インカレ準V!夢舞台の戦闘劇/全日本学生選手権

射撃
1999.01.01
 まさに、ドラマだった。チームがこの1年間インカレ優勝に向けて燃えてきた思いが、ここに表出していた。

 今大会初日、二日目を終え2位と17点差をつけて1位。このまま残る3人が普段通り撃てば優勝は確実と思われた。しかし… 三日目、AR(エアライフル)部門の得点株・大和田(商3)がまさかの失敗。さらにSBR(スモールボアライフル3姿勢60発)部門の三島(法2)も襲い掛かるプレッシャーに負けてしまった。立ちこめる不穏な空気…。気が付けば、1位と13点差をつけて2位に転落していた。全ては最終日のSBR(スモールボアライフル伏射60発)部門の松下主将(農4)に託されることになった。13点差はとても一人では簡単に覆すことはできない大差。松下主将に押し掛かる責任の重さは計り知れない。だが松下主将はどんな苦難であろうとも決してあきらめることはなかった。それは主将の後ろで見守る部員達も同じだ。全員が、勝利を祈っていた――。

 結果は6点差で2位。あと一歩、優勝に届かなかった。悔しさが残る。しかし「この1年自分達がやってきたことに後悔はしていない」(松下主将)。血眼になって戦い続けてきた1年間は、チームにすっきりとした達成感を与えてくれていた。

☆裏話☆ 閉会式後、駐車場で行われたミーティングでの出来事。部員達は整列し、今大会で選手引退となる4年生が一人ひとり前に出て部員達に言葉を掛けていく。そして最後の松下主将まできた時だ。どこからか歌声が聞こえてきた。「♪いくつもの日々を越えて、たどり着いた今がある」――ゆずの『栄光の架橋』。車のスピーカーから大音量で流れ出た音楽だった。その時のチームの思いそのものを歌ったこの音楽。あまりのタイミングの良さに、感動と同時におかしさが込み上げてきた。