3回戦敗退も個人の実力大いに発揮/全日本学生優勝大会

剣道
2015.10.26
 入賞ならずも力強さを見せつけた。9月の関東大会でインカレ出場圏内に入った明大が挑んだ今大会。関東大会には出場しなかった若旅大貴主将(法4=水戸葵陵)が明大生として最後の大会に出場を果たした。水田孝信監督の下、ベストメンバーで挑んだが結果は3回戦敗退。それでも個人が粘りや力強さを発揮した大会だった。

 主将らしい威厳ある姿を見せた。関東大会とのメンバー変更はただ1人。今大会が大学生活最後の出場でメンバー入りを果たした若旅。1回戦の大体大戦では、中断していた試合の再開直後にコテを決め、堂々の1本勝ち。軽快な動きでわずかなスキも作らず、確実に1本狙った。他選手に負けてたまるかと言わんばかりの、勢いあるプレーには輝かしいものがあった。今後は実業団に加入し剣道は続行、仕事との両立を目指すという。仕事でも剣道でも「一番になりたい」。今回果たせなかった頂点への執念は、社会人になってもその剣に込める。
若武者も負けていない。今回もチームの約半数が1年生。山田凌平(政経1=九州学院)は敗戦した日体大戦で、メンと相手の反則によりチームで唯一の勝利を収めた。水田監督の「全国大会で上位に行ける」メンバーという基準の下、選出された有望株ばかり。台頭を続ける選手たちに向けて、水田監督の指導にも一層熱が入る。

 今回の試合をもって4年生は引退する。「納得して終われた」と若旅主将。これからは心機一転新チーム体制となり、11月には新人戦も控えている。今回全日本の舞台で活躍の場を広げたルーキーたちも、明大の名を轟かせるプレーを見せてくれるはずだ。日々進化を続ける剣道部が、その確かな実力で頂に上り詰めていく。

[石渡小菜美]

試合後のコメント
水田監督

 「1回戦から大阪体育大学と厳しい試合。ただこっちから攻めて技を出していたので3-0という結果にはなった。(メンバーチェンジについて)9人で試合をやりたかったし、9人全員の調子も見たかった。それで3回戦の日体大に向けてベストメンバーにした。(メンバー選出)基本的には関東大会の選手を中心にして、1人変えた。やはり1年生が4人入っているけれども、全国大会で上位に行ける、試合の勝負だとかそういう力関係があって。そういうことで全体の力を見ながら決めた。(若旅主将の選出理由)キャプテンですし最後の試合。彼はキャプテンとして引っ張って一生懸命やってくれたっていうことで選手にした。(若い力の台頭は)これから。今1、2年中心なので、彼らが来年、再来年になれば、もっと強くなると思うし、強くなるように指導していきたいと思う。(今後への意気込み)今日の試合を反省して、学生自身がやる気になるようにならないと強くなれないから、そういった形でも学生と一体となって指導していきたい」

若旅主将
 「1試合目から大阪体育大学っていう関西でも強い体育大学と試合だったので、チームとしてまとまっていこうっていう話をして挑めたので。入りがすごい良かったので『ああ調子いいな』と思っていたが、やはり最後日本体育大学に力の差というか最初勢いに乗られて後半で巻き返せなかったという形だったが、全体的にはチームの流れも本当に良かった。私は関東で選手外れてて、4年生市川(巧・商4=小山)だけで関東は勝ち上がってもらったんで、今回主将っていう立場もあって、メンバー入りすることができたんで、さらに自分が主将として何ができるのかっていうのをまずは考えてやったのだが、それがやはり大事なところで勝負して勝つことが一番大事なんだなと思って、負けないで絶対に意地でも勝とうっていう気持ちで挑んだのだが、今日は最後打たれちゃったので。でも自分の中で納得して終われたので良かったと思う。非常に若いチームなのだが、1、2年生が中心のチームで、一人一人の実力がすごくあるチームだったので、どこと試合しても多分おもしろい試合はすると思うのだが、今日の流れっていうのは悪い流れで後半まで進んでしまったなっていうのが正直なところ。今後は私は実業団で仕事と剣道を両立してやろうと思っているので、また社会人になったら今度は仕事と剣道っていう二足のわらじで頑張っていきたいと思う。やるからには一番になりたいんで、社会人になっても仕事でも一番になりたいし、剣道でも一番になりたいと思っているので、さらに頑張ってやっていきたいと思う」