。接点がダメでFWの玉出しが悪かったことがBKのミスにもつながった。引き分けとはいえ関東、早稲田といい雰囲気で自分たちのラグビーができていたのに、今日は良くなかった」。LO坂本「今日は前半の入り方が良くなかった。上野が挑戦者の気持ちでいこうと言っていたのに、徹底仕切れなかった。ラインアウトは少し不安定だったけど、スクラムはかなり良かったと思う。今は『接点の圧倒』がテーマだから、ヒットに留まらずに相手を倒して自分たちが立っているイメージを目指したい」。FL成田「個人的に今日は悔しい。でも、紫紺ジャージーは練習着の試合より重みがあるのを本当に感じた。仲間にも色々アドバイスをもらえたし、今後もまた一から頑張りたい」。NO・8宇佐美「今日はオープン戦の総決算だったから結果を残したかった。立ち上がりから慶応の勢いにのまれてしまった。今日は立て直せたが最初からやらなければいけない。スクラムは回された時もあったが試合中に修正できた」。SH金澤「今日の自分の点数はマイナスでもいいくらい(良くなかった)。試合結果に責任を感じる。FWから良いボールが出なかったから、自分たち(HB陣)がテンポをつくらなきゃいけなかったのに、それができなかった。今年はBKがいいからチャンスを外につくれるし、良いテンポでボールを供給できるように修正していきたい」。SO井上「今日の試合のテーマはいつも通り「圧倒」だった。特に慶応対策や戦術的に普段と違うことなどしなかった。正面から相手をぶっ潰すのみ。慶応の選手はボールに対する反応が早かった。ブレイクダウンしてから素早くタックルしてきた。試合の流れを組み立てられなかったのはSOとしての自分の力量が足りないから。まだまだです。他のBK選手との連携が良くなかったが、今後どう改善するかは自分次第」。WTB奥田「80分間圧倒することができなかった。慶応に対してチャレンジャーという意識が足りない、最初は慶応を軽視していた。実際の慶応は、捨て身のタックルが効果的でとても前に出てきていた。(早稲田や関東学院と比較すると)プレッシャーがすごく、相手が出てくることに対して明治は受け身になってしまっていた。夏に向けて、今やってることをミスを減らしながら継続していく」。CTB安部「スクラムで圧倒できたし、コンタクトも負けてなかった。しかし勝てる試合だと心のどこかで感じていたことが悪い形で試合に出てしまった」。CTB星野「FWが前に出てBKも続いて出ることがゲームプランだったが、ハンドリングミスが多発したり、FWがバテたりしたせいか思い通りできなかった。個人的にもノータッチやノックオンなど基本的なミスをしてしまった」。FB日永田「今日は気持ちがゆるんでいた。勝手に個人プレーに走る選手もいてチームとしてのプレーができなかった。だが試合をやりながら修正した。余計なことはせずにできる限りシンプルにやることだけを心掛けた。後半はチームでやることをしっかり決めたら楽になれた。うちのハーフバックスは、相手ディフェンスのプレッシャーがきつかったためにゲームを作れていなかった。夏に向けての課題は今やっていることを「継続」すること。ブレイクダウン時に積極的にいかなければいけないし、FWは受け身にならないようにしてほしい」。WTB山口「気持ちが入っていなかったのがすべて。技術面の問題はそれほど感じていないので、練習でも常に気が入ったプレーをしていかなきゃいけない。毎試合同じ課題が出ているから、そろそろ考え直さないと」。PR土井「(途中出場でも)スクラム、ブレイクダウンで仕事ができて良かった。代わった3年生だけの一列で(試合終了間際の)スクラムトライを取れたのが嬉しい」。HO仲西「(慶応のスクラムについて)脅威はなかった。途中出場だったが、相手を崩してトライを一本とってこようと考えていたのでスクラムトライが決まって良かった」。READ MORE -
競歩2人が入賞/全日本インカレ
競走1日目の10000m決勝では、石川(政経2)が14位でレースを終えた。2日目の800mに出場した高校総体ファイナリストの中野(文1)も、自らの力を出せず予選敗退。しかし3日目、競歩ブロックが気迫のウォーキングを見せた。前半スピードを抑え、落ち着いた歩きで勝機をうかがっていた松尾(商3)は、後半ぐいぐいと前の選手を抜いていき4位でゴールした。後輩に負けまいと粘り続けた麻生(商4)も7位入賞と活躍。ところが「まだまだ。もっと高いレベルで戦わなければならない」(遠藤監督)と評価は厳しい。かつては「勝って当たり前」と言われた伝統の競歩ブロック。今大会の結果はほんの序章に過ぎないはずだ。激しい順位争いがあった5000mでは、最近好調の東野(商3)が16位に終わるも、自己ベストに迫る快走を見せた。 関東インカレでの2部降格をばねに、競走部は少しずつ変わりだしている。関東インカレの時には見られなかった、一生懸命応援をする選手たち。やっと長距離、短距離、競歩3ブロックが「古豪明治の復活」の方へ向いた。あとは昇格を目指して走り出すだけだREAD MORE -
新生自転車部、若手に期待/全日本学生新人戦東日本大会
自転車新生自転車部、若手に期待/全日本学生新人戦東日本大会 1、2年生が出場した今大会。チームとしても、主将交代など新生自転車部初めての大会となった。男子スプリントでは佐々木(商1)が体調不良ながら、2位に入賞し実力を見せつけた。男子ポイントレースに出場した湯浅(営1)も4位と健闘したが、「3位以内を目指していたのでこの結果はあまり納得していない」と自分自身に厳しい様子を見せた。 「1年生には非常に期待している」(内木監督)。今回成績を残した湯浅、佐々木をはじめ今後1年生の成長が楽しみである。これから、長期のオフシーズンに入る自転車部。来季、今年を上回る結果を残すためには選手各自の自主練など、基礎体力作りが重要となってくる。READ MORE -
早稲田に完封負け、優勝逃す/東京六大学秋季新人戦
硬式野球準決勝で法政を破り、4季連続決勝進出を果たした本学。昨秋、今春と2季連続、決勝で涙をのんでいる新人戦。3季ぶりの栄冠を目指して、選手たちは決戦に臨んだ。 先発は春季新人戦にも登板した江柄子(文2)。3回に長打を許し1点先制されるも、それ以後は立ち直り好投を見せ、6回まで投げきり7奪三振、1失点に抑えた。 しかし明治打線は不発。リーグ戦でも登板機会の多かった早稲田の先発・須田をはじめとする投手陣に翻ろうされ、凡打の山を築き6回まで無安打。須田、松下、日野の投手リレーに対して、わずか2安打に封じられた。 一方、投手陣も7回以降に登板したリリーフ陣が大誤算。今秋に台頭した宮田(政経2)がマウンドに上がるも、連続四球と二塁打を許してしまい1イニングで5失点。これで試合の主導権は完全に早稲田へと移ってしまう。結局、最後まで流れをつかむことはできず0-6で完敗。投打で圧倒した早稲田に軍配が上がった。 3季連続で、またも優勝を逃してしまった本学。結果は残念であったが、選手たちの表情は晴れやかだった。「やるからには優勝したかった。けど、これから春に向けてしっかり力をつけて頑張りたい」(小道・法1)。この大会は選手たちにとって来春に向けての大きな励みとなっただろう。個人の取り組むべき冬の課題を見出せたことが収穫だ。 これから始まる長い冬を越えて、来春に新人戦を経験した新戦力が再び神宮に現れる日を心待ちにしている。『ラストミーティング』~吉川学生コーチのメッセージ~ 毎回新人戦の監督は4年生の学生コーチが務めており、今回は吉川学生コーチ(法4)が指揮を執ることとなった。吉川学生コーチは普段からBチームの指導をしており、下級生からの信頼も厚い。そんな彼にとってこの試合は最後に残された大仕事だ。決戦前に行われたミーティングで吉川コーチは、後輩たちへある思いを託した。 「全員が平等に試合へ出られるわけじゃないけど、この野球部でやってきて良かったって思えるときが絶対来る。おれだって選手として神宮の土を踏む夢はかなわなかったけど最終戦でベンチ入りさせてもらえた。だから最後まで絶対にあきらめないでやっていってほしい」。 試合に勝つ大切さよりも伝えたかったこと。彼が残した言葉はきっと、今後も受け継がれていくことだろう。READ MORE -
プロ対アマ夢の競演!六大学選抜VS東京ヤクルト
硬式野球11月4日、神宮球場で明治神宮外苑創建80周年を記念して東京六大学野球選抜対東京ヤクルトスワローズの試合が行われた。プロ対アマという史上初の試みに、2万人を超える六大学野球ファンとヤクルトファンが神宮球場に詰め掛けた。本学からは松下主将(法4)、大久保(法4)、田沼(商4)、久米(農3)、佐々木(政経2)が出場し、スタンドのファンの歓声に応えた。 試合はヤクルトが早大出身の藤井、六大学選抜が早大の宮本の先発で始まった。1回表に先攻のヤクルトが青木の四球を足がかりに1点を先制。いきなりプロの実力を見せ付け、嫌な予感が六大学ファンによぎる。そもそもプロとアマの実力差は当然、やはりこの試合は無謀なのか…。しかし、その不安を法大の安打製造機・大引が一蹴する。その裏の攻撃、先頭打者として打席に立つと、粘った末に藤井の速球をフルスイング。なんと打球はそのままレフトスタンド最前列に突き刺さる本塁打。六大学ファン、ヤクルトファンの度肝を抜くバッティングでいきなり同点に追いついた。その後は慶大相澤、本学の久米のリレーでヤクルトを抑えていくが、六大学選抜もヤクルトの投手陣に抑えられ4回まで両チームとも無得点が続く。迎えた5回、この回から代わって登板した東大の重信が連続二塁打を浴び、1点を勝ち越される。しかし代わった法大小松が好リリーフで最小失点にとどめ、打線の反撃を待つと、6回の裏、慶大金森がタイムリーを放ち同点に追いついた。だがプロとして絶対に負けられないヤクルトは7回表、早大の上本の失策などでチャンスを広げると、早大出身の田中がタイムリーを放ち勝ち越しに成功、プロの意地を見せた。その後は慶大の加藤が好投し8回、9回を抑えるも追いつくことはできず、惜しくもヤクルトに1点差で敗れた。 惜しくも敗れてしまったが、予想以上の東京六大学選抜の奮闘振りに、スタンドからは六大学それぞれの応援団やファンから歓声が飛び、試合は大盛況。ヤクルトの古田監督も「実力は5分5分だった」と、東京六大学選抜の実力に驚いた様子だった。 5番サードでスタメン出場した佐々木は「とても緊張した。プロの球はきわどいコースにどんどん来るのですごかった」とプロの実力を肌で感じた感想を語った。また「青木さんに『いいバッティングするな』と褒められてうれしかった」とも語り、あこがれのプロ選手との競演に満足そうな表情だった。READ MORE -
驚異の3部門制覇!/第44回関東学生大会
少林寺拳法関東の各大学からえりすぐりの拳士たちが参加する今大会。関東のみの大学で行われる大会とはいえ、全日本インカレと合わせて年2回の大きな意味を持つ。 本学は、最優秀賞を3部門で獲得するという快挙を成し遂げた。さらに、優秀賞、優良賞、敢闘賞、合わせて計8部門で入賞。中でも最優秀賞を2部門(女子単独有段の部・女子三人掛けの部)で獲得した山上の存在が光った。女子三人掛けの部については「賞を取らねばならないという義務感があった」(山上)。というのも三人掛けの部に出場した拳士たちは、皆4年生だったからだ。最優秀賞を取れて、「ほっとした」と笑顔を見せた。 今大会、山上は後輩の育成も目標としていた。そして、寺本・山中組は男女段外の部で最優秀賞を取り、本人たちも驚きを隠せない結果となった。だが、この入賞は紛れもなく彼らの実力だ。山中は「ふらついたりしていたので、心残りがある」と振り返るが、最優秀賞という最高の結果を残したことに満足げな笑みを浮かべた。 今回の関東インカレの成績は近年まれに見る好成績を残す素晴らしい大会となった。この成績は、他大学の拳士たちにもいい刺激になったはずだ。同時に、全日本インカレに向けた周囲の期待も強まるだろう。それは、本学の拳士たちにとって高い壁を設定してしまうことにもなりかねない。だが、他大を圧倒する練習量を誇る本学の拳士ならその壁を必ずや、乗り越えてくれるだろう。READ MORE -
(1)父とつながる夢舞台・神宮 大越遼介
硬式野球2006年6月9日の東京六大学野球春季新人戦の対東大戦。大越遼介(政経1)は特別な思いでマウンドに立っていた。 高校時代は日大三高のエースとして甲子園に出場、1回戦は14奪三振の記録するなど甲子園を沸かせ、ベスト8まで進んだ。プロでも通用するであろうと多くの人が語る。しかし彼の進路はすでに決まっていた。 「神宮のマウンドで投げたい。それが、小さいころからの夢でした」。 神宮にはほかの選手にはない「縁」がある。父は元東大のエース。早稲田キラーとして名をはせ、東京六大学野球で8勝を挙げている。大越が1番最初に見た野球の試合も、父に連れられて観戦した東京六大学野球だったという。幼少時代から神宮の雰囲気を体験していた彼の目標が、神宮のマウンドに立つというものになるのも当然といえる。さらに日大三高に入るきっかけも、明治に日大三高出身の選手が多いからという理由だった。そしてその日大三高で、全国に名を轟(とどろ)かせ、明治大学入学を決めることになる。 入部当時は野球部の決まりに戸惑うこともあった。高校時代のやらされる練習から、自主的な練習へと移行し、その自主性に甘え、練習をサボってしまう選手もいる。だが、大越は違った。夜に行うランニング、室内練習など、自分で必要と思ったことは進んで行った。すべては神宮のマウンドに立つために。 大越の神宮デビューは新人戦に決まった。迎えた新人戦の前夜、善波コーチに登板を告げられる。相手は東大、父親のいた大学だ。デビュー戦が東大というのは、父と同期で仲のよい善波コーチのはからいだった。「正直うれしい。でも父親のいた大学と戦うんだってあらためて思うと少し複雑だったけど」。 大越は夢舞台でも、躍動する。直球、変化球ともにいつも以上のキレを見せ、東大は手も足も出ない。初登板とは思えぬ堂々としたピッチングを見せ、結果は2回無失点。父に誇れる結果だった。 今の目標は「1試合でも早く、リーグ戦に出ること」。そして「おやじを超えること。おやじは東大で8勝、だから自分はその倍くらい勝つ意気込みでいる」。神宮の申し子が父親を超える日も、そう遠くはない。◆大越遼介(おおこし りょうすけ)政経1 日大三高出 172㎝ 74㎏ 投手 左/左多彩な変化球とコントロールが武器。高校時代、齋藤佑樹(早稲田実高)からホームランを放つなど、その非凡なバッティングセンスにも期待できる。READ MORE -
(2)MAX152km速球派右腕 松橋拓也
硬式野球2004年、2005年夏の甲子園大会連覇の駒大苫小牧高で1年春からベンチ入りを果たした松橋拓也(商1)。2年の夏の甲子園準決勝・東海大甲府戦ではMAX147kmを計測し、一躍注目を浴びた。3年最後の夏の甲子園では、2回戦・聖心ウルスラ学園高相手に散発2安打、119球で完封するなど、駒大苫小牧高を2年連続優勝へと導いた。甲子園の地から神宮球場という新しい地へと、戦いの場を変えた松橋の心中に迫る。雪上ノック ――松橋は高校時代、どのような練習をしていたのだろうか。 2004年、駒大苫小牧高が初めて大旗を北海道に持ち帰るまで、東北より北に優勝旗が渡ることはなかった。原因は大量の積雪でグラウンドが使えなくなり、練習ができなくなるためだが、駒大苫小牧高の香田監督は厳しい環境を利用し、シートノックの特訓を行った。凍結したグラウンドでは、ノックで飛んでくる打球の速度が増す。この練習によって、松橋含め駒大苫小牧高の選手たちは、甲子園で力のあるバッターの速い打球に対応できた。しかし、練習では「痛いのを通り越して、指先の感覚がなくなるんです。技術に加えて、根性を鍛える意味もあった練習でしたね」。夢に描いた舞台 ――2年の夏、3年の春夏、松橋は甲子園の地に立つ。 松橋が初めて甲子園のマウンドに立ったのは2年の夏、準決勝・東海大甲府高戦。「試合の前日に登板を知らされて、その夜は緊張して眠れませんでした。甲子園は高校球児にとって夢の場所ですから…」。初の甲子園という大舞台での投球内容は3回3失点で途中降板と松橋自身としては満足のいくものではなかった。それでも子供の頃から夢に描いていた地に立てた喜びを噛み締めて投げ続けた。 3年最後の夏、松橋は背番号「1」をつけて甲子園に再び登場する。「2年時の優勝とは違って自分たちが主役。やっぱり達成感が違いましたね」。8月20日、京都外大西高との決勝戦は5-3で快勝。人生で1番記憶に残る試合となった。「甲子園の土って、普通は泣いて持って帰ると思うんです。けれど、自分たちは笑って持って帰ることができました」。野球の原点 ――松橋が駒大苫小牧高の野球を通して得たものとは。 スカウトによる球速の測定ではMAX152km。試合でもコンスタントに140km台を出す速球派ピッチャー。そんな松橋のスタイルを築いたのは、香田監督だった。「今、自分がここにいるのは監督がいたから。一から香田監督に育ててもらいました。本当に感謝しています」。新たな地・神宮へ ――駒大苫小牧高から明治へ。 松橋が甲子園を去って1年が経過した今年の8月、本学恒例の高森合宿で、キャッチャーミットに勢いよく速球を投げ込む松橋の姿があった。4年間の目標は「リーグ優勝に貢献したいですね。個人としてはベストナインかな」。松橋が神宮のマウンドに立つその時を待ち望んでいるファンは多い。◆松橋 拓也 まつはし たくや 商1 駒大苫小牧高出 178cm・75kg 右/右公式戦の記録では2年時に147km、3年時には149kmを記録するなど、今もその球速は増している。直球だけでなく、フォークやスライダーなど球種も多彩。READ MORE -
何より基本を大切に/明法定期戦
少林寺拳法両校の交流を深めつつも、拳士たちが普段の練習の成果を見せる場となる今試合。運用法のみを行う練習試合とはいえ両者の気迫は並々ならない。結果としては法大の勝利に終わったが、出場した拳士たちは課題を見出すことができた試合となった。 試合を振り返り「まだ戦い方が悪い」(小林主将・理工4)と4年生は口をそろえて厳しく語っていたが、それでも「ポイントは取れなかったが前に出ようとする姿勢は評価できる」(杉田・理工4)と前向きにも受け止められていた。 「ただ打つのではなく、基本に忠実に」(山本・営2)。この練習試合を通して見えた基本の重要性が、今後どう生かされていくのか。今回学んだことを次に生かせるかどうかがまずは第一の課題だ。READ MORE