成長を感じさせた夏 夏山合宿全行程を完遂/夏山合宿

山岳 2016.09.30
 標高の高い山々が連なる南アルプスでの夏山合宿を無事登頂した。体力強化を目標に行われた今回の合宿だが上り下りの多いコースに苦戦。しかし、経験も多い上級生が先導し7人全員で歩き切った。また、1年生は食事当番など与えられている仕事をミスはあったが全日時間内に終えるなど成長を感じさせた。部の最終目標である冬山決算合宿へ向け確かな収穫を得て充実した夏山合宿を終えた。
 
 上級生が意地を見せ夏山合宿10日間を乗り越えた。昨年より短い日数で行われた今回の合宿だったが上級生が中心となり無事全行程を完遂。1年生よりも8kg重い荷物を持った上級生が技術面、そして精神面でもけん引した。しかし、全てが順調ではなく途中脱水症状の部員が出るなどトラブルも発生。染谷智成(文2=小田原)は「自分たちがもっとしっかりしなければ」と反省を口にした。また、登山途中に滑落者に遭遇。山の恐ろしさを身に染みて感じ隊全体の雰囲気が引き締まった。危険も多く不安も大きいが冬山に向けて好材料も見つかった。2年生コンビは先を見据えて「来年からは自分たちが上になるのでリーダーシップを取っていかなければいけない」(小清水健人・農2=韮崎)と頼もしく成長。宮武尚史主将(農4=琴平)も「夏山を終えて心強いメンバーが増えた感じ」と2年生に期待を寄せている。そして最終目標達成のためさらなる飛躍を誓う。

 4人の強みで登り続けた。今年の1年生は例年より多い4人。上り下りの多い厳しい南アルプスを4人は声を掛け合いながら登頂した。小池龍一(法1=飯田)は「1年で協力し合うのは大きい」と同学年との支え合いを今回の合宿成功の理由に挙げた。しかし、合宿の目標であった体力強化の面では「まだまだ足りていない」(小池)と冬までにさらなるレベルアップが求められる。また、新人合宿で課題として挙げられていた食事当番では火の通り具合などミスは出たものの時間内で全ての行程を終了。「とりあえず時間内に終われたのはよかった」と佐藤麟太郎(法1=明大明治)は一定の成果に手ごたえをつかんでいる。合宿を終えた後も歩みを止めず「冬山は夏山よりも厳しいのでもっとレベルアップをしていかなければいけない」(小田英生・農1=琴平)。冬山はさらに厳しい。決算合宿まで時間は決して長くないが「先輩に頼るだけでなく自分たちが少しでも支えられるようになりたい」(小田)ともう前を向いている。これからの山岳部を背負っていく4人の姿に目が離せない。

 2年連続冬山決算合宿成功へ。昨年は3年ぶりに冬山登頂を果たし今年は連続踏破に期待がかかっている。体力面ではまだ全員が万全という訳ではない。また「冬山は気を抜くと命取りになってしまう」(高橋大夢・営1=都立向立)とラッセル(雪をかき分けながら進むこと)を強いられ、荷物の重量も増えるため過酷さはさらに増し危険もついてくる。しかし「春の時より確実に成長してきている」と小田が言うように1年生も頼もしくなってきている。経験豊かな頼れる上級生にチームワーク抜群の新戦力も加えた山岳部は最終目標達成へ残された時間を歩み続けていく。

[東後太一]

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