2年ぶり男女でのインカレ出場も満足なし/関東学生秋季大会

射撃
2015.09.23
 10月に行われるインカレへの出場が懸かる今大会。春季大会から男女ともに順位を1つ落としたが、どちらもインカレ出場権を獲得した。昨年インカレに出られなかった女子は雪辱を果たす形となった。男女同時の出場は2年ぶり。アベック優勝を目指す。

 男子は強豪の日大、今季調子を上げている東洋大に次いで3位だった。ルーキーの石田裕一(法1=金沢辰巳丘)がAR、SBRの両種目で出場を果たし、特に初出場となったSBRでは「同期と一緒にイメージトレーニングした」(石田)ことが実を結び自己新記録である597.9点をたたき出した。監督やまとめ役の嘉山豪(理工4=海老名)から特に成長した選手と挙げられている石田。その進化の理由は「射撃の撃つリズムが安定されたこと」だ。インカレ3連覇が懸かる男子団体、ARについて石田は「団体優勝に貢献するとともに個人でも優勝を」と大きな目標を語る。石田の存在がチームの追い風になることは間違いない。

女子は昨年の5位から1つ順位を上げ4位。インカレ出場権を獲得し去年の屈辱を果たしたが、今春より順位を一つ落としており久家有香主将(法4=嘉穂)に笑顔はない。しかしインカレへ向けて収穫もあった。ARでファイナルに進んだ小畑まゆ(国際3=園部)の活躍が大きい。AR、SBR両種目で安定した成績を残した小畑。「両方ともしっかり撃ってくれたのが女子はそこに尽きる」と佐橋監督は高評価した。チームをまとめあげる久家有香主将(法4=嘉穂)ら4年生のために。「その思いしかない」と語る小畑が、先輩の最後の大会で実力以上の力を発揮する。

どこまでも頼りになる男だ。嘉山の存在は部になくてはならないものとなっている。「練習量は嘉山が一番」(佐橋監督)とチームの見本ともなっている嘉山。結果でも行動でも、背中で後輩たちを引っ張っている。SBの種目別男子団体(三姿勢)では4位で嘉山にバトンが回ったが「ここでこけていたら後輩に見せられない」と自らの高得点でチームを2位に浮上させ4年生の意地を見せつけた。3連覇が懸かるインカレについて「自信に満ちあふれたインカレにしたい」。4年間の集大成を、余すことなくぶつけてみせる。

 インカレの目標は「男女優勝」(久家)だ。久家の代になって5か月、「先輩と後輩関係なく教え合える」(久家)雰囲気作りに着手してきた。「全員が笑って終えられれば」とインカレの抱負を語った嘉山。4年生が笑顔で学生大会を締めくくれるように、チームが団結して男女優勝を成し遂げる。

[木村亮]

試合後のコメント
佐橋監督

「男子3位というのは体調となも必ずしもよくはなかったので、そういうのも含めて課題が残る結果でした。女子は4位なんですけど、一応出場権取れたのでそういった意味では一つの目標はクリアできたかなと思います。もう少し体調も課題も全日本に向けて詰めていって、試合の場で点数として自分のパフォーマンスを100パーセント、120パーセント発揮できるような練習をしていきたいと思います。実力はみんなあるので結果は出せると思っていたんですけどもその中で思い通りの表現ができなかった選手が多くいたのかなと。当然日大が強いですから、どうやって戦略を巻き直していくかというのがこれから1カ月の課題です。嘉山は今年の中心人物でしっかり点数も撃ってチームを支えてくれます。彼がいるから自分たちは冒険じゃないですけど、挑むことができます。後ろ守ってくれる選手がいるのは大きいので、そのプレッシャーも受けながらの嘉山の点数なので、頼りにしているというか、安心して彼を送り出せるかなという感じです。練習量は嘉山が一番だし、練習で点数の基準点超えていたのは嘉山だけですしね。石田は自分の射撃がうまく回り始めると、いいイメージが残るし、それを繰り返す能力がどんどんできてくる。射撃はいいイメージをできるだけたくさん自分の中に取り込んでそれを表現して点数を安心して残していくのが重要なんです。彼はいいイメージが元からあるのと、銃を変えても発揮できるベースがあったのかなと思います。期待できます。課題はいっぱいありますけど、この試合にあわせて各々がフィジカル、テクニカルなところ、メンタル、その3つをいいバランスでとれないといいパフォーマンスはできないので、それをどうやってこのあと1カ月間練習の中で選手たちに理解してもらって調整させていけるかですね。インカレは自分たちが昨年の4年生から入れ替わって今年の1月から積み重ねてきたものをどこまで発揮できるかに尽きるので、ゼロから全日本を勝ち取っていきたいですね。日大はトップの選手が安定してますね。それについてくる周りの選手も引き上げられてというのがあるかもしれませんね。我々の方も負けないように練習を増やしているのですがまだまだ足りていないものがあるのかなと。それはこれからまた分析していかなければですね。点数が安定しているということは波が小さいです。それはレギュラー選手で安定してスコアを出していけるから、点数が高い位置にありますね。全体のレベルを上げていくというのも一つの課題です。女子は練習の成果は三姿勢で出てきたかなと。あとはそうはいっても他大が強いので、我々がやっぱり安定して560以上のところを3人揃えていけるかですね。小畑は両種目とも安定してきたので非常にありがたいですね。やっぱり中心に撃ってきてくれています。期待していたことだけどやっぱり小畑が両方ともしっかり撃ってくれたというのが女子はそこに尽きるかな。支えてくれていますよね。色々な試合があってここにパフォーマンスを持ってこないといけないというのは難しいんです。それができているのはやっぱり嘉山だったり小畑だったりです。他の選手もそれに続いてほしいと思います。石田と劉の1年生二人は頑張ってますね。1年目で何も分からない中安定してレギュラーの中で頑張ってくれているのでね。そういう意味ではメンタルがしっかりしているのかなと思います。全日本は3連覇というよりは単純に優勝したいです。我々が今のメンバーで男女で優勝したいという感じです。今のチームの雰囲気はいいですよ。久家が主将でいてくれるおかげで色々な調整とかうまくやってくれています」

久家主将
「悔しい。練習もしたのだけど4位という結果に終わってしまった。そこの原因が何なのかを考えているところ。頑張ってない訳ではなかった。チーム一人一人が悩みを持っていて、そのフォローができなかったりとか、練習の質もなかったのかなというトータル的な結果でそういう順位に結び付いたのかなと。インカレに去年は女子は出られなかった。全員で出たいという思いがあったので、少し気負っているという部分はあったと思うが、いつも通りやることを心がけた。(女子の三姿勢の順位が上がった)部員同士、先輩と後輩関係なく教えあって、打っているところも写真に撮って、昨日と今日の自分で違うところだったり、当たらないときは姿勢が悪くて、当たるときはどういう姿勢なのかなという、目で見るだけじゃなく記録するということを意識した。10mは下級生メインでやってきて、その成長がこの大会で見られた。当たっても当たらなくても諦めずに一発一発打つっていうことが下級生から感じられたので、凄く成長したなと。ARのレギュラーの永沢が凄く伸びたなと。(大会振り返って)自分の自己ベストを何も出せなくて悔しい大会だった、チームとしても自分としても良くなかったけど、ポジティブでいこうということを心がけていたので、自分の言動がチームの雰囲気に凄く影響を与えると感じていて、悔しい結果だったけどインカレは最後の大会なので、あと1ヶ月頑張る。(インカレの目標)もちろん男女優勝。そして部員が全員出場して、個人でも皆がいい結果で結び付いて、優勝するのが一番だけどチームとしても1年間主将としてチームを引っ張ってきたつもりなので、優勝の喜びだけでなく、一緒に戦えて良かったねっていう喜びも味わいたい。そういう雰囲気にするってことがインカレまでの目標。個人としては進路が決まったのできちんと練習して、同期内で練習するのも最後なのでお互いさらに教えあっていきたいと思う。部としても人として成長させるというのを主将になる前話していたので、そのことは守っていきたい。課題は練習の質。(インカレの意気込み)今まで楽しかったことも辛かったこともあるのでそれをぶつけて、チームで悔いのないように勝っても負けてもやってよかったなといえる射撃をしたい。(春3位から秋4位)自分たちが決して悪かったわけではないし、自分たちが頑張ってる以上に他大が頑張っていたのかなと。自分たちだけが勝てると思っていたが、他大も思ってたことを知らされた。自分たちがずっと一番だと思っていた。予想外」

嘉山
「初日に4位で、強い日大だけでなく他の大学にも負けているという点差だった。その時は意気消沈してしまったのだが初日は自分レギュラー的じゃないARで打っていて、レギュラーのSB2種目はまだ打ってなかったので、自分がいれば順位絶対上げてやるという気持ちでやった。(初日の順位)まだ気にせず初日だと。気を抜かずに頑張れと皆に声を掛けた。(気負い)まったくなかった。4年生最後の試合が近づいているこの試合で気負っている暇がない。大会も少ないので。自信しかなかった。夏は練習を部全体でたくさんして、合宿も2回やって力をつけてきたと思ってるので、自分は自信を持ち続けながら後輩を引っ張っていく感じで、ついてこいみたいな話をしていたので。自分がこけたら何も残らない。なのでしっかり打って、明治が強いところを見せてやろうという気持ちで挑んだ。(どんな練習)ファイナルを想定した練習をやってきた。緊張感の中でもしっかり打てる練習をした。本格的に取り入れたら本番の緊張感とかでて凄い皆緊張していた。それがいい経験になったのかなと。その中で打てたのは凄い自信にも結び付いたのかなと。(緊張は)大きな要素。銃口の揺れが全然違う。緊張している時は凄い動く。狙えないくらい。心臓の鼓動が邪魔をする。その中で落ち着きながら打つタイミングが凄い難しくて、外すリスクも大きいし、当たると凄い自信にもなる。それを積み重ねることで、本番緊張している時も対処方法が分かっているので落ち着いてできている選手もいた。(成果)ファイナルに残った選手は春とは緊張の度合いが違ったとか、落ち着いて焦らずできたというのがあった。自分自身も揺れが違っていて、今までずっと三姿勢のファイナル出ていて、それは10回以上出ているのだけど、前までずっと緊張していて、いくら重ねてもファイナルは凄い雰囲気なんだけど今回は落ち着いて、練習の成果がでて、自分のいい感覚で練習の成果が出て、点数も許容範囲だった。(巻き返しで3位)大きい。男子三姿勢の種目別団体は自分が打つ前は4位だった。自分が最後のトリでばしっと打ったら2位になっていて、ここでこけていたら後輩に見せられない。4年生としては打てて良かった。4年生の意地。自分も打つ前に、50点差ついてるけど打つから大丈夫みたいに言っていた。自分でも言い聞かせてそういう雰囲気を作り出していた。その中で打てたのは凄い自信になった。(良かった選手)男子だとレギュラーの3人は頑張ってくれた。自分の仕事を果たしてくれた。SBは苦い感じ。女子はファイナル2人残ってくれて、初めて残って、練習をしたおかげでルールも把握できてきっちりやってくれたので2人はいい成果が出せたかなと。女子ARも1人残っていつも通りの実力が出せたかなと。皆が皆頑張った。(その中で1人)男子だったら石田。ARの中でレギュラー2人目やってくれたのだが、厳しいながらもちゃんと最後当ててくれて、SBでも初めて試合出る割にはいい成績を残したので今後に期待したいなと。女子は小幡。彼女はARファイナル残って、SBは9位で惜しくもファイナル残れなかったのだけど、最後10点しっかり入れて終わったので、次もう少し頑張ればいい。悔しさがあってこそ次の大会で本領発揮できる。(石田は)1年生で打ってくれると皆も凄い頑張ろうってなるのでありがたい存在。今後伸びると思う。後輩には学生引退するまではしっかり教え込んでやっていきたい。(最後の関東学生)凄い楽しかった。全体でいい雰囲気で。一人一人様子伺いながら。個人的には成績はもうちょっと打てるかなという感じだったのだが、ちゃんと部には貢献できたので、そういう姿を見せられたのでいいかなという感じ。(課題)一人一人の射種に自覚を持つこと。個人的でも手を抜かない。あとは一人一人の自己管理。体調不良者が何人かいたので、アスリートとして自分の健康を管理してもらいたい。インカレでは体調万全にして臨んでほしい。(インカレまで)残りの日を充実したものにするためによく考える。目標は全員笑って終えられれば、感動できるインカレにしたい。それが一番嬉しい。(3連覇がかかる)自分は絶対インカレ学生記録とかを目指しているので、自信に満ち溢れたインカレにしたい。3連覇目前なので、自信持っていければなと思う」

石田
「今回は初めて2種目に挑戦しました。個人の方は自己新記録だせてよかったんですけど、団体のレギュラーのほうでは結果は芳しくなく、レギュラーの練習をインカレまで頑張りたいと思います。新記録だしたのはSBで団体はエアーの方です。SBは初出場でなおかつ個人的で、挑戦者として楽しく撃てました。597、9点が自己新記録だと思います。エアーの春は何もかも初めてで、あのときも挑戦者として挑んだらいい結果になったんですけど、今回は頑張らなくちゃいけないというのがあって力んでしまったと思います。春から成長したところは自分の射撃の撃つリズムが確立されたところです。練習とかもいい点数出る感じです。SBは今回練習よりも高かったです。まさか今回はこんなに撃てるとは思いませんでした。試合前日の寝る前に同期と一緒にイメージトレーニングしたのがよかったのか、いい感じに当たりましたね。エアーは全体としては良くなかったんですけど、最後の10発は次につながるようないい射撃ができました。インカレは60発トータルでいい射撃ができるようにしたい。それまでの50発はトリガーを引く勇気がなく、びびってタイミングがずれて外してしまうのが多かった。そこから50発終わってどんどん攻めてどんどん引いていこうと変えてみたらいい感じで10点入ってという感じでした。その切り替えでいい結果に結び付きました。総合で3位入賞もうれしいことなんですけど、自分たちの目標は4年生の先輩がたに喜んでもらうことなんで満足してないです。インカレは男女共に総合優勝して有終の美を飾りたいです。自分個人としてはSBの方は決勝に残れたらいいなという感じで、エアーは団体優勝に貢献するとともに個人でも優勝狙っていきたいと思います」

小幡
「女子でARとSB2つのレギュラーをつとめていたが、この大会で団体取れないとインカレに出られないので、それを4年の先輩が後輩に任せてくれた大会だったので、絶対取らないといけないなというプレッシャーがあった。射撃の面では自信があったが、気持ちの面で秋の関東という独特な雰囲気の大会にのまれて、気持ちが負けそうな時が何回もあったのだが、そのたびに自分に言い聞かせて、メンタルをコントロールするのを意識してやったので、先輩が作ったこのチームと支えてくれた後輩と同期の応援が力になった
なと思う。4年生の先輩が初日からずっと明るく楽しい雰囲気を作ってくれて、明治のレギュラーもレギュラーじゃない人も全員でいい雰囲気でできたと思う。目標は男女でのアベック優勝。(インカレ)自分はファイナルの競技に出られる自信はあるので、ファイナルで優勝できるようにプレッシャーがかかった状態で自分の射撃を一発一発やるというのを心がけて練習をやっていきたい。自分の中で点数のノルマを決めて打つノルマ射撃というのを練習していきたい。ぎりぎりでインカレ出られる順位だったので、正直悔しい。レギュラー6人全員が、あと0.1点でも打っていばという思いだったので、その後悔をしないように次は頑張りたい。(4年のためにという思いがあるか)それしかない」