男子団体連覇逃す 入賞者も現れず/全日本学生選手権

弓道 2016.08.12
 男子が57年ぶりの団体連覇を果たすなど明大勢が活躍を見せた昨年の全日学。だが今年は存在感を示すことは難しかった。男子は、予選を17中で通過するも決勝トーナメント3回戦で日大に4中の差をつけられ敗北を喫した。女子は、思ったように調子が上がらず7中と決勝トーナメント進出はならなかった。個人では男女合わせて11人が決勝射詰に挑むも入賞を果たすことはできなかった。

男子部
 王者の貫禄を見せつけることができなかった。今大会で男子団体は予選で17中を記録し3位タイで予選を難なく通過。シードを獲得し決勝トーナメント2回戦から登場した。「普段通りテンポを崩さず引けた」(川久保虹弥・政経1=鹿沼東)と相手の日経大の速いテンポの射に惑わされず確実に当ててゆき、17中対15中で2回戦を突破。だが、流れそのままにというわけにはいかなかった。続く3回戦では日大と対戦。先日行われた大学選抜で準優勝の近大を倒し勝ち上がってきた日大の安定感に及ばなかった。15中対19中と圧倒的な差をつけられ男子団体の三連覇の夢は消えた。「(今大会で高的中が出なかったのは)今の明治の実力」(佐藤崇仁主将・理工4=成田)と昨年の団体戦メンバーである柿崎雅哉(平成26政経卒)や菅義隆(平成26営卒)の卒業は現在の男子部に大きな影響を与えている。「部を引っ張っていく存在」(佐藤主将)がほしいところだ。
 今大会は今泉博貴(理工3=芝浦工大属)と小林太一(理工3=玉龍)、藤井大幹(営3=東農三)の3年生中心のチーム編成であった。そのため今後結果を残していくためには彼らの頑張りも欠かせないものとなっていくだろう。
 男子個人戦には団体にも出場した今泉、藤井、行武大樹(農4=福岡大附大濠)に加え小林真幸(営4=匝瑳)の4人が臨むも八寸まで勝ち残ることができず入賞にすら手が届かなかった。「夏合宿からやり直して全員でやっていければと思う」(藤井)と一から立て直しリーグ戦に向け再調整を重ねる。

女子部
 今季公式戦でまたしても予選敗退となった。6月に同場所で行われた全関東でまさかの予選敗退を経験した女子団体が全日学で悪夢を再現してしまった。「女子部全体で奮わない感じがあった」(菅渓子・政経3=松本深志)と試合前から調子は万全ではなかった。中の白川史織(営2=美原)が皆中するも大前の佐久間香名(政経2=水戸桜ノ牧)、落の菅の射がうまく当たらず7中と的中を伸ばすことができず予選落ちと昨年のベスト8から大きく落ちる結果となった。個人戦には7人が出場。森あずさ(農3=神奈川総合)、長江実咲(農4=市川)が尺二射詰を5本成功させ八寸の的に挑戦。だが、1回目で抜いてしまい惜しくも入賞することはできなかった。
 今ある課題を克服することが最優先だ。「一年を通して安定しない」(菅)というように試合ごとに調子の波が顕著である。6月から8月の短期間であっても選抜の時のように予選突破するときもあれば、悔しい結果に肩を落とすこともある。秋にはリーグ戦が控えている。現在2部リーグに所属しているが、「リーグで1部に上がることができるよう頑張りたい」(佐久間)。公式戦で得た収穫や反省を生かし、1部復活への道を歩む。

 今季の公式戦は3つ終わり、残すは秋のリーグ戦となった。男子は1部で優勝、女子は2部から脱却し1部昇格を目指す。リーグ戦に最高の状態で臨むため気持ちを切り替え調子を上げていく。

[花岡桃]

試合後のコメント
佐藤主将
「去年の団体のメンバーが二人卒業したので、二人そろえればな、と言うところだったがその中の二人もあたらなくなってしまい、結局去年の経験者は今泉しか残っていない。経験不足を痛感したが、あのメンバーが今の明治のベストメンバーなので采配面での悔いはない。(今大会で高的中に及ばなかったのは)今の明治の実力。部を引っ張っていく存在が少ないので総力戦になっている。そうなると高的中は厳しい。アベレージ的に上げた安定した射はできるが、19中20中を出さなければいけない世界においては戦力が乏しかった。今シーズンの最初から三連覇を目標にしてきた。できる自信も多少なりともあったので、悔しかった。今、日大の方が実力が上なので日大を倒さないとリーグ戦でも勝っていけないと思った。今後もチーム力と全体の底上げを頑張りたい。リーグは8人と人数が多い。普段引かない選手があたることによって的中率も上がってくると思う。選手は選手で頑張ると思うが、個人的にも出ない選手にお前が中らないと勝てないと気合を入れて頑張っていきたい。(全日が終わっての目標は)秋のリーグで優勝する」

今泉
「団体戦は正直なところ実力通り。あまりみんなの調子も整っている訳でもなく準備万端というわけでもなかった。日大と当たってしまったのは運がないといえば運がないが、結果的に15中に終わってしまったので、もう実力不足。今回、頑張って練習していたが2年生の的中があまり伸びなくて戦力的にもダウンしていた。その代り3年生があたってきたので控えだった子が上がってきたが、なんとか17まではいくくらいの的中で20とかの高的中は出せなかった。最終的に4年生の行武さんとかにも頼ってしまってのこの結果だと思う。三連覇というプレッシャーも少しあった。ОBさんも期待してくれていたが期待する通りの結果を出せなくて申し訳なかった。(今回のメンバー内で唯一去年のメンバーだが)去年は4年生の柿崎さんや菅さんという絶対に外さない二人が落と自分の後ろをやっていたということもあって、チームで抜くようなイメージがなくて本当に全日までに間に合う調整ができた。それに比べて今年は不安要素がまだある状態で迎えてしまったので、今年に関して安定感はなかった。全日が終わって一週間オフがあるが、そのあとすぐに夏合宿がある。その夏合宿中に各々の欠点とかをもう半年経っているのでどこが悪いのかとかは自分が一番分かっていると思うので、夏合宿中に悪いところを直していってリーグに備えていければと思う。(個人戦は)通過した人も少なかった。今年は特に下級生。昨年は上級がある程度通って下級生もみんなあたっていたが、まだ初めだったのもあるが個人的にはもう少々通ってほしかった。来年予選通過してくれればいい。上級は上級で通らないといけないとは思ったが…去年4年生がばんばん試合に出ていたので、試合慣れしていない下級生が固定化されてしまった。それが原因なのかもしれない。(試合では)自分は1本目に抜いてしまった。団体戦と同じ抜き方をしてしまったので、この一日で直せればよかったが同じ矢が出てしまった。素直に今回は抜いたことは仕方がない。(来年のことがもう頭にあると思うが)自分が結構まとめることになると思うので、今の4年生の主将だったりまとめる人を良く見て、そこから生かしていけるようにしたい」

藤井
「(予選)周りに助けられた感があったので、トーナメントから頑張ろうと思いました。(トーナメント)2回戦は予選で足を引っ張ったので、足を引っ張らないように頑張って引きました。(日大戦)今回は3年生3人と1年生、4年生だったので、3年生で何かあったら引っ張っていこうと思っていたので、3人とも一本抜いてしまったのでそこが負けた原因だと思います。(個人戦)昨日団体戦で負けたので個人戦で勝って次につなげられるよう頑張ったんですけど、ダメでした。(修正点)チームとしてはメンバー以外の底上げ、リーグ戦が始まり当てられないと負けてしまうので、夏合宿からやり直して全員でやっていければと思います。個人としては見てて安心できる選手になりたいです。見てる側としては見てて抜きそうというか不安な感じだなと思うので、不安にさせないように頑張りたいです」

川久保
「(予選)いつも通りの力を出せればシードは取れると思っていたので、割と安心して引けていたのですが、前や後ろの方が当てられていたので自分も安心して引くことができました。(トーナメント)2回戦は相手のペースのほうが早く引いていたので、少々焦ったような部分はありましたが、普段通りテンポを崩さず引けたのでそれで勝てたのかなと思います。3回戦の日大戦がトーナメントの一番の山だと思っていたので、気持ち引き締めていったがやはり日大が安定していてちょっと明治が甘くなったところに日大の安定感に負けてしまったと思います。(修正点)チームとしては日大にあったような安定感が必要だと思います。個人としては練習と同じように無駄な力が入ったりしないように引ければもっと良くなると思います」


「団体戦を振り返って、力不足って感じがします。調子が女子部全体で奮わない感じがあったんですが、そういうときでも試合に出るからにはそれなりの的中が出せることが望ましいことだと思う。調子が悪い中でもどうにかする力がまだちょっと私には足りなかったかなというのは思います。選抜の時は結構よかったんですが、1年を通して安定しない。調子を維持していければいいんですけどその維持する力も少しなくて、皆変動が激しい。そこが問題かなと思います。今年の全関、選抜、全日と公式戦に全て出させてもらっていて、実際に試合に出て反省するところがあったりして。私たちの今年の一番の目標にしているのがリーグ戦で入れ替え戦に行って、勝って、一部に上がるというのが目標。公式戦で学んだことを自信にし、反省にし成長できたらいいかなと思います。私自身、当たるときと当たらないときの差が激しすぎるので、そこの差をできるだけ小さくして、更に平均を上げるというか、安定していい的中が出るようにしていくというのが大切かなというのは思います。今回は本当に調子が悪い中での試合だったんですが、今までの経験で当たらないと思って、自身なく引いていると結果も絶対良くならないというのは分かっていたので、自身をなくしてしまうようなところでも、できる限り矢がしっかり真ん中に当たるところを頭の中でイメージして引く。落ち着いて、緊張も大切ですけど、緊張しすぎず、少し楽しみつつ頑張れたらなと思いました。リーグ戦は総当たり戦なので、参加できるときは全て出て、ちゃんと明治を引っ張っていける存在に。三年生だからある程度心にも余裕があるはずだし、皆を引っ張っていける存在になって、入れ替え戦に行って、出場して、勝って、来年は一部でリーグ戦を迎えるというのが目標です」

佐久間
「今大会を振り返って自分の甘さが出た試合だったかなと思います。普段通りの状態に近づけることができなかったというのを改めて感じた試合だったと思います。全関で引いたときに焦ってしまって頭が真っ白の状態で引いてしまっていたので全日では落ち着いて引こうと思いました。意識したこととしては引く前にイメージトレーニングをしていて、頭の中で細かいイメージをして当たるようなイメージをしていました。前回があんな結果だったので今回は何とかしなきゃと思って臨みました。課題は緊張した場面でいかに確認してちゃんと会をもって離れられるかというのが今後の課題。緊張した場面でいつも確認していることを忘れてしまって結果、抜いてしまうということがあったので一つ一つの動作を一個一個確認していって、会が短いので会をもっと深く伸びられるようにというのが今後の課題かなと思ってます。次の大会がリーグ戦になるので、自分が緊張した場面でも自分の射をできるように、もちろんリーグで一部に上がることができるように頑張りたいと思います」

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