女子8年ぶり優勝 男子は2位 /関東学生春季大会

射撃 2016.06.07
   8年ぶりの優勝を果たした。4日間に渡る今季最初の大会は女子団体1位、男子団体が2位で幕を閉じた。この結果により男子、女子共に日本学生選抜選手権への出場権も獲得。玉城弘也主将(商4=興南)を中心に、新チームが順調な滑り出しを見せた。

 女子は躍動した。小畑まゆ(国際4=園部)、時田亜也加(農4=鶯谷)、小澤綾香(国際3=笛吹)、永澤瞳(農3=栄北)の4人の上級生メンバーで試合に臨み、初日から苦しみながらも首位。中央大が最後までくらいついてきたが、最後はARで時田が耐え10点差以上突き放しての優勝となった。女子が優勝するのは8年ぶりで明大射撃部に新たな歴史が刻まれた。
この試合のターニングポイントとなったのは三姿勢だった。ここで点数を稼げるかが勝利の分かれ目となる場面で、最終番手として撃ったのは永澤。緊張しながらもしっかりと成績を残した。また、「射撃を5年間やってきていて今が一番いい」と今大会で全種目で入賞を果たした。永澤は昨年のARではいい結果を出せてはいなかったが、精神面での成長により生まれた余裕が今回の結果につながった。今後もさらなる飛躍に期待が高まる。


 男子は強豪日大に続く2位で試合を終えた。日大とは30点以上も離される結果となり課題が残った。しかし、アベック優勝は逃したものの収穫もあった。柳川由太郎(法3=明大中野)はSBRを持って日も浅いがしっかりと得点を挙げ、竹澤隼(法3=竜ケ崎第一高)もARファイナルで3位入賞を果たした。「まだ上へあがれる」と玉城主将が言うようにまだスタートしたばかりの新チームは伸び代も大きい。これからの男子の成長にも注目だ。

 選手たちは次を見据えている。「優勝した結果ではなく何を改善できるかを話した」(佐橋朋木監督)と、女子も優勝したもののまだ目標達成には達していない。今年の明大射撃部はまだ始まったばかりだ。 目標のインカレでのアベック優勝に向けて、常勝明治へと今季最初の1歩を踏み出した。

[東後太一]

試合後のコメント
佐橋監督

「(今回の結果は)喜びも驚きも特には無くて順当な結果が得られたと思う。今回の女子に関しては、スタートする前からメンバーがそろっていたので誰を選んでも結果を出してくれると思っていた。その中で直前に調子のいいメンバーを選んでこの結果だった。小畑にはいろいろ話をするなかで、直前の声かけではないけれど全日本選手権に向けてその都度その都度のメンバーでお互いにみんなやっていこうと言った。やっぱり選手って直前の結果が出ていない人間が出るよりもちゃんと結果の出た方がお互いに納得すると思う。これだけ女子は選手がそろっているので直前の結果を特に重視してメンバー決めをしようという話もした。たぶん部員達にもこの思いも伝わっていて納得してくれていると思う。なので部員達に特別なにか試合前に声かけというのはしなくてもよかった。(優勝が決まった後は)優勝した結果ではなくて何を改善できるかを話した。例えば、何に緊張したのかなどのこれからに繋がることを伝えた。(去年までと比べて強くなったのは)やっぱり努力の賜物でもある。特にSBがしっかりと安定して、5位となってしまったARで取れなかった点数をとり返せていたのも理由の一つにある。3人がいつもどおりの射撃ができていた。SBに関しては去年からずっとOBの方が寄付してくださって、SB弾は一発が高いんだけど、無料にして練習に打ち込めるようにしてくれているので、SBの強化がこの1年間2年間のところで実績として出てきているのだと思う。(今日の試合のターニングポイントとなったのは)男子もそうなのだけれど3×20で点数を稼いでいかないと、点数の積み重ねなので総合団体で勝利はなかったのでそこだと思う。そして、それをみんな分かっていたので強化もしていたし、お金もかけていた。永澤はだいぶ緊張していたと言っていたけれど、ピンの記録を出せるというのは成長していたのだと思う。女子に関しては精神面での不安というのはもともと無くて、今季最初の試合が実際終わってみてやはり無いというのも再確認できた。明治の射撃部はコーチもそろっているので、そういった意味ではコーチのサポートも大きく、他のの大学とは違っている所だと思う。まだ秋のインカレまでは多くの試合が残っているので1つ1つその試合でみんなが成長していって全日本選手権でいい結果が出せればいい。まだまだメンバーは変えていくつもりだし、試してみたいこともたくさんある。課題をそれぞれ乗り越えて最終的に目標であるアベック優勝を目指していきたい。」

小林部長
「(女子優勝)女子の優勝は久しぶりなので、全ての大会まとめて久しぶりなので、本当に嬉しい。今年は期待してたので、最初の公式戦で結果が出たので、嬉しい。(秋に向けて)今回レギュラーで打たなかった選手もいい点数だったので、ますます刺激しあって頑張ってもらえたら」


玉城主将
「(男子2位の結果については)まだまだレベルの低い段階だったので、2位は妥当だったのだと思う。女子についてはおそらく春関で優勝するのは初めてだったと思うので1つ歴史を作った。女子にはだだおめでとうと言いたい。SD持ちたての3年の柳川が点数をしっかりと取ってくれたのは大きい。女子も初日から首位をずっとキープしていたので本当に個人が撃てるだけの点数はしっかり取れていたのだと思う。物足りないのはARをもっと取ることと3×40でもう一人誰かが点数をしっかり取ること。これができればもっと上にいけると思っている。(個人としては)練習できる時間が少なかったのだけれど、去年より高いアベレージを出して安定させることができたのでまぁ良かった。自分はまだ上へあがれると思っているので、足りない部分をもっと練習して7月の全日本選抜で優勝できるよう頑張ろうと思う。(去年の主将の)嘉山さんは安定していて抜けてしまった穴というのは大きいけれど、代わって自分がそうなればいいだけだと思っているので心配はしていない。(チーム作りは)上下関係の厳しい体育会という中でもしっかり1年も意見が出せて、部員達がコムュニケーションを取りやすいような声かけをしたり、少しだけ体育会という型をくずすようにしていきます。今回の大会では特に男子では柳川が、女子では長沢の活躍が大きかった。永澤に関しては緊張している中、最終番手として出てくれてそれでもしっかり上位の点数を撃てていた。そして、それが女子の総合優勝に繋がった。柳川はSD持って間も無いのにしっかり点数を稼いでくれていて良かった。女子が今まで優勝できなかったけれど優勝できる力がついたというのが収穫。男子だと心配していたよりも点数を出してくれたのでそこまで焦る必要はないのだと分かった。アベック優勝は最終目標。照準を合わせているのはインカレなのでそこでできるようにする。ここがスタートでインカレ前の最後の大会で地に足つけた試合運びをして、ライバルである日大を倒して常勝明治を完全なものにしていきたい。」

小畑
「(女子1位)すごく嬉しい。女子がずっと男子のおまけみたいな感じで言われてきたので、今年は絶対に優勝したいなというのと、明治の女子は他大の影響とかもあるのだけど、勝てる年じゃなくて勝たないといけない年だったので、最初のスタートとしては良かったと思う。(優勝の瞬間)信じられなくて、女子部員も男子部員も全員で優勝ですよ!みたいな。最初全然実感がなくて、今じわじわ来ている感じ。初日から女子は苦しいスタートだったのだけど、1位でなんとかみたいな。2日目から徐々に点差が開いていって、最終日に時田がARで時田が打ったら順位が決まるみたいな時に、9点差くらいあった。相手の中央大学の子と競っていて、その子がいつも打つので、どうなるかなと心配だったのだけど、最後ちゃんと時田が耐えて、苦しかったと思うのだけど。今大会は耐えた、とりあえずみんな。目指すは全大会優勝なので、女子は全大会優勝して、その勢いで男子も引っ張っていって、最終的にはインカレで男女総合優勝」

時田
「(女子1位)そっちに関してはすごい嬉しく思っている。何年ぶりかは把握できていない。順位としてはいい出だしだったとは思うのだが、おのおの点数としてはだれ一人納得できていないのでなんとも。(1位の要因)50mのSBの強化が去年に比べてみんな底上げできていて、平均的な点数が他大に比べて高いので、総合団体優勝ということに関してもSBの点数の底上げが大きな要因。(秋に向けて)優勝できるよう頑張る」


小澤
「(女子1位)入部した時から女子が優勝したことなかったので、嬉しい。素直に嬉しい。初日にSBRの種目で、1番手で出してもらって、緊張はとくにしなかったのだけど、後ろで明治の人たちが見てくれてたりとか、応援してくれてたのは分かっていたので、すごく心強いなとは思っていた。(秋に向けて)このままとは言わず、もっと高みを目指せる実力はみんな持っていると思うので、今まで以上の点数を出せるように一つ一つの練習を大切にしていきたい」

永澤
「やっぱり嬉しい。今回は3×20の団体のメンバーに選ばれて自分の点でその団体優勝ができたというのは自信にもなるし今の女子メンバーが強くなってきているということが実感できている。射撃を5年間やってきているがその中で最も調子のいい時がきていて結果もついてくるようになっている。今回の春関で結果が出たのはとても嬉しい。ARに関しては自信のある成績も出せていなかったけれど、今までよりも余裕が出てきて自信も出てきた。今までの自分の感覚がうまくいってなかったのと自信がなかったのもあったけれど、こうやって団体メンバーにも選ばれて精神的にも成長できているのかなと感じている。3×20ではトリで緊張していたけどみなさんがいつもどおりに安定した点数を取り続けてくれて、後は自分が外さないというよりもプラスに点数を取ってやるという気持ちで撃った。でも、やっぱり不安も大きかった。3×20は姿勢ごとに代わっていくけれど、その中でもKが一番自信があった。でも、いつもより数点少なくなってしまって不安がよぎった。だけど、調子もよく自信もあったPでそのまま点数がとれたので力が抜けていった。あと、Sがどきどきしてしまったのだけどみなさんが後ろにいてくださって、声をかけてくださったので残り5発もしめることができた。そこが自分の中で踏ん張れたのかなとそしていつもどおりの点数が取れて自信にもつながった。団体のメンバーに選ばれても自信を持っていけるかなと思う。メンタルは正直強いとは言えない。でも弱いは弱いけどそれはちゃんと緊張を持って撃てるというのは短所でもあり、長所でもあると思っている。その緊張の中でも撃てる選手になることが大事だと思う。今回の大会で女子全体でメンタルを一つ克服できたのは大きい。試合の中でもあり、自分の中でもあり、チームの支え方も今回の春関で実感できるようになった。自分の中では今回のメンバーが今の明治の中で一番強いと思っていて自信を持って試合に向かっていけた。このメンバーになら任せれると感じれて優勝も夢じゃないと思っていた。もちろん、その後ろに支えられる部分も大きかった。今年は勝てていけるかなと思って自分のメンタルが弱い分、支えられるし、もちろん支えていこうと思っていた。3×20っていうのは自分の自信がある競技でもあるし、その中でメンバーに選ばれたのはやはり嬉しかった。春関をむかえる前の試合でも調子がいつもどおりで、自信を持ったまま今大会をむかえれた。今回のチーム作りではコムュニケーションをとることを特に意識していて、もともと仲が悪いとかでもなかったのだけれど、今先輩はどんな気持ちなのかというのも聞くようにした。それはもちろん生活面でもあり、この合宿の間でもあった。自分の苦手な部分も言い合えてコムュニケーションはよくとれていた。積極的に話にいけていたと思う。合宿所では他愛もない会話で笑ったりでも先輩後輩を超えることはなくといという程よい関係でいられたし安心していられた。家にいるような感じでよく眠ることもできた。体調的にも調子が良かった。今回は射撃をやっている5年間の中でも最もいい感じでもっていけたと思う。もちろん、始まる前には不安もあった。でも、できるだけ無理して点数を取ろうというよりもいつもどおりやっていこうという気持ちでいた。外したらどうしようと考えることももちろんあったのだけれど黙っていたら自分はダメになっていくのでしっかり周りに話すようにした。その流れの中で同期や先輩が来てくれて本当に助かった。4年生は最後の年でもあるので優勝させたいという気持ちもあったし、上級生として引っ張らないといけないという気持ちもあった。優勝旗を渡してあげたいと本当に思っていた。今回の試合はいいイメージをつけれたので、このまま気持ちも切らさず、むしろあげていけるようにしたい。その中でも苦手なSをうまく撃てるようにできたらより点数はあげられると思う。こんごの合宿などで先輩たちと話し合いながらたかみを目指していきたい。もちろんアベック優勝もしたかった。だけど男子は男子でいいメンバーをもってきて試合に臨んでいたけれど初めてだったりしてメンバーの良さも調整して考えるべきだし足りない要素もまだあると思う。でも誰かが悪いとかではなくて全員が日大と互角にできるように射撃をもっていけたらいい。まだスタートなのでここが取れなかったからといって他が取れないというわけでもない。この試合で得ることができたものを次に向けてもっていってほしい。今回の結果に満足はしていない。もっと上にいけるし点差も広げられた。もちろんいつもどおりの点数はとれていたのだけれどその中でも自分はあと自己ベストは4点、5点上なのでそれを目指していたい。団体に関しては先輩たちの中にもまだ調子の出ていない人もいたのでなんとか優勝できたという部分もあるのでそこはみんなで考えながらやっていきたいと思っている。このメンバーなら優勝できると思っていたし他の大学には負けないと思う。去年の主将の久下先輩にはとてもお世話になっていて優勝させてあげることができなかったので、今年は自分が団体で力を出せば勝てるという立場にたてていることを伝えたい。秋関も全部の大会でも優勝して自分たちは大丈夫だと報告していきたい。明治の女子は優勝校だと言ってやりたい。」

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