男子フルーレが大健闘でインカレへ 女子エペは4人がベスト16進出/関東学生選手権

フェンシング
2016.10.14
 充実の2日目になった。男女フルーレ団体、男子サーブル個人、女子エペ個人が行われた2日目。フルーレ団体は男子がベスト8に入り、インカレ出場権を獲得。専門選手の多い女子エペでは奥村美咲(理工4=北陸)、古俣潮里(政経3=新潟)ら4人がベスト16に残った。男子サーブルでも島田義人(営4=鳥羽)が1回戦を突破し京都への切符を手にした。

<男子フルーレ団体>
 強豪相手に一矢を報いた。2回戦の相手は、今大会団体優勝を果たした法大。序盤から点差を空けられ、6セット終了時には16―30まで離されていた。そこで気を吐いたのがルーキーの久米春貴(営1=愛工大名電)。7セット目、一挙9点を獲得し差を詰めると、それに呼応するかのように道脇啓太(営3=熊本県立翔陽)が奮戦。スキを逃さない攻撃で8点を挙げ、最終的に35―45にまで迫った。負けはしたもののその奮闘に長尾監督も「超一流のトップ校との差を考えれば善戦した」と高評価を与えた。

<女子フルーレ団体>
 インカレ出場の望みがついえた。リーグ戦で勝利した東女体大との半年ぶりの再戦。しかし今回は序盤から森本菜月(農1=岡山大安寺中等教育学校)がつまずき、反撃できないまま5点を奪われる。その後もこちらの傾向を熟知した攻撃が簡単に逆転を許してくれない。古俣が最終9セットで7点を挙げるも反撃及ばず、45―32で敗北を喫した。試合後「今回エペに力を入れていて、1年生もフルーレにほとんどノータッチのままきてしまった」(古俣)と敗因を分析した。

<男子サーブル個人>
 長いリーチから繰り出す、意表を突く攻撃。島田の持ち味が存分に出た2戦だった。1回戦を危なげなく勝ち抜き、2回戦で当たったのはシード1位の白井(中大)。「運が悪かった」と嘆きつつも、最初から全力で応戦。終盤には体力がもたず7-15で敗北したが、男子サーブル主将として、また唯一のサーブル本戦出場者として遜色ない戦いぶりを見せた。

<女子エペ個人>
 上位進出の期待に見事応えた。出場した5人全員が本戦に出場し、そのうち4人がベスト16入り。初めての関カレとなる森本は2回戦でジュニア日本代表入りを果たした和田(慶大)と対戦した。本来はフルーレ専門である和田に対し中盤まで大量リードしていたが、相手も歴戦の猛者。ラスト1分で単独5失点という猛烈な攻めを受け14―14まで持ち込まれる。しかし、強みである冷静さはあくまで崩さず。最後は「観客席で先輩が思い切っていってみって感じの声かけをしてくれて」(森本)と背中を押されて突き出した一本が強烈に決まった。劇的な勝利は成長をも促す。試合後「最後のところで思い切っていけたのは今までの自分ではできなかったなって思うので、自信になった」(森本)と語る姿は、さらなる躍進を期待させた。
 古俣は3分と30秒で15点を取る早業で2回戦を突破。しかし14日に迎える3回戦の相手は後輩である上田果歩(理工2=伊那北)。早い段階での同士討ちに戸惑うものの「高校生の時から知っているし、その時を思い出して、油断をせずに」と気合を入れ込んだ。

[三ツ橋和希]

試合後のコメント
長尾監督
「男子フルーレは2部だけど、来年のリーグ戦で1部を懸けたて争う同じ2部の専大、僅差だけど勝てて良かった。(2回戦の王者法大戦について)いい試合だったね。途中までが本当に競っていたから、最終的には10本差の35―45だったが、超一流のトップ校との差を考えれば、善戦した方だと思う。(女子のフルーレについて)女子のフルーレについては、人数が少なく練習していなくて、エペ中心で練習してきたので、フルーレはあわよくばと思ったが、フルーレの動きができなくて残念な結果になってしまった。(女子のエペは4人がベスト16に進出したが)喜ばしいね。ベスト16で本当は喜んではいけないだろうが、明大の女性の歴史と入ってきた時のキャリアを考えれば、良く頑張ったと思う。古俣と上田はそれは当然だけど、次に当たるからね。もったいないけど、どちらかがベスト8になるからそれはよしとして。次もう一つ森本、奥村にも頑張ってもらって。今度当たるのはシード選手だから胸を借りるつもりで、思いきってやって悔いの残らない試合をして欲しい。(森本の2回戦について)いいね。相手は慶大のフルーレ専門とはいいながら、ジャパンの代表になった4年生の選手だったから、非常に大金星に近い。(最後は14―14から一突きで試合を決めたが)あそこは度胸があったし、思い切りがあって、非常に将来が頼もしい。勝負度胸もあるということだしね。怖いけど、思いきって突っ込んでいったということは。(男子のサーブルについて)サーブルはやっぱり練習環境がね、3人でしか練習していないから、なかなか他校の上位校の強さが肌をもって感じていないから、ここで3人だけの練習の限界が出たかなと。キャプテンの島田は頑張ってくれたけども、16懸けで第1シードの中大のシード選手に負けてしまったけども、インカレで頑張ってもらいたい。インカレの出場権を取ったから頑張って欲しい。あと鈴木は残念だったね。予選負けがね。安藤は高校野球部出身でキャリア半年だから、とりあえず経験を積むと。将来に期待ということ。(明日について)ベスト8に16に残った内、半分の二人は出て欲しい。一人はお互いやるから必ず残るけども、あと一人頑張って欲しいね。古俣については、決勝までは行って欲しいなと思う。(団体の女子エペについて)女子のエペはどっか勝ち上がってきた所とやるので、そのあとが法大かな。去年負けているから雪辱したい」

島田
「予選はそんなに悪くなかった。運が悪かったのはあるけど予選自体は悪くなかったし、トーナメントも普通にやれた。ただ基礎体力をもっとつけておけば、もう少しいい試合はできたかなと思う。(トーナメント1回戦は)あの試合も普通に自分らしくやって、相手の癖が結構最初の方で分かったので、楽に取れるところは楽に取ろうとやっていたので、あの試合はよかった。(2回戦は)自分の基礎体力不足で負けたという感じがある。最初から全力でいったけど、最後ばててしまったので、もう少し基礎体力をつけるのと、あとはもう少し無駄な体力を使わずに楽に取れるようにしていきたいなと思う。(ベスト32)不運はあるけど、勝負ってそういうもので仕方ないかなと。トーナメントでシード1位の白井と当たったのも仕方ないかなと思う。(インカレまでの課題は)基礎体力つけるのはもう無理だと思うので、相手の癖を見て楽に点を取ることを心掛けて臨みたいと思う。(明日の団体戦に向けて)青学は普通に勝てると思っているのでそこは抑えて、中大は正直厳しいと思うので、やれるだけやる」

古俣
「(フルーレ団体で、以前勝った東女体大に敗北)以前は私はエペ専門なんですけど、1年生の2人が結構フルーレを練習してくれて良かったんですけど、今回エペに力を入れていて、1年生もフルーレにほとんどノータッチのままきてしまった。多分以前勝った相手だという油断もあってそれに由来する練習不足が敗因だった。(エペ個人戦、明日の初戦が上田選手との対戦となるが)あまり余計なことは考えずに、以前は彼女とも明大関係なくやった相手だったので、高校生の時から知っているし、その時を思い出して、油断をせずに。明大同士ということでデータはあるからそれを上手く使って後輩だとは思わずに勝ちにいきたい。(エペ団体戦の目標は)優勝目指していないと目の前も勝てないから、最終的には優勝を目指して、目の前の一試合一試合きちんと勝っていくことをいつも念頭に置いている。(エペ個人戦は好調で勝ち進んでいるが、全体の雰囲気としては)私と上田が当たってしまうのがちょっと申し訳ないけど、全員上り調子で、森本なんか和田花子さん、慶大のものすごく強い選手だけどそれに食らいついて、最初から最後までずっと冷静で。力の差は本来ある相手なので最後にまくられたというか何点も取られてしまったってのはあるけどそれでも踏みとどまって勝ったというのが彼女の中で大きな糧になったと思う」

森本
「(フルーレ団体の敗因)ちゃんと戦術を組み立てることができてなかったのがあって、開会式から試合までにすごい時間が短くて頭を整理せずに試合に臨んでしまったのがまず駄目だった。最初は私5ー0で負けてしまって、時間はいっぱい使えたけど何とかして1本2本取っていれば変わったのかなと思う。(個人戦、和田選手との試合)あれだけ点差があって、詰められたのは反省すべき点だけど、自分の強みは冷静に試合を運んでいけることだと思ってるので、どんなときでも冷静にしようという気持ちがあった。観客席で先輩が思い切っていってみって感じの声かけをしてくれて、自信持ってそこは立てていこうかなと思って思い切っていった。(試合後、監督とした話は)ああいう試合を終わって自信になっただろうということを言っていただいた。(自分自身としては試合後どう思ったか)結構自分がリードしてる中で追い上げられたのは本当に反省点っていう収穫で、最後14ー14の一本勝負で、しかも1分の最後のところで思い切っていけたのは今までの自分ではできなかったなって思うので、自信になった。(明日への意気込み)年上の先輩にはなるけど、一回はやったことある先輩なので、しっかりやったことを思い出して一本一本冷静に取っていきたいと思う」