(4)関東学生三大大会 展望

馬術
2016.06.22
 復活を遂げる。10月に行なわれる全日本学生三大大会(以下、全学)での優勝を目標に活動を続ける馬術部の1年間に迫る。
 今回は6月23日から4日間開催される全学の前哨戦、関東学生三大大会直前の馬術部を4回に渡って紹介します。第4回は明日から始まる関東学生三大大会の展望です。

 再生のシーズンとなるか。近年、明大は日大に王者の座を譲り続けている。関東学生三大大会では日大を破り、5年ぶりの3種目総合優勝を果たすとともに、全学での王者奪還へのステップを築く。

 まずは障害飛越で好位置に着きたい。今大会では予選の2回走行で120cm、決勝では130cmの高さの障害を跳ぶ。中村幸喜(農3=福岡一)とベノファン・デ・ヘイデのコンビは昨秋から140cmクラスの大会にも出場しており「気持ちに余裕を持てる」(中村)と精神面で他大に一歩リードしている。注目はルーキーの吉田篤史(政経1=東福岡)。昨年、中村が騎乗していたルーナと参戦する。吉田は「かなり期待できる」(佐藤五志監督)と指揮官も太鼓判を押すだけに、上位に食い込む可能性は十分にある。
 チーム全体としてもハイレベルだ。3月末に行われた関東学生春季大会では、中障害のジャンプオフ(減点0が2人以上の場合は障害を変えてもう一度走行し勝者を決める)に進んだ3組中の2組は中村とベノ・ファン・デ・ヘイデ、冨永弥玖(商2=科学技術学園)とプライムローズMと、層の厚さを証明。今大会での表彰台独占も現実的だ。

 日大の後に食らいつきたい。馬場では日大に個人優勝最有力のコンビがおり、その座を奪うのは難しいだろう。2位以降を明大が占め、団体では日大と僅差で終えたいところだ。それに欠かせないのが昨年の全学で2位と実力を示した小林奈央(農4=日大二)と明桑。2年目を迎え「昨年よりも明桑についての乗り方など知識は付いた」(小林)とこれまで以上のコンビネーションを披露する。

 優勝の行方を左右する総合馬術。「総合は過酷」(佐藤監督)と話すように、3種目をこなせるオールマイティーな能力とスタミナが必要になる。入賞が期待されるのは中村、冨永、吉田の三人。中村は愛馬・明鳳と昨年の全学総合で優勝し、総合団体優勝にも貢献した。今大会も「自信を持っていける」(中村)と断言。エースコンビが2度目の頂点を奪う。また、昨年はルーキーながら安定した成績を残した冨永は、総合でも障害と同じくプライムローズMと挑む。「昨年との違いや成長を感じたい」(冨永)。一皮むけた姿を見せてくれるだろう。

 今年こそ、リベンジを。「とにかく悔しい思いが強い」(早稲田和歌子主将・政経4=あずさ一)。復活を誓いながらも、不完全燃焼で終えた昨年。種目ごとの馬が足りず、同じ馬を何度も出場させるなど、どの大会も万全の体勢で挑めなかった。そんな反省を踏まえ、今年は全種目で馬をそろえた。同時に、実力のある選手が4学年全てに健在。人馬ともに充実の戦力でシーズンに入る。あくまでも目標は全学での優勝だが、今大会で返り咲きの基盤をつくりたい。長年焦がれ続けた王者奪還へ、第一歩を踏み出す。

[田中愛]

次回の王政復古は、10月の全学直前を予定しています。お楽しみに!