強豪・日大の壁を突破できず 3種目総合2位で優勝逃す/関東学生三大大会
馬術
2016.06.28
4日間にわたって開催された関東学生三大大会。初日から2日目にかけての障害飛越では明大は3位と出遅れた。同じく2日目の馬場馬術では、小林奈央(農4=日大二)と明桑が2位に入賞するものの、団体では惜しくも2位。続く3日目と最終日の総合馬術競技、中村幸喜(農3=福岡第一)が明鳳とともに優勝。しかし団体としては3位と振るわなかった。全日程を終え明大は3種目総合2位。今大会も強豪・日大に王座を奪われるという悔しい結果となった。
エースが意地を見せた。3日目から最終日にかけて行われる総合馬術。昨年と同様に中村の愛馬はスーパーホースの明鳳。中村は馬場で48.6の減点と最小限の減点でトップに立つ。そして挑んだクロスカントリー、前半はタイムを意識してスピードを出す。そして「最後のほうの障害は大事に」(中村)と、疲れの出る後半は丁寧な走行。その計画が功を奏し、減点0でトップは変わらず。続く障害でも、最終出番の緊張感をものともせず整った走行を見せ、一つも障害を落とさない。明鳳の足取り、姿勢も終始崩れることなく完璧に走り終え、見事優勝した。
予想外の展開が待ち受けていた。昨年の同大会で、初出場ながら明大トップの5位を収めた冨永弥玖(商2=科学技術学園)がクロスカントリーにてまさかの落馬。失権による1000点の減点と、その後の障害でも好プレーが見込まれていただけに、大きな痛手を負った。「いろんな面でリスクを回避できるように考えたい」(佐藤五志監督)。失権する選手を出さないことが、上位進出の最低条件となる。人馬ともに最高のコンディションで臨み、不測の事態を回避することが、団体での優勝にはまず必要だ。
小林が個人2位の成績を挙げた。「1位の日大の人馬は別格」(小林)と、強豪日大の選手が優勝するであろうという雰囲気の中で「2位には絶対なれるように」と最大限のパフォーマンスを見せた。馬場は決められた演技をし、正確さや美しさを競う競技だ。人馬で心を深く通わせ、事前の念密な調整が必要とされる。「少しでもミスをすると負けてしまう」(小林)と今大会は全体的に内容が高度で、常に緊張感が走っていた。秋に控える全日本学生大会は4年生の小林にとって最後の大舞台。「次がベストになるようにしたい」(小林)と意気込んだ。
「今回は予想外の出来事が多かった」(早稲田和歌子主将・政経4=あずさ一)障害飛越では、期待されていた中村とベノ・ファン・デ・ヘイデ、ルーキー・吉田篤史(政経1=東福岡)とフランチェスカMが決勝に進出できず、団体でも3位。「各種目の順位が予想していたよりもあまりにも低い」(佐藤監督)と全員が実力を存分に発揮できた内容ではなかった。全日本学生大会の前哨戦として重要とされる今大会で、またもや日大に優勝を許してしまった。昨年大きな敗因とされた馬不足を解消するために、各競技にそれぞれ馬は用意されたが、それでも馬の数は限られている。「馬も人もこのメンバーでやってくしかない」(佐藤監督)。全日本学生大会での王座奪還を本格的に見据えて、人馬ともに日々鍛錬を重ねていかなければならない。
[杉江夏海]
エースが意地を見せた。3日目から最終日にかけて行われる総合馬術。昨年と同様に中村の愛馬はスーパーホースの明鳳。中村は馬場で48.6の減点と最小限の減点でトップに立つ。そして挑んだクロスカントリー、前半はタイムを意識してスピードを出す。そして「最後のほうの障害は大事に」(中村)と、疲れの出る後半は丁寧な走行。その計画が功を奏し、減点0でトップは変わらず。続く障害でも、最終出番の緊張感をものともせず整った走行を見せ、一つも障害を落とさない。明鳳の足取り、姿勢も終始崩れることなく完璧に走り終え、見事優勝した。
予想外の展開が待ち受けていた。昨年の同大会で、初出場ながら明大トップの5位を収めた冨永弥玖(商2=科学技術学園)がクロスカントリーにてまさかの落馬。失権による1000点の減点と、その後の障害でも好プレーが見込まれていただけに、大きな痛手を負った。「いろんな面でリスクを回避できるように考えたい」(佐藤五志監督)。失権する選手を出さないことが、上位進出の最低条件となる。人馬ともに最高のコンディションで臨み、不測の事態を回避することが、団体での優勝にはまず必要だ。
小林が個人2位の成績を挙げた。「1位の日大の人馬は別格」(小林)と、強豪日大の選手が優勝するであろうという雰囲気の中で「2位には絶対なれるように」と最大限のパフォーマンスを見せた。馬場は決められた演技をし、正確さや美しさを競う競技だ。人馬で心を深く通わせ、事前の念密な調整が必要とされる。「少しでもミスをすると負けてしまう」(小林)と今大会は全体的に内容が高度で、常に緊張感が走っていた。秋に控える全日本学生大会は4年生の小林にとって最後の大舞台。「次がベストになるようにしたい」(小林)と意気込んだ。
「今回は予想外の出来事が多かった」(早稲田和歌子主将・政経4=あずさ一)障害飛越では、期待されていた中村とベノ・ファン・デ・ヘイデ、ルーキー・吉田篤史(政経1=東福岡)とフランチェスカMが決勝に進出できず、団体でも3位。「各種目の順位が予想していたよりもあまりにも低い」(佐藤監督)と全員が実力を存分に発揮できた内容ではなかった。全日本学生大会の前哨戦として重要とされる今大会で、またもや日大に優勝を許してしまった。昨年大きな敗因とされた馬不足を解消するために、各競技にそれぞれ馬は用意されたが、それでも馬の数は限られている。「馬も人もこのメンバーでやってくしかない」(佐藤監督)。全日本学生大会での王座奪還を本格的に見据えて、人馬ともに日々鍛錬を重ねていかなければならない。
[杉江夏海]
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