男子エペ2部4位に終わる 1部復帰は持ち越し/関東学生リーグ戦

フェンシング
2016.05.25
 あと1、2点。その数点に泣いた2日間だった。男子エペは昨年の降格以来、最初の2部での試合。1部昇格へ向け燃えていたが、ここ一番の勝負弱さがあだとなり幾度の接戦を勝ち切れず、2部への残留が決まった。女子サーブルは専門選手不在ながら3位入賞といううれしい結果となった。

<5日目>
[女子サーブル]
 専門選手不在の中3位と健闘した。初戦の日体大戦、続く2戦目の日女体大戦をそれぞれ7-45、15-45とし大敗。「実力差が出てしまった」(村上夢・営2=湘南)と、サーブル専門選手を擁する相手に苦戦した。だが残りの中大戦、学習院大戦においては奥村美咲(理工4=北陸)、村上、星純玲(理工1=宇都宮中央女子)ともに好プレーを見せ連続ポイントを挙げる。そして最終スコアを中大相手に45―30、学習院大相手に45─36とし快勝。専門選手がいない中年に一度のイベントとして出場し、村上は「気負わずに楽にできた」と振り返る。この結果2部3位が決まり「楽しかった」(奥村)と、笑顔でリーグ戦を終えた。

<6日目>

[男子エペ]
 明大、立大、日体大、拓大の4校が2勝1敗のまま迎えた男子エペ2日目。明大の4試合目の相手は拓大だった。昨年は入替戦で敗退し2部降格という悔しい結果に終わった。今年は2部優勝を目標にしてきたが、ここで負ければその可能性は消滅し、昇格のための入替戦へ行くことすら出来ない。絶対に負けられない試合だった。
 試合は拮抗していた。エースの佐伯恒星主将(政経4=鴬谷)、フルーレ専門の岸貴範(営2=埼玉栄)、ルーキー・三浦秀也(政経1=気仙沼)ともリードしながらも、なかなか差を広げられないまま、28―26で6セット目を終える。続く7、8セット目はノン・コンバット(対戦無意欲試合)を選択した。明大は主将としてチームを引っ張ってきた佐伯に全てを託すことに決めた。9セット目は明大のペースで進み、ラスト16秒の時点で40―36。猛るように応援していた拓大ベンチは静まり返り、ほぼ全員が明大の勝ちを確信していた。
 ラスト13秒、悪夢のような現実が待っていた。拓大のエース・安部(拓大)の捨て身の特攻を防ぎきれず4点を連取され、サドンデスに持ち込んでしまった。お互いの出方を探ること10秒。「我慢しきれなかった」(佐伯)と焦った一瞬の隙を見逃さなかった安部に、渾身の一突きを決められた。拳を握りしめ、大声で吠える安部と、悔しさのあまり膝を落とす佐伯。1つのピストの上、対照的な2人がいた。
 その敗北のショックをぬぐいきれないまま迎えた立大戦。善戦はしたもののまたあと一歩追いつけず37―39で敗北。試合後、勝ち切れなかった理由を「どこか自分に甘い、練習が甘い、生活態度が甘いのだと思います」(長尾監督)と振り返った長尾監督。課題を多く残したまま、男子エペの春は終わった。

 男子エペは来年の1部昇格を目指して、さらなる挑戦が始まる。昨年の主力であった4年生の卒業はやはり大きな痛手となったが、三浦のような新たな戦力も開花しつつある。女子サーブルも専門選手がいないながら、ターゲットとした相手から勝利を挙げた。
 長きに渡った関東学生リーグ戦も、25日の男子サーブルの入替戦を残すのみとなった。涙を飲んだ他種目の分まで気持ちのこもったプレーを見せ、最後を笑って締めくくりたい。

[石塚真維・三ツ橋和希]

試合後のコメント
長尾監督

「だらしない。最後周りまで接戦でつないできたものをエースでキャプテンが落としてるということは問題ですね、チーム力的には。下級生に申し訳ない。(勝ち切れない理由)一年間の積み重ねでしょう。どこか自分に甘い、練習が甘い、生活態度が甘いのだと思います。明日まだ入替戦があるから別として、この接戦の弱さは何かということを選手にしっかり伝えて、考えさせて、やっぱり練習から生活態度から心構えから変えていく必要があるということは伝えたい。(課題)毎年毎年メンバーが変わるから、4年生が卒業した後、今年のレギュラーで残るのは3人のうち2人だから、補強をするか、フルーレ陣でエペのほうに回す人間を作るかです。(入替戦に向けて)こちらはメンバーが3人しかいない、かたや向こうは3人ともジュニアかなんかでずっと世界を経験してる3人なので、キャリアだけでいけば向こうの方が個々の力は出てるかなと。明治の意地で、残りたいと思います」

佐伯
「非常に悔しい、後悔の残る試合になったと思います。接戦になって結局最後勝ち切れずに終わっちゃったって感じだったので、悔しいの一言です。技術ではほぼ同じだと思っているので、あとはメンタル面だと思います。我慢しきれなかったという感じですかね。我慢して我慢して相手を出させて、自分の得意な技でやろうと思ったんですけど、やっぱり焦っちゃって自分の技が出来ず負けちゃった、相手に押しに負けたという感じです。(三浦選手について)1年生にしてはよく頑張った方だと思います。ちょっと緊張してた部分もあって実力が発揮できなかった部分もあったのかな、と思います。(課題)今年のリーグ戦は終わったので、次の秋の関カレ、インカレがあるので、それに向けて頑張ろうと思います」

奥村
「年に一度のイベントなので楽しんでやろうというのと、一応プライドもあるので学習院と中大には絶対に勝ちたいなということで今日は挑みました。メンバーは、まず1年の星は一番女子の中でファウントとかも早いので星は入れると決めていて、あとの2名としては村上がサーブルの練習を時々していて意欲もあるので出そうということにしました。最後一人は消去法で最後だし私出ようかなという感じでメンバーを決めました。女子でサーブルの専門はいないが、楽しかったです。フレーズとか技とかも何一つ持っていないので、食らいつくというか積極的にいって、負けても下がって負けるのでなく行って負けようというのを全体で意識してやっていました。去年は最下位で練習していないからながらも結構悔しい思いはありましたが、今年はしっかり学習院と中大に勝つことができたので、まあまあ満足はしています。今後もリーグ戦は出ていくと思うので、楽しんでケガをしない程度に来年からも頑張ってほしいなと思います」

村上
「最初の2試合は実力差が出てしまって結構やられてしまったのですが、残り2試合の学習院と中大は切り替えて自分のできることをしっかりできました。その結果が2勝につながったのかなと思います。負けた原因が普段練習していないので仕方ないなという捉え方だったり、取れるところでは取りにいけたなと思っているので、それで他の二人もそういう感じだったので、個人的にもそこまで内容的には悪くなかったなと思います。サーブルは普段練習していないから逆に変に気負わずに楽にできたのかなと思います。そこまで練習していないからと負い目を感じたりせず、できることをやろうという感じで逆に開き直っていい感じにプレーできました。2勝2敗なのですが、正直なところ頑張ったかなと思います。日女と日体には実力差がかなり開いていたので仕方ないかなと思うしどうしようもなかったので、結果的には満足しています」