橋口初出場で銀メダル 2年ぶりの世界大会で大躍進/グランドスラム東京

柔道
2016.12.03

 橋口祐葵(政経4=延岡学園)がグランドスラム東京で銀メダルを獲得した。グランドスラムは五輪、世界選手権、ワールドマスターズに次ぐ4番目に権威のある国際大会である。橋口は1回戦、2回戦でハーン=マゴメドフ(ロシア)、シェイベル(ドイツ)を撃破。準々決勝ではリオ五輪銀メダリストで、世界ランキング1位のアン(韓国)に反則勝ち。進んだ決勝では阿部(日体大)に一本負けを喫するも、久しぶりの世界大会で好成績を残した。橋口は今大会を最後に卒業し、来年からはパーク24で稽古に励む。

 序盤の戦いでリズムをつかんだ。「緊張していた」(橋口)。大学2年生で優勝を果たしたグランプリ・アスタナ以来、2年ぶりの世界大会だった。1回戦では今年のグランプリ・ハバナを制覇したハーン=マゴメドフと対戦。世界ランキング24位と実績のある相手との対戦だったが、開始1分46秒で相手に指導を与えると、2分には得意の袖釣込腰で技ありを奪う。その後も、積極的に技を掛けにいき、初戦を攻めの柔道で難なく勝利で飾った。2回戦では世界ランキング42位のシェイベルと対戦。3度も担ぎ技を決め、1つの有効と2つの技ありを奪い完勝。1回戦、2回戦でスムーズに勝利を物にできたことがその後の試合につながった。「落ち着いてできた」(橋口)。アンとの準々決勝は試合開始してから、アンが反則を犯すまでの2分半は橋口が試合をコントロール。リオ五輪銀メダリスト相手に物おじはしなかった。

 悔しい決勝だった。優勝を期待し臨んだ決勝では、阿部にあっさりと一本負け。講道館杯準々決勝で破った阿部に完敗した。「自分がやりたいことをやらせてもらえなかった」(橋口)と試合は終始相手ペースだった。開始1分2秒で有効を奪われると、その43秒後に一本を決められ、開始2分足らずで決着がついてしまった。世界選手権の出場権争いで、阿部に一歩リード許したが「次は勝ちにいく」(橋口)とこの悔しさをバネにする。今季の阿部との対戦成績は1勝1敗と互角。「ライバル」との決着は来年に持ち越された。

 次は全日本選抜体重別選手権だ。4月に福岡で行われるこの大会は世界選手権の最後選考会である。講道館杯、グランドスラム東京で惜しくも優勝を逃している橋口は次が正念場だ。「満足はしてない。優勝したいので」(橋口)。次こそ優勝を果たし、世界選手権の出場権を獲得してみせる。

[古賀章太郎]

試合後のコメント
橋口

「(今日の感想)3試合しかしてないですけど、最初の方はいい感じで戦えてたし、いい感じだと思っていたけど、決勝は情けない試合をしてしまった。(準優勝という結果は次につながると思うが)もしかしたら、海外に選んでもらえるかもしれないので、選んでもらえたら、優勝しないといけない。来年の世界選手権をとりあえず、目標にしているが、講道館杯とここで1回負けたことで、完全に遅れとってしまった。この後、出場する大会は全部取らないといけない。(久しぶりの世界大会は)いいですね。超緊張したけど、楽しいですね。畳に上がってしまえば、大丈夫だけど、上がる前は久しぶりすぎて緊張していた。(1回戦でスムーズに勝てたことで)そうですね。落ち着いた。(準々決勝で反則勝ち、準決勝で相手が棄権したことで勝ち進んだが)ラッキーといえば、ラッキーだけど、良かったのか悪かったのかわからない。(決勝戦での後悔)何もさせてもらえてないし、できなかった。研究されてると思う。自分がやりたいことやらせてもらえなかったので、情けない。たぶん(阿部とは)ライバルになると思う。(阿部の強かったところは)よくわからないです。今日は何もさせてもらえなかった。情けなすぎた。(次対戦する時は)もちろん勝ちにいきたい。(リオ五輪銀メダリストのアン選手との対戦)緊張はしなかった。相手の柔道はわかっていたので。(今年は講道館杯と今大会と最後の方に成績を残して、上り調子で終えられたが)最低の結果を残せただけでもよかったとは思う。満足はしてない。優勝したいので。ここからです」