女子エペ 個人は全員がインカレ出場を決める 団体は惜しくも4位/関東学生選手権

フェンシング
2016.10.15
 上位校の壁を打ち破ることはできなかった。関カレの3日目。この日は男子サーブル団体、女子エペ団体、女子エペ個人が行われた。男子サーブル団体は優勝した中大に敗れベスト8に終わるも、インカレの出場権を獲得。上位進出が期待された女子エペ団体だったが法大、早大に敗れ惜しくも4位という結果になった。そして、女子エペ個人ではベスト8の古俣潮里(政経3=新潟)を筆頭に出場した5人全員がインカレへの切符を手にした。

<男子サーブル団体>
 王者の壁は厚かった。初戦の青学大に快勝し迎えた2回戦の相手は、第1シードの中大。「(敗因は)普通に実力差」(島田義人・営4=鳥羽)と1セット目からリードを奪われると、その後もじわりじわりと差を広げられ29―45と圧倒された。長尾康司監督も「1部の上位校と2部に落ちたチームとの差が結果」と淡々と試合を振り返った。次の舞台はインカレだ。「とりあえず1勝は絶対したい」(島田)。敗戦を糧にインカレでの勝利を目指す。

<女子エペ団体>
 インカレに向けて、課題が浮き彫りとなった。2回戦に辛くも勝ち、準決勝では法大と対戦。明大は調子の上がらない奥村美咲(理工4=北陸)に代え、好調の森本菜月(農1=岡山大安寺中等教育学校)を投入した。しかし、3セット目に逆転を許すと、5セット目には9得点を許すなど法大の勢いを止めることができない。「あんなに差が付くとは思わなかった」(長尾監督)。26―45と大敗を喫し3位決定戦に回った。3位決定戦の相手は法大と同じくリーグ戦で黒星をつけられた早大。奥村がメンバーに戻り迎えた試合は、4セット目の途中で6点差が付くなどまたも苦しい展開となった。5セット目に奥村が気を吐き、一時は3点差まで詰め寄るも点差を縮め切ることができない。6点差で迎えた9セット目に入ると、古俣が盛んに相手を攻め立てる。しかし、カウンターを決められ「攻めているのにポイントが入らない」(古俣)と逆に点差を広げられてしまう。そして9セット目が残り30秒を切ると、古俣が怒涛(どとう)の8連続得点で追い上げを見せる。しかし最後は同時突きにより万事休す。38-45で敗北し「自分たちの弱点を知っているのに自分たちは相手の弱点を明確に分かってないというところが、勝てない大きなポイントなのかなと思う」(奥村)と、2試合の敗因を振り返った。トップ3の3校との実力差と、自身の課題が存分に確認できた試合だった。それを克服しインカレでの雪辱を果たしたい。

<女子エペ個人>
 関東を制することはできなかった。13日の結果を受けベスト16に4人を送り込んだ明大。上田果歩(理工2=伊那北)は明大の先輩である古俣と対戦した。「落ち着いていつも通りできていた」(上田)と、序盤は互角の勝負を繰り広げる。しかし2セット目、古俣が一気に畳み掛け7連続得点。マッチポイントを握った。そして3セット目、開始34秒突きが決まり試合終了。同校対決を制した古俣がベスト8進出を決め、インカレのシード権を手に入れた。初のベスト4を懸け準々決勝に臨んだ古俣。相手は今大会優勝を飾った黒木(日大)だ。1セット目を6―6で終え2セット目に入ると「突けるところを全部突いてきた」(古俣)。11―15と王者の強さを見せつけられた。「やはり優勝を狙える位置にいたかった」と、古俣は悔しさをにじませた。

[前田拓磨]

試合後のコメント
長尾監督

「残念だったね、女子エペ。3位までには入りたかったけども、法大との試合はあんなに差がつくとは思わなかったけど、結局9試合やるから、一人2本くらいで9×2で18か、結局計算上では18本くらいは差がついてしまう。残念だ。早大との試合は、ここもちょっと最後点差が開いてしまったけども、基本的に一人2本くらいの差だったね。メンバー的には拮抗しているメンバーだが、大学での環境というか練習内容というか総合的なものだと思う。法大も早大も選りすぐりのメンバーばかり。3人が3人とも高校の時の戦歴を3人とも持っているという。(法大戦での森本の起用について)その前の専大との試合で、奥村の動きが自分自身納得のできない動き、他の二人がカバーしてくれたが、本来ならばもっと奥村は接戦にならないような試合展開に持ち込める子だが、当たりが悪くて結局あの子の前で離したけれども追い付かれてしまったと。ちょっと動きが固かった。本人もどこがなんだか分からないと言って、その後一生懸命模擬の試合、ファイティングをしながら調整しようと試みたんだけども、どうも勘が戻らなくて相手の出際に出れるんだけれども、本当にワンテンポ遅れてしまって、相手に突かれてしまって自分でちょっと自信をなくし気味になっていたので、森本を使ったと。(個人戦のエペについて)ベスト16に4人入ったというのが、相当久し振りだと思うので、結果的にそこで勝てたのは一人しかいなかったけど、森本は1年生だからちょっと楽しみ。来年以降、古俣、上田、森本と。(男子サーブルについて)優勝した中大にね。どうしてこういう優勝するチームと2回戦で当たってしまうのか。参加する学校の絶対数が少ないので、シード順に振られるとどこかで必ず優勝もしくは決勝まで行くチームと当たらざるをえないので。でもみんな思っていた以上の試合内容ではないと思う。割りと食らい付いていたと思う。本当にちょっと差の積み重ねで差がついたが、サーブル2部に落ちてしまったので、1部の上位校と2部に落ちたチームとの差が結果だと思う。そのうちの一人、4年生が卒業してしまうので、来年補強する選手もサーブル出来る子だから、新しいメンバーで頑張りたいと思う。(安藤の試合について)青学大も2部では下位にいるチームなので、5本取れたのは自信になったと思う。ただ、まだ同レベルの学生とやると、ああいうスコアにはならない。野球部出身で半年しかまだやっていない中で、経験という意味で。(月火と試合が続いていくが)月曜日は男子エペ。女子サーブルは出ないから、男子エペ。ただ三浦がね。Wカップに選ばれて行っているので、三浦抜きでやるが、3年生の道脇が出るはずだから、いい試合はしてくれると思う」

島田
「(中大戦の敗因)普通に実力差。実力的にも正直厳しいとは思っていたので、そこはインカレもあるし少しでも実になる試合ができたらいいと思っていた。(チームでの戦略は)結局試合は団体戦とは言ってもその場で試合するのは一人ずつなので、自分が全力出すだけだと思っているので、そこまで戦略とかはサーブルにはなかった。(サーブル団体でのインカレ出場への意気込み)団体は、とりあえず1勝は絶対したい。関カレみたいに甘くはない、インカレの方が多分厳しい試合になると思う。1回戦は落とさないようにして、2回戦もどこと当たるかわからないけど勝てるようにこれから練習していきたい。(インカレに向けてどのような練習を積むか)やっぱり基礎体力付けるのは無理なので、相手の癖とか見て楽に振れるようにしたい」

奥村
「(個人戦は鈴木穂波選手とでしたが試合を振り返ってみて)情けない試合をしてしまったなというのがあって、自分的に相手のフレッシュだったりファントだったりがすごい怖いと思っていて、最初は、距離は取ろうということで一応距離は取れていたが、4-3になって自分が簡単に出ちゃって5-3になってそこからずるずるいった。見合っている距離も近いし、出るタイミングも相手が全然崩れてない状況で出てしまったりとか、全てにおいて駄目だったと思う。そういう流れに持っていってしまったのも、その脅威のアタックやフレッシュが怖くて勝ち急ぐというか、やられる前にやってしまおうという気持ちが少し大きくなりすぎてそういう流れになってしまったので、次インカレもあるのでもしまた当たる機会があったら、次こそ大げさに言うと1-0で勝つ感じでもいいので、我慢して我慢して相手も我慢できず出てきたところをしっかり自分の得意なところで取っていきたいなと思った。(団体戦を振り返って)実力としては特にトップ3の大学の選手たちに比べて確かに実力が足りないというのもあるが、プラスアルファであっちは自分たちの弱点を知っているのに自分たちは相手の弱点を明確に分かってないというところが、勝てない大きなポイントなのかなと思う。いろいろ昨年から3人でやってきて今年で2年目だが、最初から大きな点差で突き放されないということを目標にいつも心掛けているが、それを心掛けてもずるずると相手のペースというか、相手側の点数が重なっていく試合になってしまうというのはやっぱり自分たちの実力だったり、技術的な作戦不足なのかなというのを改めて今回思った。(3決の早大戦はかなり粘りも見せていました)自分が2試合目の才藤歩夢選手とで大きなマイナスしなかったのは自分の作戦というよりは相手のミスをついたという感じだった。最後3点か4点まで縮めて、練習試合で1回早稲田とやった時に5点くらいマイナスの状況で最後古俣と才藤歩夢選手に回した時に勝てた時が練習試合であったので、最高でも5点差というのは頭にあったが、自分にとっての最後の試合で古俣や果歩ちゃんにちょっとでも点差が少ない状況で回したいという気持ちが大きくて、大事だがそれが空回りしてしまったというか、ちょっと無理しすぎたというのがある。挑戦するのはいいが、挑戦してみて無理そうだなと思ったらもうちょっと時間をかけてやったりとか、もう少し試合運びを考えられたのではないかなと反省している。(チームの戦い方としては)昔よりは自分たちが失点したり、少し点差が離れてきたなという時に考えなしにいっちゃうことは、昔よりはなくなったなというのは唯一良くなった点ではある。本来自分たちの作戦としては一試合一試合プラス1で回そうというのが目標というか理想だが、それが全くできていない。プラス1できる試合運びを、もし実力が自分より高い選手相手でも団体ならプラス1で回すことができると思う、個人戦とは違って。相手もプレッシャーがかかっているし、自分たちもそうだが、可能性がある試合なので、そこでプラス1で回せる試合運びができるようになったら自分たちも表彰台に上がれる可能性も今よりは見えてくるのではないかなと思う。(インカレに向けて)個人戦としては今回初めて16に入って、いつも16懸けで負けてしまうというのがあって、今回はプール戦の結果が全勝できたというのも大きいですが、全勝できれば16に進出する可能性は高くなるというのが今回ですごく分かった。とりあえずインカレのプール戦はシード選手とかも全員プールに入ってくるのでプールに1人間や2人は明らかに自分より実力が高い選手もたぶん入ってくると思うが、5本勝負なのでしっかり粘って勝って全勝して、最低でも16に入ることを目標にして今回逃してしまった8入って、最後なのでもっと上を目指していきたいなと思う。中身としては今回の8懸けの試合のような悔いの残るような試合で終わることなく、もし負けたとしても全て出し切れた、これだけやったんだから負けても仕方ないと思えるような負け方ができたらなと思っている。団体戦は課題である相手の弱点をもう少し明確にして、技術的な作戦をもっと練りこんでから試合に挑みたいなと思っている。女子の中だけでなく男子の意見も聞いてみたりとかして視野を広げるじゃないが、女子だけだと見えてなかったところが上からとか応援の身として見ている人の方が見える部分も大きいと思うので、男子とかの意見も取り入れながら最後は優勝したいなと本当に思っている」

古俣
「(個人戦)3回戦で上田と当たって、練習の時は、15本勝負はあまり私の方が勝率がよくないので少し頑張った。練習の時に考えた彼女の弱点とか彼女が私のことをどういうふうに考えているのかというデータがあったので、絶対にリードしても油断しないようにしっかり勝とう勝とうとしてやった。上田にはちょっと悪かったが、しっかり勝てた。一本一本今はこうなっているからこう出てくるかなとか考えながら、作戦立ててやれた。(今回優勝した日大の黒木さんとの試合は)いいリズムを持っていって冷静にはやれたと思う。ただ、試合後にいろいろな人に悪くはなかったと言われて、実際私自身も自爆というかいつもより攻めて、攻めてやられてというのはなかったので悪くはなかったと思うが、黒木さんが強かった。黒木さんは今日すごくよくてミスを1回もしないで突けるところを全部突いてきた。でも私のポイントが入らなかったとか、少し手を引いてしまっただとかの小さなミスが重なってあの点差になってしまったと思う。相手も強かったし私も未熟な面があったなという納得している負け方。シードは取れたしインカレも行けたが、やはり優勝を狙える位置にいたかったなと、去年も8位で終わっているからそこは越えたかったなと思うし残念には思う。内容はそんなに悪くはなかったので、悔しいけどそこまでという感じ。(団体戦)ダメだった。専大戦はしっかり勝てたのでよかったが、法政戦でそれまでの淡々とした冷静なフェンシングというのが途中からできなくなってしまって、攻めているのにポイントが入らない。それでツボに入ってしまうというような感じだった。そして早稲田戦でもそれがずっと出てしまって、後輩にも先輩にも申し訳ない。もう少し突けるところでしっかり突くようにしたい。いろいろな原因があるがたぶんメンタル。突きたくて、突きたくて体が出てしまって大振りになってしまって、ポイントが付かなくてまた焦って突きたくなってしまう、というのがずっと言っているのに土壇場になると踏みとどまれなかったり、3分間使えなかったりというのがあってまたやってしまったなという感じ。早稲田戦で途中までよかったのは奥村先輩と果歩が相手は格上だけどプラスマイナス1だったりとんとんだったりで、回してくれて、私がそこでしっかりプラス2とか3をして帰ってきていたらたぶん勝てたと思う。でもそれができなかったというのが敗因。私が突きたすぎたなという感じで、それは申し訳ない。インカレの前に私は遠征が一つ入っているので、まずはそこに向けて今日の個人戦でのいろいろなミスを修正して臨みたいと思う。インカレは、今度はプールからあるので、しっかり本数を取って一本一本取っていって、精度の高いフェンシングができればいいなと思う。いくところはしっかりと思いっきりいって突いて、つまらないミスとかをするのではなくチャンスをしっかりとものにできるフェンシングをしたいなと思う」

上田
「(個人戦)昨日から緊張と関カレという雰囲気で少し動きが固くなってしまっていて、勝ててはいたが納得のいくポイントも少なかった。今日の古俣さんとの試合に入って、最初の方は落ち着いていつも通りできていたが、少し取られてリードされたときに焦って自分の悪い癖が出てしまった。最後の方に持ち直したが、向こうが14点取ってからだったのでその切り替えがうまくできなかったのが古俣さんとの試合の敗因かなと思う。古俣さんはそんなに得意なタイプでもないし、いつも一緒にやっている分お互いにだけど手の内が分かっている。練習の時もその時の調子がいい方が優位に立つというような感じなので、今日は私の小さいミスが目立って古俣さんのペースにされてしまったと思う。(団体戦)複雑ではあるが、私個人としては悪くはなかったと思う。いつも団体戦は私が固くなって点を取れなくて、割と私がマイナスな方に引っ張っていってしまう。でも今回は団体の割にしっかり動いて取れるところで取ってというプランはできていたと思うし、そこは自分としても満足している。でも、最後から2番目の回りはチームの点を左右するというか、もう少し私に得点力があれば専修大学との試合ももっと楽に勝てただろうし、法政戦ももっと古俣さんにだけ負担をかけずにできたのかなと思う。最低限の仕事をやるというだけでは明治が勝つためには一歩足りないかなと思う。中回りで私が一本でもプラスして流れをつくれたら、もう少し明治の流れになっていたかなと思う。インカレは、私は個人では去年出ていないので、関カレでベスト8に入れなかったので入賞を第一目標にしたい。あとは、今回自分のやりたいことが固くなってできなかったのでそれをしっかりやって、それに結果が付いてきて最低限入賞できればいいなと思っている。団体は、去年は初戦を勝って2回戦目でもう法政と当たって早々に負けてしまったので、2回戦勝ってまた今回みたいに準決勝にいきたいなと思う」