インカレ終幕 男子フルーレ・女子エペ団体ベスト4入り/全日本学生選手権

フェンシング 2016.11.20
 明大のインカレが幕を閉じた。古俣潮里(政経3=新潟)など、注目選手の多い女子エペ団体は4位と期待以上の活躍で上位入りを果たした。3日目から引き続きとなった男子フルーレ団体は3位決定戦でリーグ戦1部の日大相手に34―45と奮戦するも敗北、4位を確定させた。男子サーブル団体、男子エペ団体はそれぞれ2回戦敗退、1回戦敗退と満足な結果を残せずに終わった。

<男子フルーレ団体>
 メダルにはあと一歩届かなかった。インカレ3日目中大に完勝し、たどり着いた3位決定戦の舞台。相手は関カレ3位入賞の日大だ。1セット目に1―5とリードを許すと、最後まで追い付くことができなかった。道脇啓太(営3=熊本県立翔陽)が気を吐き、一時は3点差にまで詰め寄る。しかし、流れをつかみきれなかった。日大に必死に食らいつくが、7セット目、久米春貴(営1=愛工大名電)が痛恨の5連続失点で勝負あり。惜しくも4位に終わったが「よく頑張った4位」と長尾監督も称賛。男子フルーレは来年もメンバーが全員残る。そしてこのインカレでは1部校とも互角以上に渡り合う実力を証明した。次の目標は来季の1部リーグ昇格だ。

<男子サーブル団体>
 同郷の相手に対し苦戦を強いられた。シードで2回戦からの登場となった男子サーブル団体。2番手の島田義人(営4=鳥羽)は2セット目、4連続ポイントで一挙7得点を挙げる。だがその後が続かず「自分も久米も東海出身なのでよく知っている相手ばかりだった」(島田)と、愛工大相手に手の内を知る者同士ためらってしまう場面も見られた。互いに一歩も譲らない一進一退の攻防が続くも、最後に島田が4連続失点し38-45で敗北。「最後のまれてしまった」(島田)と悔しい2回戦敗退となった。島田にとっては最後となるインカレ。「悔しいけど楽しかった」(島田)と振り返り、集大成を締めくくった。

<男子エペ団体>
 1勝もできずに敗れ去った。個人戦への出場がかなわなかった悔しさをぶつけるべく団体戦に臨んだ佐伯恒星主将(政経4=鴬谷)。1セット目で一般入部のルーキー・細野滉人(商1=明大明治)がインカレ初出場を果たすも、その後はリードを許し続け思うようなプレーができず。特に「外人の方が思っていた以上に強かった」(佐伯)と、マクドナルド(関大)にリーチを生かしたプレーで苦戦を強いられた。そして最終スコアを33-45まで離され「一言で情けない」(佐伯)。勝つことしか考えていなかっただけに、佐伯にとって悔しさの残るフェンシング人生最終戦となった。

<女子エペ団体>
 昨年の記録を超えるベスト4となった。準決勝の日大戦に敗れ、進出した3位決定戦は法大との対戦。リーグ戦でも何度も苦汁をなめさせられた相手に対し、序盤5ゲームで1点差と拮抗(きっこう)した。中盤からはじわじわと点差を広げられ34―45で敗北したものの、「今までリーグ戦とかも含めて戦ってきた中で一番競っていた」(奥村美咲・理工4=北陸)と手応えのある試合に。苦手な村上(法大)の足突きを近い間合いでの勝負を避けることで対処するなど、講じた対策が内容に表れた。
 3位決定戦後、奥村の目からは大粒の涙があふれた。新チームへのいち早い移行のためと、今大会での引退を決意。準々決勝の同大戦では23―23と同点の場面で一挙10得点を獲得し突き放すなど、最後の舞台で面目躍如たる活躍を見せた。「マルシェ、ロンペからできないような状況」(奥村)からインカレ団体メンバーへ、奥村は4年間で著しく成長。道中ではつらい思いもしたが、一日一日の練習をやり切ることで自信につなげ、歩みを止めることはなかった。そんな大学生活を振り返り、一番に出た言葉は「感謝」。「今こうやって古俣、上田(果歩・理工2=伊那北)と準決勝戦えてる」(奥村)とこの状況を喜んだ。導いてきてくれた先輩、後輩への万感の思いを込め、ラストマッチを戦いきった。

 4年生が引退し、次の大会からは現3年生が筆頭となる新体制となる。一区切りは付いたものの、時を待たずして全日本選手権やJOCジュニア・オリンピック・カップなど大きな大会が控えている。これから春にかけては、様々な試練とぶつかることだろう。4年生の期待を支えとして、乗り越えさらに成長していく。

[石塚真維・前田拓磨・三ツ橋和希]

試合後のコメント
長尾監督
「男子フルーレは4位、よく頑張ったね。1部校の中大に10本以上の差をつけて完勝だったから。女子エペは去年も4位かな、関カレも4位で3位決定戦で早大に負けて、インカレも3位決定戦で法大に負けて、法大、日大、早大、女子エペの3強をなんとか崩したいと思っているが、それができなくて、悔しい4位とよく頑張った4位ということで、女子エペ。団体はそう。個人は久米がフルーレでベスト8で6位、古俣もエペで6位、男子エペで道脇が8位。ベスト8以内に3人入ったというのは、残念ながらあんまり多くない。過去にそこまでできた実績の時はあまりなかったと思うから、よくできたと思うが、ただこれを常時できるようにしないとね。今年だけできて、来年沈没じゃダメだからここから底上げしたいと思っている。(法大と関カレ時より差が縮まったが)実力に大きな差はないが、むこうの選手層とこちらの選手層の違いが最後点数に表れるので、後は選手のコンディションとか疲労度とかここまで来るまでの気持ちの持ちようとか。法大なんかは一本勝負で落としているから、相当落胆していたから、モチベーションはどちらかというと低かったはずだった。だから点差が少なかったのかもしれない。とはいえ、うちもそこまでたどり着けるチームだから、もう少しずつ底上げをして、なんとか賞状が欲しい団体戦で。(佐伯、島田の最後の大会となったが)4年になるとどうしても就活で練習時間を削がれるし、それ以外でも練習にフルで参加できない時間的な制約があるから。有終の美を飾れなかったのは残念。もうちょっといい成績で有終の美を飾って欲しかったが。練習量が少し不足していた。(全日本選手権について)全日本は、社会人のチームも出てくるし、学生のように戦力分析も簡単ではないからどんなチームが出てくるからふたを開けてみないと分からないが、チャレンジ精神。社会人のチームはこういう経験をして、社会人になってそこでやっている人はやっているから胸を借りるという気持ちでやっていく」

佐伯主将
「一言で情けない。情けない試合だったなと思う。付属から上がってきた細野を1回り目の1試合目で出してみるかとなって今回出した。そこまではよかったが、結構外人の方が思っていた以上に強かった。初見ではあったがもう少しどうにかできたのかなと思う。本当にリーチを生かしたフェンシングだった。あとは腕をずっと意識してたまに足にきたりとかした。基本っちゃ基本だがそこを崩せなかったのが駄目だったのかなと思う。今回は三浦を最後回りにしたが、自分の反省点が多すぎて他の選手はあまりぱっとは思いつかない。4年生なのでやっぱりその外人選手以外のところで取っていかないといけなかったところで取れなかったので、そこが一番の敗因だったのではないかなと思う。相手の左利きの最後回りだった子がサーブル陣だが、そこでもっと時間を使って自分はやればよかったなと思った。もっと時間を使って一緒のランプではなく単独のランプにもっと前半のうちからこだわっていけば後半の人にもっと楽に与えられたのではないかと思う。悔しいです。個人でエペは出られなかったので、とりあえず勝つことしか考えていなかった。団体戦でもチームとしても勝つがとりあえず個人で勝たないとと思っていた。自分の中で悔いの残らない試合はやっぱり勝つということだったので勝ちにこだわってやったが、それが逆に空回りしてしまったのかもしれない。ちょっとよく分からない。最後だからというプレッシャーとかはなく試合に集中していたはしていたが、もう少し落ち着いて試合展開をもっとゆっくりなペースでやっておけばよかったのかなと思う。中学からフェンシングをやってきて10年目だが、人生の約半分をフェンシングについできた。このフェンシングから学んだことは一番多いので、人のつながりとか部活動の上下関係だとかそういうのもいろいろこのフェンシングから学んだので、そういう面に関しては本当にフェンシングをやっていてすごくよかったなと思う。明治での4年間は本当に自分を成長させてくれる環境だったと思う。来年は自分が抜けて新メンバーになるので、来年のリーグ戦に向けても頑張って陰ながら応援している」

島田
「自分にとっては最後の試合だったのでやれることはやったが、やっぱり熱くなっていたのもあるが少し冷静ではなくて最後のまれてしまった。次試合がないのでつなげることはできないけれども。相手の1番手2番手は本当に強くてみんな全力でやっていたが届かなかった。3番手で遅れて逆転したという形なので、実際3番手の試合のときはもっと差をつけて自分たちが取られずに一方的に取る展開にしなくてはいけなかったのかなと思う。愛知工業大学は自分も久米も東海出身なのでよく知っている相手ばかりだった。でもそのあたりはお互い手の内を知っている形だったので、どちらかというとやりにくかった。これもばれているかなという気持ちでばれている技は使えないので、躊躇してしまう部分もあった。みんな気持ち的には入っていたので勝てる試合でもあったなと思うが、最後回りで結構かまされてしまったというのはあるし、自分が最後取りきれなかったというのもある。一回3点ぐらい連続で取れたところがあったがあそこはすごく集中していていい感じでこのままいったらいけるかもと思っていたが、その後取られた1本が大きかった。自分の流れがそこで崩れてしまったので、そこからは一方的に取られてしまった。1本取られると集中が切れてしまうのが自分の弱いところでチームとしてもそういうところは多い。僕にとっては最後の試合だったので、すごく楽しかった。終わってみると寂しい気持ちもあるが、来年以降この感じで頑張ってくれたらいいなと思う。悔しいけど楽しかったので、そこはよかったかなと思う。最後だということは分かってはいたがそこまで考えてなかった。それがプレッシャーになってしまうから。個人もあのような結果で、終わってみれば寂しいっちゃ寂しい。個人戦は本当にひどい試合だったのでその分団体を頑張ろうと思っていた。自分は団体は結構やりつくした感じはあったので、悔いがあるとしたら2試合目で最後までしっかりと自分が取りきれなかったこと。他はまあ楽しくやれたと思う。(明治での4年間を振り返って)他の大学に入る道もあったが、やっぱりそれは明治を選んでよかったなと思う。今のチームメイトもすごく良い子たちが多くて楽しくできたと思うので満足している。家族には今までフェンシングをやらせてくれてありがとうと伝えたい。監督はいつも練習に来てくれたり、今までそんなに先生とか監督に自分は接したことがなくて今の長尾監督には本当に本音で話せるし自分の気持ちも本気で言えるので、悩みとかも聞いてもらったこともあるのでそこも悲しい気持ちはある。あと後輩には本当に頑張ってほしいという気持ちが強い」

奥村
「(4位という順位について)最低でもベスト4には入りたかったので、一応最低限の目標は達成したっていう感じ。(準決勝の日大戦)最初ノン・コンバット(対戦無意欲試合)の次古俣で、マイナス3だったと思うけどそこから冷静さが欠けてたかなってのがあって、もうちょっとゆっくり、一歩一歩丁寧に試合展開を進めていくべきだったなと反省している。(法大戦の敗因)今までリーグ戦とかも含めて戦ってきた中では一番競っていた試合ではあったけど、中盤のところでチームスコアをプラスにできなかったことが大きな敗因なのかなと思う。自分が3試合ともマイナスしてしまったのが一番駄目だった。お互い支え合いながら取られても次誰かが取ってくるっていう試合展開が中盤まではできてたけど、最後はその展開に持っていけず、ずるずるマイナスが続いてしまった。(日大戦の試合後どういう気持ちで法大戦に向かったか)日大戦は考えてないわけじゃないけど、試合展開が早かったので、もし失点をしてもしっかり冷静さを取り戻してまた一から試合を作っていくってことだけは一番心掛けた。(法大戦の対策)3人とも共通して村上選手の足突きが特に苦手だったので、それを簡単にもらわないために近い距離でずっといるってことはしないでおこうとは一番に言っていた。(法大戦後涙を流されていました)4年間の色んな思い出が溢れ出たのと、今のメンバーで団体を組むことができないのかと思うと涙が一瞬ぶわっと出てしまった。(古俣選手、上田選手の活躍ぶりをどう見ていましたか)高校のときから2人ともビックネームというか、すごい成績を残しているので、大学でも例えばベスト8に入るのは当たり前だろうみたいなプレッシャーがある中で2人は頑張っている。でも最近多分本人の中でも満足がいく結果が得られていないと思うので、来年こそは自分の中で立てた目標を達成できるように応援したいなと思う。(引退について)全日本は個人団体とも出ないと決めていて、今回で完全に引退という形になる。団体は新メンバーでの公式戦の前の試合となるので、しっかりと古俣を筆頭に課題も色んなことを見つけてほしいというか、リーグ戦に向けて新メンバーで頑張ってほしいなと思って今回は辞退させていただいた。(後輩に伝えた言葉などはありますか)一日一日の練習を100パーセントで頑張ってほしいなと思う。つらいこともいっぱいあるとは思うけど、それを乗り越えることで自信にも結びついて。試合でもつらい場面もいっぱい出てくると思う。そういうときにあの練習を乗り越えてきたんだから大丈夫っていうふうに気持ちを持っていくことができると思うので、辛いことも色んなことを頑張ってほしいなと思う。(4年間を振り返って)感謝の気持ちでいっぱい。最初入部当時はマルシェ、ロンペからできないような状況で入部してきて、今こうやって古俣、上田と準決勝戦えてるっていうのは先輩や後輩含め本当に全ての人に感謝の気持ちでいっぱいです」

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